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映画・演劇のレビュー

砥上裕將『線は、僕を描く』

2019-08-14 18:29:35 | その他
夢中で読んでしまった。水墨画を題材にした小説なんて(おもしろいのか?)、と思いつつ読みだしたら止まらない。「漫画化決定!」と帯にはあったがこれはマンガが喜びそうなお話だ。ただ、現役の水墨画家でもある作者はこれを安易なお話にはしない。知らない世界を教えてくれるだけでなく、普遍的な問題もちゃんと描いてくれるからエンタメではなく人生の真実にも迫る作品になっている。でも、まずは文句なしに面白い。 誰でも . . . 本文を読む
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日曜座『その男、ブラック・ホーク』

2019-08-13 08:08:50 | 演劇
お盆(直前)の10日から12日にかけて5ステージの公演。11日から12日は3時、6時半の2回公演をこなす。しかも、上演時間がなんと2時間半の大作だ。しかも、しかも、途中休憩の20分は含まない。ということは2時間50分なのだ。3時の回は5時50分に終わり、6時には夜の回の開場という凄まじいスケジュールだ。無謀としか言いようがない。でも、この若い劇団は平気でそれをこなした(はず)だ。僕は仕事が(といっ . . . 本文を読む
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『日日是好日』

2019-08-11 18:59:33 | 映画
お茶の映画なんて初めてで、それだけで映画になるのか、と言われると、「なるんです」とこの映画を見た今は答えられる。とてもよくできた映画だ。最初は、お点前の教室のドキュメントみたいな始まり方だけど、その単調で地味な繰り返しと少しずつの変化が、だんだん快感になってくる。もちろんそれだけではないのだけど、基本それだけ。師匠と新しく入った2人の弟子。基本その3人芝居。(まぁ、映画だけど) 最初は毎週土曜日 . . . 本文を読む
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『メアリーの総て』

2019-08-11 17:20:58 | 映画
これもまた、とても見たかった映画なのに、見逃していた映画だ。そして『迫り来る嵐』と同じようにモヤモヤする映画だ。期待したものとはまるで違う。まぁ、これもまた自分の勝手な思い込みだから、仕方ない話なのだが。それにしても僕も妄想が激しい。自分の好みの映画を思い込みで作っているみたいだ。 メアリーが自分の小説を書く。作家になるというのが彼女の夢でその実現までの軌跡が描かれる映画であることは確かなことだ . . . 本文を読む
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『迫りくる嵐』

2019-08-11 16:26:43 | 映画
今年一番の期待作だったが、劇場公開時に見逃してしまった。DVDになったのでようやく見れたのだが、なんだか思っていたものとはまるで違っていて戸惑う。勝手な思い込みでしかないのだから、そんなこと仕方ないのだが、予告編から期待した(『殺人の追憶』『薄氷の殺人』に続く、という宣伝文句)ものとはまるで違う。だいたいこれは殺人事件の謎を追うサスペンスではない。犯人捜しを期待するとミスリードされる。なんだかよく . . . 本文を読む
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『ピータールー マンチェスターの悲劇』

2019-08-08 08:36:53 | 映画
2時間35分の大作である。マイク・リー監督渾身の一作。でも、彼らしい作品で悪くはないけど、なんだかなぁ、と思う。まるで感情移入できないのだ。俯瞰的視点から客観的に描くのが悪いとは思わないけど、これでは見ていて退屈する。ドキュメンタリーでも、もう少し作者の視点が明確に描かれる。それにそうならないと見るのがしんどい。 主人公はいない。群像劇というわけでもない。誰も描かない。ただ、そこで起きたことをそ . . . 本文を読む
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『新聞記者』

2019-08-06 19:52:35 | 映画
  これは実に勇気にある映画だ。なのに、それをまるで苦労を感じ指さないクールな見せ方で、スマートに描いている。若い監督(藤井道人)が物怖じすることなく、こういう危険はお話を愉しみながら作っているのがいい。今の日本の政治を扱うというタブーに挑戦しているのにも関わらずそこには悲壮感はないのが凄い。   それにしても主人公のふたり(シム・ウンギョンと松坂桃李)がほんとうに素晴ら . . . 本文を読む
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豊島、箕面高校『ヒーローズ・オーバータイム』

