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映画・演劇のレビュー

the nextage『みず色の空、そら色の水』

2018-05-18 19:07:51 | 演劇
 2045年。ひとりの老婆が回想する1990年代のある夏の日々。とある高校の演劇部、夏合宿でのできごと。話自体はまるでリアルじゃないけど、多少脚色された想い出の中の風景としてなら、こういうドラマチックな展開もありかもしれないと思い、受け止める。女子高生を妊娠させる高校教師(演劇部の顧問)とか、いくらなんでもありえないだろ、と思う。しかも、あんなにけろっとしている。(匿名劇壇の福谷圭祐がふ . . . 本文を読む
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かきつばたの会『楽屋 流れ去るものはやがてなつかしき』

2018-05-18 19:06:38 | 演劇
  4月にオリゴ党公演を終えたばかりの岩橋貞典が公演終了と同時に稽古を初めて、5月11日に初日を迎える。前作は2プロの公演で大変だったはずなのに直後の1ヶ月の準備期間でまるでタッチが違うこの作品の演出に挑んだ。落ち着いた手触りで、ところどころにちゃんと持ち前のユーモアを滲ませて、とても丁寧な作品として仕立てた。   4人の女優たちの持ち味をきちんと生かして、そんな4人のア . . . 本文を読む
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真紅組プロデユース『幾望』

2018-05-18 19:04:16 | 演劇
  これはとても難しい芝居だ。円形舞台で中央のアクティングエリアだけではなく、どちらからというと、その周辺の部分を中心にして芝居を作るなんて、そんなこんなの困難に挑む。それって、装置だけの問題だけではない。お話の展開のさせ方も、だ。敢えて困難に挑む作り方に徹した。これだけの壮大なお話なのに、たった100分の尺に収めようとする。2時間半くらいのボリュームなのに、それを駆け足で見せるからお . . . 本文を読む
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『孤狼の血』

2018-05-18 18:57:41 | 映画
  白石和彌がついに本格的に東映ヤクザ映画に挑む。しかも、最初からいきなり頂点を極めることになる。こんな大胆な挑戦に心躍る。ウォーミングアップなんか要らない。やる以上は最初から頂上決戦だ。深作欣二の最高傑作『仁義なき戦い』にケンカをふっかける。チンピラが組長の首を獲るようなもんだ。大胆にもほどがある。しかも、時代は70年代ではなく21世紀。もうヤクザ映画なんか誰も作らない。そんな時代に . . . 本文を読む
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Cheeky☆Queens『紅の旗』

2018-05-17 21:24:38 | 演劇
  エンタメなのだが、とてもよく出来ていて2時間、全く飽きさせない。「娯楽活劇はこうじゃなくっちゃ、」と思わせてくれる快作だ。お話自体は『インファナル・アフェア』なのだが、そんなこと、気にならない。ストーリーがパクリでも、ちゃんとお話の中にそれが消化されていたなら、それはそれで立派なオリジナルになる。その好例だ。   清朝の頃、海賊たちが海軍と争う中、東インド会社が絡んで . . . 本文を読む
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SSTプロデュース『寿歌』

2018-05-17 21:22:51 | 演劇
    別役実の二人芝居を中心にして上演してきた当麻英始さんが、別役ではなく北村想の古典に挑む。いや、挑むとかいう言い方はそぐわない。もっと自然体に、『寿歌』をやりたいと、なんとなく思い、それを実現する。ただそれだけ。今何故寿歌なのか、なんて構えてないところがいい。いや、もちろん、当麻さんにはきっといろんな思いがあるはずなのだ。でも、そこを封印して、とてもさりげなく、今、寿 . . . 本文を読む
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『娼年』

2018-05-17 21:20:23 | 映画
    男娼が主人公。ホストではなく、女の人に体を売って癒しを与える。お金のための身売りではない。体も心も満たされないまま、生きている寂しい女性の欲望にコミットする.つけ込むのではなく、彼女たちのために身を提供するのだけど、ただの性のはけ口ではない。女たちにセックスを通してやすらかな心を与える。満たされたいのは体ではなく、心の方なのだが、心と体は繋がっているから体から心に通 . . . 本文を読む
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『めぐりあう日』

