習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『おにいちゃんのハナビ』

2010-09-29 23:39:09 | 映画
 こういう難病ものは本来あまり見たくはないタイプの映画なのだが、最近こういう地方初の映画がやけに増えていて、ちょっと気になった。知り合いが最近見た映画で一番よかったなんて言うので、時間が上手く合うからついつい見てしまったのだが、確かにこれはいい映画だ。先日見た『君が踊る、夏』同様、なんとも素朴で、丁寧な映画だ。もちろんこちらの方が、作品の出来もいい。  主人公を演じた高良健吾がいい。ひきこもりの . . . 本文を読む
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『立喰師列伝』

2010-09-29 20:34:07 | 映画
 『アサルトガールズ』を見たついでに、もう1本見逃していた押井作品をレンタルしてきた。実写である『アサルト』の趣味的作りと違ってアニメーション作品はいつも本気モードだ。だから、見ていて気持ちがいい。わざとそういう使い分けをしているわけでは断じてないと思うのだが、見終わったときの印象はいつもそうだ。この作品だってそうだった。これは分類上、アニメーションとなるのだろう。だから、というわけでもなかろうが . . . 本文を読む
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道尾秀介『月の恋人』

2010-09-29 20:31:51 | その他
 木村拓哉主演の月9ドラマの原作。道尾秀介がTV局の依頼を受けてドラマ化を前提にして書き下ろした小説らしい。ミステリ作家の彼が初めて恋愛小説に挑戦したのもこの作品のウリなのだろう。ということで、TVも見ない僕がこういう「企画もの」を読んでも仕方ないのだが、まぁ、なんとなく手にしてしまったので、読み始めた。最初はやっぱり時間のムダかも、なんて思って読んでいたのだが、途中からだんだん頁をめくるスピード . . . 本文を読む
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『ランニング・オン・エンプティ』

2010-09-26 18:34:21 | 映画
 西島秀俊主演の『休暇』の脚本を書いた佐向大による劇場用映画第1作。自主映画を何本か撮っているようだが、満を持しての監督プロデビューだ。かなり期待して見た。結果は、まずまずの仕上がりでほっとした。  しかし、本当言うと、打ちのめされるような傑作と出会えるのではないか、とも期待していたから、そう言う意味では期待はずれだ。低予算の映画であっても作り手の熱意と明確なビジョンがあれば、デビュー作で大ブレ . . . 本文を読む
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演劇集団TSUBASA『殺人事件の起きるまで。』

2010-09-26 18:32:51 | 演劇
 久々に拙い芝居を見た。ミステリ仕立てになってはいるけど、(しかも、このタイトルだし)これじゃぁミステリとは言えない。まぁ作り手の方も、そんなつもりはないようだ。ならば、ミステリ作家を主人公にした会話劇なのか、というと、それにしては特別意味のある会話でもないし、話もまるで広がっていかないから退屈だ。どうでもいいことをだらだら見せるための芝居、というわけでもない。  書けない作家がアシスタントや、 . . . 本文を読む
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『カティンの森』

2010-09-26 18:31:28 | 映画
 この重くて暗い映画をアンジェイ・ワイダはどうしても作りたいと思ったのだろう。これを作らないことには死んでも死にきれない。祖国があの戦争で失ったもの。その痛み。ずっとひきずりながら生きてきた歳月。ポーランドがポーランド自身として、生きていくための歴史をこの1本の映画を通して見つめようとする。渾身の力作である。  ソ連の支配下で生きてきた50年に及ぶ社会主義国としての歴史は、戦後ではなく戦争の続き . . . 本文を読む
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『ナイト&デイ』

2010-09-24 22:40:20 | 映画
 久々に何も考えることなく、ただ一心にスクリーンを見つめるだけでいい映画を見た。単純バカな映画だが、アクションのつるべ打ちで、一瞬すらスクリーンから目が離せない。大層疲れる映画でもある。見終えた時には満足感より、疲労感の方が大きい。それって、どうよ、とも思うが。  トム・クルースにぴったりの役だ。キャメロン・ディアスも「きゃぁ、きゃぁ」叫んでいるだけで、楽しそうだ。娯楽映画の王道を行くアクション . . . 本文を読む
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『SRサイタマノラッパー』