2019-08-06 19:20:25 | 演劇
  今年のHPF最後のプログラムである。実に高校生らしい芝居で、1時間20分という少し長い上演時間も、悪くはない。内容的には60分で十分にまとめられるのだが、たとえ冗長になろうとも、やり切った、という自己満足を重視したい(と、思ったのだろう)。やり残したことはない、と言い切れるまでこの芝居を楽しみたい。だから、80分。それでいい。スマートな芝居でなくてもいいから、最後まで全力で演じきる . . . 本文を読む
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『ワイルドスピード スーパーコンボ』

2019-08-06 18:59:20 | 映画
  今年もまた『ワイルドスピード』がやってきた。「これってもう夏の恒例行事になってきたのではないか」と書こうと思って、はたと気付く。「このシリーズって夏に公開してたっけ?」(してない!)しかも、最初はスピードレースの話だったはずなのに、今ではまるで様相を異にしてヒーロー物で、スパイアクション映画にもなっている。もう何が何だか、の世界なのだ。だからトム・クルーズの『ミッション・インポッシ . . . 本文を読む
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『パラダイス・ネクスト』

2019-08-03 21:24:57 | 映画
この夏、久しぶりに台北に行くことになった。4日間の短期だが、楽しみだ。この映画は台北から花蓮を舞台にしたノワールなので、参考にする、とかいうわけではないけど、ついつい見てしまった。だが、なんだかつまらない。 お話がまるで動かないし、何がしたいのかもよくわからない映画だ。では、台湾の風景が魅力的か、というとそういうわけでもない。いかにも台湾、というような風景は描かれない。観光映画ではないのだから当 . . . 本文を読む
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東海大付属仰星高校『赤鬼』

2019-08-03 14:29:25 | 演劇
渾身の一打。やられたな、と思う。これは実に阪本先生らしい作品だ。作品自身は追手門時代の阪本作品の延長線上にある。今までも何度か上演したこの作品を取り上げ、3年目を迎える仰星高校演劇部で、それに挑戦した。ラストの終わらせ方といい、(あのひっぱりまくった阪本節全開!)好きしている。新しい学校でも以前と同じことができるという事を試したかったのか。どこに行こうと変わらないという事を示したのか。自分らしいも . . . 本文を読む
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咲くやこの花高校『終焉ブルー』

2019-08-03 14:11:34 | 演劇
「終わり」から始まる80分ほどのお芝居は、もちろんラストで「始まり」を迎える。ということは、この芝居のなかにはなにもない、ということだ。なにもないものをずっと80分間みつめていくと、そこから「何か」が生まれてくる。そんな気にさせられる。ここには一貫したストーリーはなく、コラージュされるいくつもの断片は、ラストで集約されひとつに、はならない。ただ、そのまま、そこにとっ散らかったままで、放置されていく . . . 本文を読む
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佐藤まどか『一〇五度』

2019-08-03 09:09:17 | その他
  こういう小説を読むとなんだか元気になる。それが児童文学であろうと、YA小説と言われるものであろうと、そんなことはどうでもよろしい。面白ければなんでもいい。これは昨年の課題図書に選ばれた作品なのだけど、中高生向けのはずなのに、専門知識を網羅して容赦ない。なのに、とてもわかりやすい。しかもマニアックな作品にはならない。読みやすく、ストーリーの面白さでどんどん引っ張っていく。コンクールに . . . 本文を読む
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『トイストーリー4』

2019-08-03 09:00:55 | 映画
  前作がとても切なくて大好きだった。ウッディ(おもちゃ)とアンディ(子ども)との別れ、というテーマがこのシリーズの幕引きとして見事だった。子どもはやがて大人になり、おもちゃの世界から現実の荒波に乗りだしていく。それをおもちゃたちは見送るしかない。そんななんとも切ないお話だった。あれでこの世界は完結した。   それだけに今回の『4』の登場は意外だ。もう終わってしまった作品 . . . 本文を読む
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あみゅーず・とらいあんぐる『露草のかげろひ』

2019-08-03 08:54:12 | 映画
  今年で9年目に突入した夏の恒例行事あみゅーずによるリーディング公演。気が早いけど来年は十周年。彼女たちなら必ず来年もする。そんな安定感のある集団ってなかなかない。マイペースを崩さず、無理せず、毎回愉しみながら冒険を敢行している。これも恒例になっている11月【頃】の本公演は、いつもとは違い今年は大竹野作品に挑む。ぼつじゅう企画に参加しているからだ。でも、来年の秋はまたいつもの形に戻る . . . 本文を読む
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