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映画・演劇のレビュー

『君は月夜に光り輝く』

2019-03-24 23:28:45 | 映画
続々と新作を発表しキャリアを重ねる月川翔監督の最新作だ。昨年の『となりの怪物くん』と『響』は素晴らしかった。今、青春映画というフィールドでは断トツで才能を発揮している。この道のトップランナー三木孝浩と人気も実力も二分する勢いだ。そんな彼が今回はなんと正統派の「純愛もの」に挑戦した。発光病という設定はあるけど、これはSFではない。しかも、その設定自体だって別になくても構わないくらいに淡い作りだ。さら . . . 本文を読む
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劇団大阪シニア大学3次生『煙が目にしみる』

2019-03-19 23:27:51 | 演劇
  シニア劇団は元気だ。劇団大阪は彼らを組織して増殖していく。劇団内に、いくつもの集団をシニアで作るつもりか。卒業して終わり、ではなく、そこをスタート点として本格的に劇団として活動していく。さらには年度ごとの集団でも交流する。今回も2次生である豊麗線のメンバーがサポートしている。もちろん、劇団大阪自身のサポートもある。   とても丁寧に作られてある。ただのシニアの発表会で . . . 本文を読む
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『女王陛下のお気に入り』

2019-03-19 23:26:08 | 映画
  この変な映画は「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」で注目を集めたギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモスの新作だ。先の2先品と比べるとその変さ加減は少し抑え気味だけど、これでもこの手の映画とは思えないほどの異常度だろう。王室を舞台にしたきらびやかな絵巻物を期待したら手痛い目に遭う。まぁ、彼の映画にそんなものを期待するわけはないけど。   . . . 本文を読む
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『さよなら、僕のマンハッタン』

2019-03-19 23:23:58 | 映画
  こういう小さな映画が好きだ。マーク・ウェブは最初の『(500)日のサマー』が素晴らしかったのに、大作『スパイダーマン ホームカミング』を任されてバランス欠いた作品を作ってしまう。でも、あれはあれでチャーミングだったけど、きっと世の中の期待には添わなかったはずだ。『ギフテッド』も悪くはなかったけど、彼にはこういう青春映画が似合う。この自画像のような作品は誰もが感じる「生きていくことの . . . 本文を読む
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『21世紀の女の子』

2019-03-13 21:22:34 | 映画
15人の女性監督たちによる短編連作。5分ほど(8分以内、というしばりらしい)という短さの中で、女の子の微妙な生理のようなものが、浮き彫りにされていく。なまなましいものもあり、けっこうドキドキする映画だ。それぞれのエピソードが説明的ではないから、よくわからないまま、提示されるものもあり、そこもいい。   わかりやすいものなんかいらない。わかりにくいものを、投げ出すようにして、そこにごろ . . . 本文を読む
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プロジェクトKUTO-10『ふるえて眠れ』

2019-03-13 20:50:01 | 演劇
たぶん台本の遅れのせいであろう。役者たちは台本を手にしたまま演じる(芝居をする)というスタイルになったことによって、芝居自体が結果的に内向きのものになる。会話劇なのだが、台本を待つことで動きが制限され、視線も相手に対してではなく、うつむいて言葉を発する場面が多くなる。 テキストを離したなら彼らの関係性がもっと前面に出てくるはずではないか。でも、このもどかしさがなんだか、とても面白い。夫と妻、夫の . . . 本文を読む
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㐧2劇場『AIとまこと -完全版-』

2019-03-13 20:29:54 | 演劇
  AIが人間の姿になってやってくるというバカバカしい設定なのだが、それでは結果的にただのレプリカントじゃないか、と思う。一応彼女はホログラムみたいなもので、実態はない、ということにしているけど、芝居だから役者が演じます。なんだか、デジタルな芝居を目指したはずが、とんでもなくアナログな、アナクロ芝居で、おやおや、と思う。でも、そこがこの芝居のねらいだ。とことん、バカをする。 タイトル . . . 本文を読む
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金蘭会高校演劇部 高3卒業公演『鎖骨に天使が眠っている』

2019-03-13 20:21:47 | 演劇
  こんな難しい芝居を彼女たちは卒業公演として取り上げる。もちろんそれはこのお話が難しいということではない。これを立ち上げることが困難なのだ。これは地味で暗い。女子高生たちがこれをする。淡々としたタッチで緊張を持続させながらそこに微妙なニュアンスを表現できなくては成立しない芝居である。困難を極めることは必至だ。だけど、彼女たちは物怖じせずにこれをやりたい、と手を上げた。(のだろう) . . . 本文を読む
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『盆唄』