2010-09-24 22:01:20 | 映画
 こういうマイナー映画がちゃんと評価されるっていいことだ。今、続々才能ある若手が日本にも登場している。映画を作ることが簡単になり、大量の作品が生まれることとなったからだ。その結果、ゴミも多いが、埋もれる傑作も多々あるのだろう。お金がなくても才能とやる気さえあれば映画は作れる。でも、公開は難しい。しかも正当な評価を受けるのは更に難しい。  ルックスと、話題性が自主映画にさえ必要な時代が来た。そんな . . . 本文を読む
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朝日奈あすか『やわらかな棘』

2010-09-24 21:58:36 | その他
 いやな話だ、と思う。4話からなる短編連作は、いずれも悲しい話ばかりだ。たった4つのエピソードだが、話はロンド形式になっている。最後まで行くと元に戻ってくる。  人間ってどうしてこんなにも愚かなのだろうか、と思う。恋人に棄てられた女は、彼の結婚の邪魔をする。そんなつまらない復讐なんか何の意味もない。わかっていても心が収まらない。くだらない女だ、と自分でも思う。たぶん。でも、どうしようもない。その . . . 本文を読む
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『一頁台北』(『Au Revoir Taipei』)

2010-09-23 22:23:09 | 映画
 台北にある大きな本屋が舞台になる。何度か行ったことがあるところなので、それだけでこの映画になんだか親しみが感じられる。主人公はその本屋の店員と、そこで座り読み(台湾の人は本屋で平気で地べたに座り込んでいる!)している男。そんなほとんど見知らぬ男女が、偶然から、台北の街を走り抜けることになる青春映画。  台北の街が生き生きと捉えられるのがいい。期待した映画とはちょっと感じが違って、少しがっかりし . . . 本文を読む
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『彼女が消えた浜辺』

2010-09-23 21:10:49 | 映画
 こういうミステリータッチのイラン映画を見るのは初めてだ。今までは、どちらかといえば、キアロスタミをはじめとして、どちらかといえばアート映画に分類できるようなもの(児童映画とも言える)しか、日本には入ってこなかったから、これはとても新鮮だった。    学生時代からの仲間で今も家族ぐるみでつき合う友だち同士が夏のバカンスにやってくる。車を3台連ねて、カスピ海のリゾート地にある別荘に来る。2泊3日の . . . 本文を読む
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『君が踊る、夏』

2010-09-23 20:59:00 | 映画
 このタイプの映画や小説は枚挙に暇がない。先日の『チョコレートの町』もそうだし、故郷と東京という図式で、単純に故郷を持ち上げるのではなく、過去と今のせめぎ合う中から、自分の未来を見つめるというのは、ある種の定番だろう。疲れた体に心地よい映画が見たくて、この映画にした。つまらない可能性も多々あるが、よさこい祭りの纏(旗振り)なんていうのを映画の中心に据える。そんな今時の映画にはあるまじき地味さに期待 . . . 本文を読む
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重松清『十字架』

2010-09-23 20:58:45 | その他
 こんなにも暗くて思い話をよく書くよな、と思う。重松清のまじめさ、その使命感には、少し腰が引けてしまう。出来ることならここから目をそらしてしまいたい。だけど、そうするわけにはいかないから、しっかり最後までこの小説と向き合う。それは先日見たアンジェイ・ワイダの『カティンの森』に関してもいえることだ。これを見つめることは人間としての義務だと思う。  嫌なことから、目を背けて、見て見ぬふりすることで、 . . . 本文を読む
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イチハラ会『優シイ想イ出』

2010-09-22 23:19:36 | 演劇
 母と息子の話だ。痴呆が進んだ母の介護をする息子が家の近所を流れる桂川のほとりで見た幻が描かれていく。息子はもう何もしゃべれない母親に一方的に語りかける。  そんな彼のひとり語りの日々が続く。芝居の中で描かれる日までが充分に想像できる。彼はもう精神的にも肉体的にも参ってしまっている。きっと限界にある。だが、穏やかでいつもと変わりない時間をその日も過ごす。そんな優しい青年が、母親を絞め殺すまでの物 . . . 本文を読む
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『アサルトガールズ』

2010-09-22 23:01:30 | 映画
 これだけは劇場まで足を運びたくはなかった。絶対つまらないと確信していたからだ。なのに、なぜか、やはり気になる。だって押井守なのだから。どうせ『アヴァロン』以降彼の実写映画には期待していないのだが、それでもやはり見てしまう。ただのオタクの趣味でしかないのは重々承知している。  それにしても、こういう「コスプレ美少女もの」をどうして作るのかなぁ。こういうまるで「話のないスタイリッシュなだけの耽美的 . . . 本文を読む
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