4人の昭和元年生まれの子どもたち。彼らが生きた時代を描く大作である。4人を背景にした4つの物語、だから彼らは主人公ではない。それどころかまだ赤ん坊や幼児だからほとんど登場すらしない。ここまでは完全に彼らの父親や母親のお話である。昭和元年からの100年間が描かれる大河ドラマ。日本がたどった壮大なクロニクル。たった今、読み終えた。先に見終わった『百年の孤独』と同じで、この小説もラストは戦争が始まる場面 . . . 本文を読む
2話から4話までを見て、なんだかつまらないな、と思った。彼らが作った自分たちの村はいつの間にか町になる。ここでの生活も30年。若かったふたりも歳を重ねて、初老に達する。2話は錬金術にハマる。長男が去っていく。3話で不眠症・健忘症になる。4話で政府から町長がやって来て、この町を支配する。父はおかしくなり、木に縛られる。次男は町長の娘に恋する。6人いる姉たちではなく、その下の妹であるまだ幼い少女に。も . . . 本文を読む
軽く流し読みしてみた。倍速で映画を見るなんてあり得ないけど、(作り手への冒瀆だ!)この本ならそれでいいと思ってしまった。あまりにさまざまな映画のことを取り上げてあり、笑ってしまった。僕が見ていない映画も多数あるし。あまりたくさん映画は見ないようにしている。今は年に劇場で150本くらいにしている。(だけど200本くらい見てしまうけど)配信でも150本目標だけど、200本くらいか? 本はほぼ小説で30 . . . 本文を読む
これは小説ではないけど、演劇の作り方、教えます、とあるので、ちょっと気になり読んでみた。とても面白く読むことができた。普段から芝居は見ているけど、それが出来るまでについてはあまり考えてない。出来たものについてなら考えるけどそこまでの過程は興味がない、わけではないけど、深く考えずに見ている。音響、照明、舞台美術、舞台監督、制作。他多数。それぞれのスタッフの協力なくして芝居は作られない。だけど、僕が見 . . . 本文を読む
昭和を描く壮大なドラマ。600ページに及ぶ超大作三部作の第一部。(全編は1800ページくらいになるのか?)本が重い。この夏、というかこのお盆休みは人が多いから街には出たくない。だから、家でゆっくりこの本を読むことにした。だいたいこれを持ち歩くのは難しい。だからこれはお家で読むことが妥当だと思う。これは昭和と共に生まれてきた4人のドラマだ。彼らの出生から始まり、幼い頃から亡くなるまでが昭和の歴史と共 . . . 本文を読む
寺山修司は遺作となった『さらば箱舟』を撮った。1982年のことだ。映画は84年に公開されている。死の床から撮影して完成させた。ベッドに寝転んだ状態で撮影現場に臨む写真を見た記憶がある。原作はガルシア・マルケスの『百年の孤独』だという。当時映画を見る前にさっそく原作を手にしたけど、あまりに難解で途中まで読んだが断念した。あれからもう40年になる。今回Netflixドラマシリーズとして映画化されたが、 . . . 本文を読む
これは小手鞠さんの体験を下敷きにした作品らしい。彼女が20.30代の頃インドを旅した経験、体験が題材になっている。それとたぶん彼女が少女時代に思ったこと、その記憶から書き起こしたのではないか。少女が世界と出会う時間が描かれる。まず最初の劇中劇の絵本(童話)を読んだところで思わず泣いてしまった。これは幼い少女(と、いってももうすぐ14歳になるけど)が、このお話に感化されてインドに行く決意をするまでの . . . 本文を読む