2019-03-13 19:35:53 | 映画
帰るべき場所を失ってしまったら、どうするか。自分たちの住んでいた場所に帰れなくなり、地域の祭りも失われる。でも、何とかして、伝統を残したい、引き継ぎたい、という想いが、彼らを被災地からなんとハワイにまで向かわせることになる。映画はその着地点を明確にしないまま、思いもしない方向へと舵を切る。100年の時間がこの唄と踊りを作った。伝えた。だから、それを失くすわけにはいかない。そのための戦いが描かれる。 . . . 本文を読む
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劇団大阪新撰組『短編まつり2 屋根裏EXPO2019』

2019-03-07 22:21:05 | 演劇
  オムニバス・スタイルで作られた長編というのはよくあるけど、これほど見事な作品はめったにない。しかも、ちゃんと3つのお話はそれぞれが別のお題を持ち、もともとは別々の作家によって書かれた独立した短編なのである。しかも、観客からもらった3つのお題(「SNS」「屋根裏」「EXPO」)からお話を発想した。そんな恣意的なものが、なぜかひとつの大きな物語になっているのだ。全体の構成が見事で、その . . . 本文を読む
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アリスインプロジェクト『アリス・イン・デッドリー・スクール 楽園 大阪』

2019-03-07 22:16:57 | 演劇
  この作品を見るのは、今回で2度目になる。可愛い女の子たちが歌い踊るお芝居、という括りで理解しても構わないと思うが、このプロジェクトの面白さは、ある設定をとことん極めることで、そこから普遍性を見いだすことが可能なのか、というチャレンジのようにも思える。僕には難しいことやこの企画の舞台裏は一切わからないけど、何も知らないまま、見てこんな芝居があるんだ、と感心した。   最 . . . 本文を読む
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『翔んで埼玉』

2019-03-07 22:14:31 | 映画
  ここまでバカバカしい映画がかってあっただろうか? しかも、それが息切れすることなくラストまでなんとか持続するのだ。107分という微妙な上映時間がたぶん限界だろう。アイデア勝負の作品にとって100分の壁は大きい。立ちはだかるその壁を乗り切ることは困難を極める。先日の『ゴクドルズ』がそうだった。案の定、すぐに息切れして悲惨な映画になるしかなかった。87分なのに討ち死にした。当然だろう。 . . . 本文を読む
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『BACK STREET GIRLS ゴクドルズ』

2019-02-25 20:39:50 | 映画
『翔んで埼玉』を見る前にもう1本ありえないようなバカバカしい設定の映画を見ておこうと思い、これを見た。予告編を見たとき、これは絶対にあかんわ、と思った。映画があまりに安すぎる。可能性がまるで感じられない。今時こんな映画が作られて、劇場公開されるなんて、ありえない。しかも、東映系で公開である。やくざ映画なら東映、というのは昔からの定番だけど、今ではそんな面影すらない。でも、昨年『孤狼の血』で久々にや . . . 本文を読む
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NEW FACE『赫く染まる』

2019-02-24 15:57:54 | 演劇
若手劇団の旗揚げ公演を見るのはいつも楽しい。まるで知らない集団がどんな新しい切り口を見せてくれるのかと思うと、それだけでドキドキするからだ。今回のこの作品の「上演時間が45分」というのにも、期待した。妥協しない短かさをそこに期待したからだ。 だが、仕上がった芝居はそうじゃなかった。これでは十分な長さを書けなかっただけではないか、としか言いようのない内容だ。ドラマを展開する前に終わってしまう。3人 . . . 本文を読む
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『ラブレス』

2019-02-24 15:12:29 | 映画
『父、帰る』『ヴェラの祈り』『エレナの惑い』『裁かれるは善人のみ』。ロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の第5作。今まですべての映画が傑作ぞろい。今回もなんの疑いもなく大傑作だろうと期待して見た。しかし、今までの4作品のような感動はない。というか、これはもうそういう次元には収まらない映画なのかもしれない。 この圧倒的な拒絶感に震撼させられる。主人公である失踪した少年の両親への感情移入は一切拒 . . . 本文を読む
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