2018-05-09 22:38:15 | 映画
  ウニー・ルコントの第2作.前作『冬の小鳥』から6年。韓国からフランスに舞台を移し、前作の続編のような物語が再びここに綴られる。   『冬の小鳥』の孤児院に入れられていた少女は、頑なに、そして、ひたすらに、母親が迎えに来るのを待ち続けた。あの少女が大人になり、結婚もして、子どももいる、とでもいうようなこの『めぐりあう日』の設定が面白い。ここでも、彼女は自分を棄てた母親の . . . 本文を読む
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魚クラブ『Bar 月光 ~それぞれのペーパームーン~』

2018-05-09 22:33:43 | 演劇
2ヴァージョンで上演。しかも「女装男」、「女たち」という2パターン。どうして、『屋上のペーパームーン』という作品をそういうかたちで上演するのだろうか、不思議でならなかった。でも、きっと昇竜之介のなかでは勝算のある行為なのだろう。では、それってなんだろうか、と興味津々で劇場に向かう。この3年間で大竹野戯曲を3作品連続で取り上げた後の4年目の挑戦である。   大竹野作品を原作として自由脚 . . . 本文を読む
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『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』

2018-05-07 21:27:12 | 映画
   3月公開の『ブラックパンサー』がとても面白かった。この手のヒーローものとしては画期的な作品だった。今までになかったパターンで、感心させられた。黒人を主人公にしたヒーローもの、というだけでも新機軸なのだが、そこに留まらない。彼を、アフリカのとある国の王子さまに設定し、そんな彼がアメリカでヒーローとして悪と戦うという図式の中に無理矢理はめ込んだ荒技。アクション映画としての新 . . . 本文を読む
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日活ロマンポルノ・リブート

2018-05-07 21:25:01 | 映画
  昔、にっかつ(漢字に戻る以前)ロマンポルノをほぼ、毎回見ていた頃がある。3本立てで2週間に一回番組が変わる。そのほとんどが箸にも棒にもかからないつまらない映画で、時間の無駄だったが、それでも10本に1本くらい、凄いものがあり、それがどこから出てくるのか、予想不可能だから、自分の目で確かめるしかなかった。そんなギャンブルを楽しんでいた。もちろん、監督の名前で選んだらあまりハズレること . . . 本文を読む
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『おとなの恋の測り方』

2018-05-07 21:24:08 | 映画
  ただ、身長が異常に低かっただけで、みんなから気味悪がられる。バカにされて、差別を受ける。146センチメートルという、ただそれだけで人生がねじ曲げられてしまう。そんな彼が170センチメートルの美女に恋するというラブストーリーから、これをコメディだと予測する人はもうその時点で、差別主義者だ。   これはコメディなんかじゃない。とんでもなくリアルで切実なお話で、感動的な作品 . . . 本文を読む
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『ビリー・リンの永遠の一日』

2018-05-07 21:22:52 | 映画
  アン・リーの最新作は、一度は劇場公開が決まっていたのに結局はDVDリリースのみになってしまった。考えられないことだ。3D超大作だし、これほどの傑作であるにもかかわらず、劇場で見られない。それくらいに今、映画はたくさん作られているってことか。(でも、つまらない映画が山盛り劇場公開されているのだけど、それは何?)   イラク戦争からの帰還兵たちが歩く広告塔としてイベントに . . . 本文を読む
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プロトテアトル『どこよりも遠く、どこにでもあった場所。あるいは、どこよりも近く、なにもない。』

2018-05-02 20:40:34 | 演劇
想い出の2018年、というスタンスがとてもいい。この瞬間すら想い出の彼方にしてしまうというのだ。今のはずなのに、追憶の彼方。そんな遠くて懐かしい場所、時間から芝居はスタートして、ラストで再びそこに戻っていく。 2年前に上演するはずだったこの作品を2年の歳月を経て、確かにここで上演する。それは上演を中止にしたことへのリベンジではなく、とうぜんの帰結なのだ。こうなるべくしてこうなった。   . . . 本文を読む
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唐組『吸血姫』

2018-05-02 20:34:55 | 演劇
 47年ぶりの再演だという。若かりし日の唐十郎による渾身の作品を、久保井研が若い役者たちを率いてエネルギッシュに再現する。台本自体に力があるから、グイグイと引っ張って行かれる.まだ何物でもなかった唐十郎がその仲間たちと時代を切り開いていく瞬間を背景にしている。時代の寵児として60年代終わりから70年代にかけて、全力で駆け抜けていった頃、そのエネルギーが今一度ここによみがえる。 &nbs . . . 本文を読む
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