ラジオ文芸館「車窓家族」

2016年05月21日 | 健康・病気

今朝のラジオ文芸館(NHK第一 8:05~8:45)は、高田郁(カオル):作「車窓家族」という短編小説だった。
大阪と神戸を結ぶ私鉄電車は、さまざまな乗客を運ぶ。
その車窓からいろいろな景色が見える。
あるところでなぜか停止信号で電車が停まると、文化住宅という表現がふさわしい家の中が見えた。
そんなのをほとんどの人は注意もはらわないが、5人の人間は見るともなく見てしまう。
頭の禿げた太った中高年のサラリーマン、仕事中に差し歯の抜けた美人秘書、浪人の学生、などなど。
いつも丸いドーナッツ型の蛍光灯で明るい部屋では、夕方老夫婦が食事をしていた。
ある日は、おでんのようでそれを美味しそうに食べている老夫婦が見える。
それを見ていて、電車の中でお腹をググゥと鳴らす人もいた。
あるときは焼き魚を食べているときもあった。
ある日の夜(クリスマスだったかな?)、電車が長く停まっていた。
車窓から見える老夫婦の家の照明が消えていた。
その家を気にかけている5人は、どうしてだろう?と心配になった。
「考えると2日前から電気は消えていた」
そう1人が独り言をいうと、「そうでしたね」と応える人がいた。
そんなことからそれまで話したことのない5人が話し始めた。
するといきなり、老夫婦の家の電気がついた。
電気工事をするかっこをしている人が脚立を片づけていた。
どうやら、老夫婦の家の照明器具が壊れてそれを修理したようだった。
5人は、ホッと安心した。
5人の人たちは、次の駅からそれぞれの駅で電車から降りていった。

というなんとも不思議な短編だった。
しかし、私の心は温まりました。

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