習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『レミニセンス』

2021-09-17 17:09:48 | 映画
予告編を見てこれは面白そうとワクワクさせられた。クリストファー・ノーランの弟ジョナサン・ノーランが製作、というところが実はかなりパチっぽかったのに、しっかり騙されてしまった。要するに『インセプション』のような映画だと思ったのだ。 凄い大作映画か、と宣伝に踊らされ見てみたら、実際はしょぼくて、とんでもないB級映画で、がっかりさせられた。これは久々のハズレ映画だ。まんまとだまされた。 だいたいお話 . . . 本文を読む
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谷口雅美『私立五芒高校 恋する幽霊部員たち』

2021-09-16 20:10:16 | その他
YA小説である。このジャンルには思いもしない傑作が隠れているから気をつけなくてはならない。見逃すと(読み逃すと)後悔する。この作品もたまたま新刊コーナーで手に取ったのだが、借りてきてよかった。これはたしかに中高生向けのジュニア小説に分類される作品なのだけど、無視できない作品なのだ。だってこんなにも気持ちのいい小説を読むのは久しぶりのことだから。 「1話5分」という本の帯にある宣伝文句(そんな「売 . . . 本文を読む
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『サタンタンゴ』

2021-09-16 09:39:50 | 映画
huleで配信が始まったので、さっそく見ることにした。7時間18分に及ぶ空前絶後の長尺である。しかも不必要な長回しの多用、ストーリーは一向に進まない。これまでも彼の映画は見ているからある程度以上の覚悟で見始めたのだが、それでもきつい。しかも、今、家に事情でTVでは見れないので、仕方なくスマホで見ているのだが、この映画はスマホサイズで見るのは苦行だ。この映画自体が苦行なのだから、そういう条件が付与さ . . . 本文を読む
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高橋久美子『ぐるり』

2021-09-12 17:01:46 | その他
これは短編連作なのだが、微妙なところで各作品がつながっているという作りだ。それはまぁ、よくあるパターンなのだが、さらには途中で2度、ラジオのDJによる番組のエピソードが描かれ、その中でそれまでのそれぞれのお話の主役がゲストとして登場したり、あるいはリスナーとして投稿してきて近況を報告するという凝った作りになっている。 この世界の片隅で「誰か」が「誰か」と「どこか」でつながっている、かもしれない。 . . . 本文を読む
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『科捜研の女』

2021-09-12 09:44:18 | 映画
このTVシリーズを今まで一度として見たことがない。こういうのは見たいとは思わないし、TVドラマはめんどくさいから基本見ない。あの『相棒』だって1回も見たことがない。だけど、なぜか映画版は全部見ている。当時好きだった和泉聖治監督が1作目を作ったからだが、それほど面白くはなかったのに、気づけば全部見ている。同じように今回もなんとなくあき時間の調整で見たのだが、大根役者沢口靖子の相変わらずの演技には失笑 . . . 本文を読む
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吉本由美『イン・マイ・ライフ』

2021-09-12 09:33:44 | その他
高橋久美子『ぐるり』が素晴らしい。今、半分まで読んだけど読み終えるのが惜しい。この何でもない暮らしのスケッチのような小説ががどうしてこんなにも心に沁みてくるのだろうか。この小説の直前に読んでいた吉本由美さんのこのエッセイ(生まれたところから73歳の今までの日々が綴られる)にもそこには同じような感慨がある。 『イン・マイ・ライフ』というストレートなタイトルがいい。スタイリストとして70~80's『 . . . 本文を読む
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『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

2021-09-11 16:40:24 | 映画
今、ネットフリックスで短編映画をずっと見ている。ndjc若手映画作家育成プロジェクトの作品だ。30分でいろんな新人作家の壮大な試みを体感できる。35ミリの映画をプロのスタッフ、役者たちを使い作る。それがちゃんと劇場でも公開されるし、そこを登竜門にして本格デビューもできる。真剣勝負だ。ここをスタートにしてすでにたくさんの劇場用長編映画を作っている監督もいる。先日、この映画の監督である堀江貴大の『はな . . . 本文を読む
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『モンタナの目撃者』

2021-09-07 13:11:18 | 映画
アンジェリーナ・ジョリー主演の久々のアクション映画。彼女がこの映画に出演する気になった理由はこれが単純だけど丁寧な映画だったからだろう。社会派映画だけではなく、以前はよく出ていたこういうアクション映画だって、こなす。でも、今はなんでもいいのではなく自分が出演する意味のある作品を選ぶ。要するにこれは彼女のそんなお眼鏡に適った作品だったのだろう。 監督は『ウインド・リバー』のテイラー・シェリダンだか . . . 本文を読む
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『シャン・チー テン・リングスの伝説』

