習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『チア男子!!』

2019-05-19 21:40:58 | 映画
今更この小説を映画にするか、と僕は思う。朝井リョウによる原作が出たときに、これは実に面白いと思った。映画にしたらいいのに、とも。だけど、なかなか映画化されず、後発で『チアダン』とか、似たタイプの青春映画が出てしまったから、もういいでしょ、って感じ。(アメリカ映画だけど『チアーズ!』とかいうのもあった。) でも、この小説をどんなふうに映画にしたのかは気になるから、ついつい見てしまった。見てよかった . . . 本文を読む
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瀧羽麻子『うちのレシピ』

2019-05-19 21:25:10 | その他
6人の視点から描く6つのエピソードを通して2つの家族から新しい家族が生まれてくる。これは結婚にまつわるドラマだ。若い二人が出会い、結婚し、子供が生まれ、というどこにでもあるお話を、食にまつわるエピソードを介して綴っていく。さりげないけど、いつもながら、瀧羽麻子は上手い。時制も前後したり飛んだりするけど、そのバラバラのピースが描かなかった部分も含めてその全体像を見事に提示する。フレンチレストランを舞 . . . 本文を読む
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『芳華』

2019-05-18 17:57:46 | 映画
70年代中国を舞台にした青春映画。文革の嵐の後、中国が変わり始める時代、文工団(文芸工作団)に入ったひとりの少女と彼女の周囲の人たちの群像劇。ナレーションで私はこのドラマの主人公ではない、とお話の語り部である少女が言う。主人公はこのふたりだ、と雨の中ここにやってきた少女と彼女を迎えに行っていた青年の姿が描かれる冒頭から、中年になったそのふたりが手を取り合うラストまで、そういうとこれは正統派ラブスト . . . 本文を読む
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『二重螺旋の恋人』

2019-05-17 21:00:56 | 映画
オゾンの新作だ。今回も彼らしい緊張感のある映画でドキドキしながら見守ることになる。腹痛を訴える女が精神科で治療を受ける。内科ではなく。心と体はつながっている。彼女の心の病はどこからきてどこへとたどりつくのか。どうすれば治せるのか。彼女が治療を受けた医師と恋仲になる。彼には双子の兄がいる。その存在を隠し続けたこと。彼と暮らしながら、兄とも付き合う。だが、本当は何なのか。実は彼にはそんな兄なんかいない . . . 本文を読む
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劇団きづがわ『鶴彬―暁を抱いて』

2019-05-17 20:26:10 | 演劇
いつものパターンの、再演である。昨年大ヒットしたこの作品をいつものようにブラッシュアップさせて再度お披露目する。今回はゆったりとした状態で観劇できでよかった。(劇団にとっては不本意だろうが)昨年の初演時は満杯の観客で、立ち見で見た。大変だった。だけど、客席も熱気が溢れ、いい芝居を観たという満足感があった。 さて、今回は2度目なので、冷静に見れる。実話の劇化というものはいろんな意味で難しい。フィク . . . 本文を読む
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真紅組プロデュース『慶應不思議草子』

2019-05-17 19:30:14 | 演劇
「平成の終わり、令和の始まり」という節目だからこそ、こういう時代の移り変わりの瞬間をとらえた作品に取り組むことにしたのだろう。慶応3年から4年、明治元年へと変わる瞬間をクライマックスにして見せる。倒幕、尊王攘夷に揺れる京都を舞台にしたドラマは枚挙にいとまはない。だが、竜馬や新選組を中心に据えるのではなく、中岡慎太郎は出てくるけど、お話の中心はあくまでも庶民の側にあるというのが真紅組らしい。しかも、 . . . 本文を読む
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『愛がなんだ』

2019-05-06 15:23:23 | 映画
GW中3度劇場に行った。毎回満席で見れなかった。しかたなく3度目は立ち見で見ることにした。小さな劇場でしかしていないし、テアトル梅田でしか見れないから、というのもあるのだろうけど、それにしても凄い盛況ぶりだ。『希望の灯り』にもわけてあげたい。今はほとんどの劇場は座席指定定員制なので立ち見はないのだけど、テアトル梅田はちゃんと入れてくれる。劇場サイドの壁にもたれて地べたに座って見た。近年稀にみる貴重 . . . 本文を読む
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上田岳弘『ニムロッド』

