習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『カラフル』

2010-08-31 22:21:09 | 映画
 森絵都の小説の映画化。これで2度目となる。前作は中原俊監督による実写映画だったが、今回はなんとアニメーションによる映画化だ。『河童のクーと夏休み』の原恵一監督が、この、アニメにはまるでむかない素材を、わざわざアニメとして映画化する。どう考えてもこれはアニメにする必要性がない。手間ばかりがかかり、なんのメリットもない、と思われた。だのに頑固にアニメで、このなんでもない日常のスケッチを丹念に見せてい . . . 本文を読む
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『大洗にも星は降るなり』

2010-08-31 22:17:43 | 映画
 今頃になって、ようやくこの映画を見た。まぁ、これは正直言って別にどうでもいい映画だったから、一生見なくてもOKだった。だが、なんとも間抜けな話で、先にこの映画のスピンオフを見てしまっているから、それで本編を見ないのはなんとも片手落ち。だいたい、本編と信じてスピンオフなんかをレンタルしてきた僕が悪い。あの時はあまりのことに唖然とした。まるで気がつかなかったのだ。騙された、と思った。泣いた。  と . . . 本文を読む
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小川洋子『原稿零枚日記』

2010-08-31 22:13:46 | その他
 小川洋子ワールドに浸りたい人には必見の1作。でも、そんなものにはまるで興味がない人(たぶん、大多数の人たち)にはどうでもいいような小説。だからといってこれは、ただの身内受けを狙ったものではもちろんない。  最初は日常のスケッチのはずだった。なのに、なんだかずれてくる。妄想の翼を自由に広げて、荒唐無稽のお話を展開していく。くだらない、と言えば確かにくだらない。こんなヨタ話に付き合う必要はないはず . . . 本文を読む
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角田光代『八日目の蝉』

2010-08-29 20:58:05 | その他
 新聞連載時から読むことは可能だった。我が家は読売新聞を取っていたし。でも、細切れに読むのは嫌だったので、単行本の出版を待っている内になんだか機会を失い、なんと、今日まで読むことが出来なかった。2006年7月に連載が終了し、2007年3月には出版されているのだから、3年以上経ったことになる。その間角田光代の新刊を何冊先に読んだことであろうか。まぁ、そんなことはどうでもよい。それより、この傑作を今ま . . . 本文を読む
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『BECK』

2010-08-26 23:20:39 | 映画
 堤幸彦監督の最新作。『20世紀少年』3部作の後、『トリック』の新作も手掛け、その上で、さっそくまるでジャンルの違うこの大作に取り組み、「それなりの成果」を上げているのはさすがだ、と思う。青春映画というパッケージングだが、これだけのスケールの映画を作り上げるのは並大抵ではない。普通の、どこにでもある音楽映画に仕立てることなら簡単に出来た。だが、そんなことはしない。  「バンドやろうぜ!」という青 . . . 本文を読む
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尼崎ロマンポルノ『富獄三十六系』

2010-08-23 20:25:40 | 演劇
 この夏一番期待した1作である。尼崎ロマンポルノの東京進出第1作であり、橋本さんが新境地を切り開くはずの作品だった。渾身の、入魂の、一作。  オープニングは快調だ。いきなり部屋に押し入ってきた借金取り(堀江勇気)と、その部屋の男(森田真和)。2人のバトルが繰り広げられる。男が死んでしまい、彼の姉(大江雅子)が拉致される。多額の借金のかたに監禁され、ある使命を与えられる。富士のふもとの未完成の駅舎 . . . 本文を読む
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HPF閉幕セレモニー

2010-08-23 20:12:04 | 演劇
 今年もHPF閉幕セレモニーに行ってきた。毎年HPFを見せてもらった御恩返し(?)で、参加されて頂く。というか、本当は自分が楽しんでるだけなのだが。この夏HPFの舞台に立った高校生たちが一堂に会する晴れの場に参加できるのは何だか楽しい。  今年のHPFは例年以上に面白かった。ちょっと頑張って10本(この数字は講評委員の22名の中で、第3位!)見たのだが、そのどれにもハズレがない。この確率の高さは . . . 本文を読む
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『さんかく』