2021-09-06 08:21:14 | 映画
『黒い司法 0%からの奇跡』のデスティン・ダニエル・クレットン監督がメガホンを取ったマーベル・ユニバースの新作だ。先日ようやく公開された『ブラック・ウイドゥ』も実に面白い映画だったのだが、実をいうとこの手のヒーローものはもう食傷気味。次から次へと新作が登場するのだけど、基本どれもスーパーヒーローが悪者(今の時代、ヴィランと言うべきなのですね)を退治する話。異口同音。それなりにひねりはあるけど、これ . . . 本文を読む
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A級MissingLink『その間にあるもの』

2021-09-03 19:03:53 | 演劇
久々の土橋さんの新作だ。もちろんA級MissingLinkの公演自体も久々になる。いずこもコロナ禍でなかなか公演ができない現状の中で放つ新作は、いろんな意味で今までとは少し違うものになるだろう。心境の変化や現状に対する想いや、さまざまなものが作品に影響するはずだ。そんななかでのこの作品である。 母と娘がハグするシーンがなぜか、こんなにも心に沁みてくるのは、コロナのせいで他者と直に触れ合うことが困 . . . 本文を読む
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『白頭山大噴火』

2021-09-03 09:31:31 | 映画
2019年韓国で大ヒットしたディザスター・パニック映画。だが、これは『日本沈没』のような映画ではない。悲観的な現実を描くのではなく、何があろうとも前向きに未来を信じ、この局面を乗り越えようとする。韓国映画は力強い。日本映画とは違う。 冒頭の大地震のシーンが凄い、このつかみが見事で、これだけのスペクタクルを最初にやりきったらこの先はどうなるのかと、心配になる。だが大丈夫。そこを踏まえて本題に入ると . . . 本文を読む
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金子薫『道化むさぼる揚羽の夢』

2021-09-02 10:37:11 | その他
このディストピア小説の提示する世界に魅了される。あきらかに現実ではないわけだけど、この不安は現実のものだ。だからその世界にどんどん嵌ってしまう。読み始めたらそこから抜け出せない。この先どうなるのだろうか、という興味からではない。なんとかしてここから逃れられないかと、もがくようにページを捲ることになる。金子薫は以前『壺中に天あり獣あり』を読んでいる。あの小説もそうだった。この凄まじい地獄からの脱出を . . . 本文を読む
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『オールド』

2021-09-01 21:50:44 | 映画
M・ナイト・シャマラン監督の新作だ。相変わらず突飛な設定のスリラーで、あきれるやら、苦笑いやらで、とんでもない。だけどそこが彼らしい。なんでもありなのだ。好きなことにまっしぐら。周囲の思惑なんか気にしない昔の子供のように無邪気。だから好き。次は何をしてくれるのかと、毎回楽しい。 この人はこういうスピリチュアルな作品しか作らない。一貫している。ある種のワンパターン。最初の『シックスセンス』には確か . . . 本文を読む
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吉田篤弘『屋根裏のチェリー』

2021-09-01 21:10:23 | その他
この寂しいお話はいつも通りの吉田篤弘の世界だ。『流星シネマ』と呼応する作品である。姉妹編の女の子版。今回は一人ぼっちの女の子が幻のお友だちであるチェリーを(彼女は女の子の頭の中にいる!)心の中で作り上げる。 女の子といってももう20代の後半になる。3年間在籍した楽団(彼女は一応その楽団のオーボエ奏者だ)が解散になり、その後はどこにもいかず、屋根裏で暮らす日々。友だちは幻の存在である小さなチェリー . . . 本文を読む
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『ホーリー・モーターズ』

2021-08-31 17:45:20 | 映画
レオス・カラックスは懐かしい。80年代、僕がまだまだ若かったころ、夢中で映画を見ていたころ、彗星のごとく現れた「新しいフランスヌーヴェルヴァーグ(!)の騎手だった。これはそんな彼の13年振りの長編映画らしい。 しばらく彼の映画が公開されていないな、とは思っていたけど随分ご無沙汰していたものだ。『ポーラX』以来の新作長編ということらしい。でも、この映画は2012年作品と記載があるから、僕にとっては . . . 本文を読む
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