秋の桜

1998年10月03日 | 料理

 朝目覚めて、いつものように枕元のポケットラジオのスイッチを入れると、
和歌山の“夫婦”が逮捕されたことを報道していた。
 寝ぼけた頭で昨日のことを思い出してみた。
 ライオンでのかしの木亭オフのあと、土曜日さん、こまさんと新橋で飲んだ。
そのあと、土曜日さんと別れ、こまさんと山手線に乗り、田端でこまさんが降
りた。池袋で西武線に乗ったとき、「所沢では、本川越行き西武新宿線最終と
連絡します」とアナウンスがあり、私は「まにあった」とほっとした。
 めずらしく座席が空いてた。土曜日の夜は人が少ないんだな、と思った。そ
ういえば、新橋の居酒屋でも、土曜日は客が少ない、といっていた。
 私は、バックから柳家小三治の「ま・く・ら」を取り出して読み始めた。石
神井公園を過ぎた辺りで眠くなり、気がつくと西所沢だった。がっかりした。
一つ前の所沢駅で私は乗り換えなければならないのだ。しかたないので私は次
の小手指まで行き、そこから歩くことにした。小手指駅の階段を下りるとき、
女の子二人が抱き合っていた。一人が「私、どうしたらいいか分からなくなっ
ちゃった」と泣いている。思わず「どうしたの? 話してごらん」と声をかけ
たくなったが、いやらしいおじさんに間違われるのはイヤなので、意識しなが
らたんなる通行人として通り過ぎた。
 途中、昔住んでいたあたりの、昔よく飲んだあと食べに行ったラーメン屋で
味噌ラーメンを食べた。あいかわらず汚い店だ。味は変わらずおいしかった。
 ラジオを聞きながら歩く。NHKの深夜便で落語をやっていた。毎月行く床屋
を過ぎ、息子たちの通った小学校の横を歩いて家に着いたのが1時過ぎだった。
この時間だと、防犯上エレベーターが1階ごとに停止するので、階段で5階ま
で登った。
 疲れました。九想話を書いて寝ようかなとと考えたが、落語を聞きながら蒲
団に入るほうに気持ちが負けた。
 というわけで、朝ラジオをつけたときはNHKだった。ダイヤルがNHKだった
ということを書くのに長い説明になってしまいました。
 番組を聞いてるとどうやらテレビの番組を放送しているようだ。急いで蒲団
から抜け出し、テレビをつけた。思った通りだった。ほかのチャンネルにして
もやっていた。これからどういう展開になるか、私も人並みに興味ある。しば
らくテレビの報道番組では、これからこの“夫婦”のことで報道合戦でてんや
わんやなんだろうな。
 今日は、図書館に本を返そうと思っていた。「新宿鮫」を先週読了した。や
っぱり2週間では返せなかった。
 いつもは車で行くのだが、自転車にした。昨日、会社の帰りの広瀬久美子の
NHKのラジオで、所沢のある人からのFAXを読んだ。「防衛医大あたりで桜
が咲いている」。私はぜひ見たいと思っていたのだ。図書館は防衛医大の先に
あるんです。
 自転車で上を見ながら図書館までのんびり行ったのだが、桜の花はなかった。
 今日借りたのは、永倉万治の「大青春」、大沢在昌の「死ぬより簡単」、小
説現代3月号、オール讀物6月号です。
 帰りに、春になると桜が咲く道を思いだし、そこを通った。咲いてなかった。
しかし、1本だけ咲いてる木があった。といっても木全体が咲いてるのではな
く、4、5本の枝にちらほら桜の花が咲いているだけだった。おそらく番組に
FAXした人の見た桜の木ではないだろう。でも、桜の花を見て、私は一応満
足した。
 しかし、朝起きてからテレビを見てるときも、自転車に乗ってるときも、図
書館で本を探していたときも、それからも、ずーと、土曜日さんとこまさんと
話したことを考えてました。

コメント
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