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映画・演劇のレビュー

『ビューティフル・ボーイ』

2019-04-18 21:17:21 | 映画
これはきつい映画だ。2時間、こんな地獄のような日々と付き合わされるのかと思うと、見る前から暗い気分になる。しかし、見始めた以上途中で降りることはしたくない。というか、それなら最初から「見るな、」と言いたいところだけど、なんとなく、この優しいチラシのデザインに誘われて、もしかしたらこれは凄くいい映画かも、と、思い、ついつい見てしまった。でも、最後まできつかった。これは修行か、と思うほどに。何度となく . . . 本文を読む
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『四月の永い夢』

2019-04-18 20:45:11 | 映画
ひとりの女の子の生きる日々を静かにみつめていくだけの映画。最初、見ながら、「これは岩井俊二の『四月物語』じゃないか」、と思った。だけど、あの映画のそっけなさ、作為性はここにはない。いや、これはこれでこんなにも作為的な映画なのだ。なのに、なぜかそれでも自然体に見える。それってなんだ? 3年間ずっと恋人の死をひきずって生きてきたまだ20代後半になったばかりの女性。映画はそんな彼女の春から夏にかけての . . . 本文を読む
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『マックイーン モードの反逆児』

2019-04-18 20:15:53 | 映画
ずっとインタビューのみで111分。当時の記録や生前の発言も挟まれるけど、基本は彼の周囲にいた人たちによる証言。こんなにもそっけない映画なのにそれがここまで心に響く。作り手の作為は一切感じられない。マックイーンという男の生きざまを受け止めるだけ。 40歳で死んだカリスマ・ファッションデザイナーのドキュメンタリー。彼のクレイジーな生きざまに圧倒される。僕は無知なのでこんな人がいたことすら知らなかった . . . 本文を読む
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『ビリーブ 未来への大逆転』

2019-04-06 19:30:13 | 映画
見ながら胸が熱くなる。こんなにも必死に自分の人生を生きて、未来を切り開いていく女性がいるということに。彼女の困難に立ち向かう姿は誰もを魅了する。もちろん僕たちは彼女のような才能はない。つまらない凡人だから何一つものにできない。自信もないし、才能もない。それでころか、僕は最近では物忘れがひどく、記憶力はどんどん減退して「認知症だよ、」と冗談にすらならないことを言う始末だ。人生の晩年に差し掛かり、新し . . . 本文を読む
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3月に見ていた映画

2019-04-06 19:00:58 | 映画
実をいうと、この3月から4月初めにかけてものすごい量の映画を見ている。時間がないからここにその20本ほどの映画のことは書く余裕はないけど、もう怒濤の映画ラッシュだった。TOHOの1か月フリーパスのおかげなのだが、そのせいで映画以外のことが何もできなかった。芝居は見てないし。 でも、仕事は手を抜けないし、とんでもなく忙しかったから(映画が、ではなく、仕事が、)身も心もボロボロ。そこまでして見た映画 . . . 本文を読む
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森見登美彦『熱帯』

2019-04-06 16:07:54 | その他
久々の森見作品なので期待して読み始めた。しかし、なんだかおかしい。冒頭、書けない小説家森見が登場して彼が主人公なのかと思わせるスタート。よくあるパターンで少しそれはないよな、と思いつつ先を急ぐ。そこはただの入り口に過ぎなかった。沈黙読書会に参加して、そこで誰もが最後まで読めない奇書『熱帯』の話を聞く。そこから始まる大冒険がこの500ページ越えの長編。 語り部が変わっていくことや、話がどんどん横滑 . . . 本文を読む
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うさぎの喘ギ『まちがいない。』

2019-04-02 19:22:03 | 演劇
うさぎの喘ギは、1昨年ウイングカップで優秀賞を受賞している。泉宗良が作・演出を手がける小さな世界は心地よい。今回もまた危うい世界の在り方を提示してくれる。ただねらいはわかるけど、これでは伝わり切れない。5人の男女のつぶやきはストーリーとしてつながらないので、見ていてだんだん眠くなって困った。少しうつらうつらしてしまうし、ちゃんと起きていても、話される言葉の断片は会話なのに、そこに意味を見出せないし . . . 本文を読む
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『七つの会議』

