
休憩を兼ねて軽い映画を見ようと思ってこの作品を選択した。最近この手の「学園もの」には飽きた。高校時代という時間が好きだったから、仕事にも選んで40年以上働いてきたし、好んで青春映画も見たけど、さすがにもう飽きたのかも。
久しぶりのこの手の映画だったが、こんな幼稚な映画がありなのか、と驚く。もしかしたらここから先には「何か」があるのか、と思ってずっと見ていたが、何もなく終わる。ただのよくある少女マンガの映画化なのだが、ここまで捻りのないドストライク! あり得ないけどあり得た。これはそんな作品だった。びっくり。
小学3年生のふたりの出会いが始まり。気の弱い女の子、充希と正義漢で気の強い女の子、あこ子。充希がいじめられていたところを助けてから、ふたりがなかよしになって、8年。高校2年生になった今もなかよし。新学期、彼女たちのクラスに憧れの先輩が留年して(落ちてきて)クラスメイトになる。あこ子は彼に猛アタック。充希も密かに彼が好き。さぁ、どうなる?
こんな定番少女マンガを、新人監督である横堀光範が何の仕掛けもなく描く。冒頭の小3のエピソードのような幼さが高2でも変わらないで描かれる。だからリアリティはまるでない世界を展開する。劇場でこんな低レベルの映画を公開するってすごいかも。(たしか昨年秋くらいに公開されていた)
登場人物はほぼ4人だけ。男女4人だけの狭い世界のお話であることを徹底させることで今までになかった閉塞感のあるドラマを提示するのなら興味深いと思ったけど、ただの綺麗ごとを並べるだけで、何もない薄っぺらい映画に徹する。ラストの空港ロビーでの修羅場なんて見てるだけで恥ずかしい。というかあんなところでキスシーンって、ないわぁ。せめてここまで低予算の映画ならば、もっと破天荒な冒険でもして欲しい。ある意味新鮮だった気もするけど。