2010-08-20 20:33:58 | 映画
 『机のなかみ』でロリコン映画、『純喫茶磯辺』で麻生久美子のコスプレと、もうこの人!本当にオタク監督全開って感じの吉田恵輔の第3作。相変わらず凄すぎる。今回もいつものように2部構成。(彼の映画は、前半と後半で2本立になっている)  前半は15歳の少女、桃(小野恵令奈)の夏休みの冒険。田舎から姉が暮らす東京にやってきて1週間ほどを過ごすわがまま少女の物語。姉、佳代(田畑智子)は恋人、百瀬(高岡蒼甫 . . . 本文を読む
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『闇の列車、光の旅』

2010-08-20 20:30:17 | 映画
 凄く期待していたからかもしれないが、なんだか物足りない。悪い映画ではない。だが、どっかで見た映画のパッチワークでしかない。オリジナルな世界観の提示はなされない。そのくせ描かれる風景はとても新鮮で、メキシコを縦断してアメリカまで、旅していく風景は今まで見たことがない景色を見せてくれる。監督は日系4世のキャリー・ジョージ・フクナガ。彼の長編デビュー作である。そう考えるとこの映画は凄い。まだ、若い作家 . . . 本文を読む
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辻村深月『光待つ場所へ』

2010-08-20 20:27:44 | その他
 3つの中編小説で構成されてある。大学生、30歳直前、中学生、と、まるで世代の違う主人公たちのドラマは総合タイトルである『光待つ場所へ』それぞれが導かれていく。  個人的には最初の『しあわせのこみち』が一番好きだ。この自分に対する自惚れが打ち崩されていく瞬間から始まるドラマは、生まれて初めて正直になり、誰かを好きになり、素直になるまでのお話だ。自分を縛っていた楔を解き放つ瞬間をさわやかな感動とと . . . 本文を読む
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森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ」』

2010-08-20 20:24:10 | その他
 森見登美彦が新境地を開いた作品らしい。(帯に書いてあった)でも、初めて彼の小説を読んでつまらない、と思った。森見から京都を取ってしまったら、何も残らなかった、という作品。あんまりだ。  子どもを主人公にしたのだが、そこもつまらない。だから、児童文学テイストの作品なのだが、まるで、こいつ(森見です)は子どもがわかっていない。主人公にここまで魅力がないようでは、お話は持たない。少年のお姉さんへの淡 . . . 本文を読む
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『NECK』

2010-08-19 23:26:12 | 映画
 これはなんとも酷い出来の映画だ。SFホラーコメディーである。それを胸キュンの青春ものとして、仕立てる。まぁ、それも含めてよくあるパターンだ。だが、お話の整合性があまりにいい加減で、ここまでくると、ただの何でもありになっている。お話にはいつもドラマとしてのルールがある。そこをこの映画は完全に反故にして、展開する。あまりのことに後半はもう付き合いきれない。オープニングの幼年時代のエピソードがあまりに . . . 本文を読む
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Micro To Macro『スカイフィッシュ・ワルツ』

2010-08-18 21:20:21 | 演劇
 バンドの生演奏とドラマが融合して作り上げられる芝居。バンドは単なるBGMではなく、ドラマに大きく関与していく。バンドのメンバーもキャスティングされているが、彼らは芝居を演じるのではなく、そのままミュージシャンとして、この作品世界に存在する。彼らがドラマを動かしていくきっかけを作る。  こういうスタイルでこれまでも3作品が作られてきたらしい。僕はこの集団の作品は今回が初体験だったが、なかなか刺激 . . . 本文を読む
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生田紗代『まぼろし』

2010-08-18 21:19:05 | その他
 表題作以上に同時収録された『十八階ビジョン』がすばらしい。生田紗代が23歳の頃の作品。2005年7月発売。彼女の描く日常生活の断面は実にシャープだ。何も事件なんかないのに、ドキドキさせられる。会社を辞め、実家に戻った私(23歳)。両親が5日間の中国旅行に行ったことで、高校生の妹と2人で過ごすことになった日々を描く。  友だちとの会話や、妹とのなんでもないやりとりが綴られていくのだが、そのあまり . . . 本文を読む
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満月動物園『ツキノオト』

2010-08-18 21:17:09 | 演劇
 満月動物園がここまで甘い芝居を作るだなんて、今まで決してなかったことだ。さらには、彼らは(というか、戒田さんは)今回初めて本格的に「恋愛もの」に挑戦している。これもまた意外なことだ。これまでそういうテーマは避けてきた。戒田さんはそういう芝居を作ってはこなかった。どういう心境の変化が彼の中に在ったのか、いささか気になる。「もう34歳ですからね」なんて、終演後に言ってたが、それは答えにはなってない。 . . . 本文を読む
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