生誕300年記念若冲展

2016年05月20日 | 健康・病気

私は19日の朝6時40分、会社に行く女房と一緒に家を出た。
若冲展に行くためです。
心のどこかでもう少し遅くてもいいかな?、という気持ちもあった。
バスに乗り、東武東上線の電車に乗ったのが7時10分。
2つ空いている座席はなく、女房とは離ればなれで坐った。
池袋駅には8時15分に着き、山手線に乗り換えて上野駅に行く。
池袋駅で降りるときに向かいの席に坐っていた女房を見ると、目が合った。
人と人のちょっとした隙間から女房が見えた。
それにしても、あの人は毎日こんな状況の電車通勤をしているのだなと思った。
昔、私もこのような電車通勤をしていた。
女房の会社は、池袋から先の駅だ。
私にはもうこのような通勤はできないと思う。
軽井沢での私の通勤は、車に乗って30分です。
途中、渋滞はない。

  

9時頃上野駅を出る。
東京都美術館のまわりにはものすごい人がいた。
9時半開館だというのにもうこんなに並んでいた。
でもこれはチケットを持っている人の列で、
チケットを買うためには別な列に並ばなければならなかった。
チケットを買う列の最後尾にいた係の人が、
「チケットを買うのに45分、入場するには3時間並ばなければなりません」といっていた。
40分ほどならんでチケットを買った。
ところがチケットを買うときに、「若冲展に入るのには270分待ちです」と女性にいわれた。
4時間半、私は一瞬今日は帰ろうかな、と思った。
そうは思ったが、どうしても若冲の絵を見たかった。
しかたなしに9時45分、列の最後尾を探して炎天下の下、4列になって並びました。
しかし、日本人はすごいと思った。
みんな静かに文句もいわずに4時間以上も並んでいるのです。
途中、2ヶ所に給水所があった。
日傘なども用意してあった。
美術館としても、並んでいる人に倒れられたりしたら大変だからでしょう。
並んでいるのは、私も含めてほとんどが中高年の人です。

 

東京都美術館に入ったのが午後2時、それから若冲展に入れたのが2時20分。
待ち時間270分というのは、悔しいけれどほぼ合っていた。
人混みの中、私は必死になって若冲の絵を見た。
素晴らしかった。
ただ、人と人の間から見なければならない絵です。
こんな環境で見なければならない絵で感動は難しい。
若冲の筆の集中力は確認できた。
鶏の足のぶつぶつが精細に描かれていた。
鶏のあの羽の模様の違いはすごい。
「動植綵絵」の描写がいい。
でも私は、水墨画のエンドウ豆の絵がよかった。
私は、4時半に会場から出ました。
最近、こんなに疲れたことはない。
なにしろ朝、8時過ぎ(池袋駅で電車を降りたとき)から立ちっぱなしです。
展示場の中にあるベンチに5・6分坐ったが、ほとんど立っていました。
63歳の最後の日が、こんな過酷な日になるなんて考えてもいなかった。
でも、若冲の絵は素晴らしかった。

コメント (8)
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