2019-05-06 14:47:21 | その他
時間の許す限りたくさんの本を読んでいる。その感想をここにも書いておきたいと思いつつも、映画や芝居で手一杯で小説は後回しになり、結局書かないで終わるというのが最近のパターンなのだが、これだけはまず書いておこうと思った。衝撃的な作品だった。なんなんだ、これは、と思った。 第160回芥川賞受賞作品なのだが、そんなことはどうでもいい。それどころか、最近の芥川賞作品はつまらないものが多いからどちらかという . . . 本文を読む
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豊麗線『頭痛肩こり樋口一葉』

2019-05-06 13:51:02 | 演劇
女6人の芝居。10場からなる2時間半の大作。この作品に豊麗線が挑むというのは凄い挑戦だと思う。シニア劇団であるこの集団がこいう繊細なドラマを演じるというのはとんでもなく困難を伴う。だけど、やりたいという気持ちが後押しして上演へと漕ぎ着けたのだろう。素晴らしいことだ。これで凄い作品が生まれたなら万々歳なのだが、なかなかそこまではいかない。 思ったほどに弾まない。この芝居はもっと掛け合いの面白さで見 . . . 本文を読む
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『希望の灯り』

2019-05-04 19:52:53 | 映画
GWに公開されている映画で一番見たいと思っていた映画をようやく見た。早く見たかったのだけど時間の関係で後回しになっていた。この10連休は10日連続で仕事なので、何もできない。さすがに1日は休みを入れなくては連休後の仕事にも影響が出るのでは、と思い、この日は生徒にお願いして付き添いなしで試合に行ってもらった。授業はないけど、クラブはある。しかも、連日試合だ。生徒もたぶん体がもたない。まぁ、生徒は自分 . . . 本文を読む
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『アベンジャーズ エンドゲーム』

2019-05-01 20:05:46 | 映画
なんと3時間2分の超大作である。この手の娯楽映画の上映時間としてはこれは半端じゃない。だいたいこれは『ロード・オブ・ザ・リング』じゃないんだから、3時間越えってあり得ない話だ。この長さには観客も引くだろうし、映画興行としてもこの上映時間は許されないはずだ。なのに、あえてこれで行く。きっとつくり手にはそれだけの自信があったのだろうし、映画会社(ディズニー)もそれを許した。 堂々たるタッチでお話は展 . . . 本文を読む
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『キングダム』

2019-05-01 19:22:46 | 映画
原作はまるで知らない。大長編のマンガの映画化らしい。こういうタイプの映画は中国映画ならもう山盛りあるから、これがどれだけスケールの大きな映画になろうとも、またそうであろうとも、どこかで見た中国映画と大同小異だと思われることは必至だろう。そんな「中国の王宮を舞台にしたスペクタクル映画を日本映画として作る」という多大なリスクを追いつつもそれにチャレンジして、本国の映画に負けないスケールと面白さを提示で . . . 本文を読む
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『マイ・ブックショップ』

2019-04-28 22:31:51 | 映画
1959年、イギリス東部の海辺の小さな町。ひとりの女がここに本屋を開くことから始まる小さな物語、のはずだった。でも、これはちょっと僕が(勝手に!)思い描いていた映画とは違う。もっと心地のいいハートウォーミングだと思っていたら、さにあらず。なんだかとんでもない展開をする。確かにこれは小さな本屋を巡るお話ではあるのだけど、ちょっと違う。意地悪な町の有力者である夫人による執拗な嫌がらせ。それに屈すること . . . 本文を読む
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『幸福なラザロ』

2019-04-28 21:50:05 | 映画
なんなんだ、この不思議な映画は! 意味が分からない、と敢えて言うことにする。理屈で説明するとつまらなくなるからだ。「ラザロ」という名前から、このお話を説明してしまうとわかりやすいけど、つまらなくなる。何も考えないでこの不思議体験を唖然としながら受け止めるほうがいい。年を取らないでよみがえってきた彼に驚いた昔の村人たちのように。 映画は前半と後半でまるで違う世界を見せる。でも、どちらも現代とは思え . . . 本文を読む
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フラワー劇場『箱庭の王様』

2019-04-28 21:20:47 | 演劇
1時間の中編作品。平日の夜の回だけで8時からの上演だから(マチネーの3時もあったけど)コンパクトな尺を心掛けたのかもしれない。だけど、作品の内容と上演時間がとてもよくマッチしていてよかった。あと10分長かったならバランスが崩れたはずだ。もちろん30分長ければ内容を変えなくてはならない。この小さなお話にはこの長さが適切なのだと思う。 前半にはちゃんと遊びも盛り込んでそれでもこの長さに収めた。最初に . . . 本文を読む
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