10月12日(土)のラジオ文学館(NHK第一 8:05~8:45)は、
「もうひとつの余命」(作:池田晴海)という小説だった。
私は、この池田晴海という作家を初めて知った。
大学生の中山颯太(そうた)は、本を扱う仕事をしたいと思っていた。
第一希望ではなかったがある出版社に内定がとれた。
その会社の要請で入社前の健康診断を受けたら、
「肺がん」が見つかり「余命およそ1年」と宣告された。
颯太は煙草など吸っていないのに…。
とうぜん、出版社の入社内定も取り消された。
古本屋でバイトを始めた颯太は、ある日、本の中から「遺書」を発見する。
颯太は、その本を売りにきたときの女子高生の伝票を探した。
やっと探した伝票には、彼女の電話番号とメールアドレスが書いてあった。
颯太は、彼女に連絡をとり、「必死に1年を生き抜いてみること」を提案する。
彼は、自分の病気のことはいわなかった。
1年たったある日、女子高生が調べて、入院している颯太の病院を訪ねた。
私は、朗読を聴いていて、涙が止まらなかった。