久しぶりの楽家

2001年01月23日 | Weblog

 今年初めて楽家に行った。
 なんだかんだいって1ヶ月ぶりか。
 この前行ったときつまんなかったので、つい足が遠のく。
 今日は、女房がフラメンコの練習で家にいなく晩飯もないので、自分で用意
するのが面倒くさかったから、食事をしょうと思い行った。
 カウンターの端に坐ってマグロの刺身をつまんでいたら、ひとつ間をおいて
坐っている人が、
「柳橋物語読みました?」
 と話しかけてきた。やばい、と思った。
 その人は、ずーと前に楽家で、山本周五郎のことを話した人だった。あのと
きおれは、「柳橋物語読みます」と、酔った勢いでその人にいっていたのだ。
「いや、まだ、読んでないです。日々の暮らしで本はなかなか読めなくて、休
みの日にはこんなものしか読んでいないんです」
 と、おれは、話し相手がいなかったら読もうと持っていった小説新潮を見せ
た。
「今のおれは、長編を読もうというエネルギーがないです。こういう雑誌の短
編を読むのが精一杯です」
「私は読みました。よかったですね。20年前に読んだときとはまったく別な
感動を受けました」
「そうですか…」
 穴があったら入れたい、じゃなく、入りたいというのはこういうことですね。
実に情けなかった。
 その人は仕事があるようで、帰っていった。自営業の人のようです。
 こりゃ、なるべく早いうちに読んでおこう、とおれは思っちゃいました。

コメント
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