172回の芥川賞受賞作。今回芥川賞、直木賞は受賞なし(向坂くじらも落選)で話題になったが、僕は基本芥川賞作品は信じない。あまり面白い作品がないし、へんに理屈っぽかったり、わからない作品が多いからだ。新人賞だから仕方ないのかもしれないが。さて、安堂ホセによるこの作品は、最初は安っぽい三文小説。恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr. . . . 本文を読む
今年は戦後80年。この夏、戦争を扱う映画がたくさん作られ、公開されている。これもそんな1本。忘れてはならないことを伝えることが今こんな時代を生きる僕らの使命だろう。井上ひさしが残した遺稿をもとにして蓬莱竜太が書いた台本を栗原民也が演出したこまつ座の舞台の映画化。『父と暮らせば』『母と暮らせば』に続く戦争3部作の完結編になるはずだった作品だ。ならばタイトルは『友と暮らせば』とでもすべきだと思うけど。 . . . 本文を読む
サーティ・サーティの短編って難しいな、と改めて思う。上演時間30分で他団体とのカップリング公演。途中休憩(舞台転換)は5分ほど。2団体はその中でそれぞれ1本の独立した作品を仕立てる。トランスパンダ作品だから、今回もゲネプロを見せてもらったが、これはまるで違う団体を連続して見る中で、どれほどのインパクトが可能かということへの挑戦だな、なんて思う。前回は久しぶりのナカタ作品で興奮したが、今回は冷静にな . . . 本文を読む
8話からラストの10話までを一気見する。予想通り9.10話は柿本ケンサクが監督する。(後藤孝太郎は3.4.7.8話)お話は終局に向かう。佐藤健の死までは描かない。ただ、命と音楽を天秤に掛けるなら、音楽を選ぶ。音楽のない命なんて無意味だから、という彼にとっては当たり前の答えをテンブランクの仲間たちが受け入れるところから始まる終章はやはり岡田麿里の脚本で柿本ケンサクが監督する。何の為に生きるのか。残さ . . . 本文を読む
毎回必ず食をテーマにした作品を綴る冬森灯の新作。今回は弁当屋さんが舞台になる。特別な弁当を作り、運ぶ。あなたの想いをお弁当にして相手に伝える。5つのお話からなる短編連作。弱っていた心を癒やして、明日からの毎日につなぐ。たかがお弁当なんて言う勿れ。そのお弁当が壊れそうになっていた人々の想いを甦らす。立ち直るきっかけを作る。心が折れていた人たちがお弁当を通して復活する。そんな奇跡のお弁当。発想は面白い . . . 本文を読む
3話から監督が後藤孝太郎に変わる。知らない人だ。ここから急につまらなくなる。3話はミュージックステーション(みたいな、番組)に生放送でトリとして出演するシーンをクライマックスにしてバンドがメジャーデビューするまで。さらに4話は合宿してのアルバム作り。なんか少女漫画みたいなチマチマしたお話になる。撮影は柿本ケンサクが引き続き手掛ける。お話の本編に突入すると思ったけど、そうじゃなくて、瑣末なお話が描か . . . 本文を読む
尾崎優人の一人芝居。作、演出、主演を一人でこなして、照明、音響も演じながら自分で操作する。装置はパイプ椅子だけ。総勢54人に及ぶキャストをひとりで演じる。当日パンフでキャスト表を数えて見ると35人だったけど、劇中劇の『水戸黄門』(!)の役を加えると54人になるらしい。この日彼は乗り打ちで名古屋から長距離バスでやって来た。2時間も延着して小屋入りは4時半。公演は5時半開場6時開演。綱渡りだ。しかも、 . . . 本文を読む
佐藤健・企画、プロデュース、主演のNetflixドラマシリーズ。10話からなる長編なのだが、まず最初の2話まで見た。とてもいい。この手の音楽映画は山盛りある。今更って感じだけど、新しい切り口ではなく、どこにでもある、だけどどこにもなかったそんなドラマを作ろうとしている。天才ミュージシャンとドラムが大好きな女の子。音楽を通して世界と向き合う。佐藤健ではなく、新人の無名の女の子を主人公にした。宮崎優。 . . . 本文を読む