2019-04-01 21:35:13 | 映画
公開から2か月、ようやくこの映画を見たのだが、これがまぁ予想以上の面白さで、2時間最初から最後までドキドキさせられた。大ヒットは当然の仕上がりだ。 野村萬斎演じるグータラ社員が会社のとんでもない不正を暴く、とかいう筋書きは、もう時代劇の王道を行くワンパターンなのだが、だからこそ面白い映画になっている。 だが荒唐無稽な映画ではない。現代の会社組織のお話としてリアルに描かれる。でも、それが勧善懲悪 . . . 本文を読む
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『ブラック・クランズマン』

2019-04-01 20:54:10 | 映画
スパイク・リーの久々の最新作が日本でも公開された。(最近の彼の映画は日本では未公開のままだったらしい)これは実に面白いエンタメ映画でもある。これなら劇場公開されるはず。70年代が舞台になっているけど、それってついこの前ではないか、と驚く。でも、今でも差別はなくならない、というのも事実だ。もちろんこれは単なるエンタメ映画ではない。 これを『インファナルアフェア』の黒人版なんていう宣伝は当然しない。 . . . 本文を読む
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『運び屋』

2019-03-31 20:34:00 | 映画
  イーストウッド『グラントリノ』以来の監督、主演作。もう「あれが最後だ」と思われたのに、ここに至ってもう1本、彼の雄姿が見られるなんて夢のようだ、とみんなが思った。今年一番の期待作。期待を見事に裏切る快作。このB級感覚が半端じゃない。こういう映画を90歳近くになろうとも作れるのだ。この映画の軽さがいい。これが『グラントリノ』の続編のような映画だったならがっかりしただろう。でも、そうじ . . . 本文を読む
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『まく子』

2019-03-31 19:20:47 | 映画
西加奈子の小説の映画化なのだが、この不思議なお話をこんなにも自然なタッチで映画にしたのは驚きだ。阪本順治の『団地』のように日常の中に宇宙人が出てくるお話なのだが、それをファンタジーなのにファンタジーにはしないで、子供たちの目線で彼らの日々のスケッチとして綴っていく。 小学5年の3学期に転校してきた美少女。彼女に心惹かれる少年、というよくある図式なのだが、映画はそんな定番から限りなく遠い。温泉町の . . . 本文を読む
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金蘭会高校『恋の話、宇宙の子供たち』

2019-03-28 20:37:51 | 演劇
先日の3年生引退公演からまだ2週間くらいしか経たないのにもう春公演。しかも今回は2本立て公演を実施。例年のことながらこのスケジュールでよくやるよ、と感心する。この時期学校はとてつもなく忙しいにも関わらず、キンランは(というか、山本先生は)毎年3月に2作品をほぼ連続で上演する。すごいエネルギーだ。 今回、真正面から青春の光と影を描く2作品をぶつけてくる。若いってすごいな、と思う。この1時間ほどの中 . . . 本文を読む
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Fの階『なにごともなかったかのように再び始まるまで』

2019-03-28 19:51:42 | 演劇
映画を巡るお芝居を映画館で公演する。KAVCのシアターで上演する。今は常設で映画を上映しているけど、もともとはここで芝居もしていたから、ここで芝居をするという事は不思議ではない。だけど、作、演出の久野那美さんはとことんこだわってこの空間を演出する。地階に降りていく階段からもう芝居が始まっていく。体験型演劇。マニアックなこだわりは限定1部のパンフレットに凝縮されている。彼女がでっちあげた6本の映画の . . . 本文を読む
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浪花グランドロマン『夜明け前の闇の中で』

2019-03-28 18:02:37 | 演劇
2月の本公演に続いて2ヵ月連続の公演となる。今回はホームグランドである船場ユシェット座(劇団のアトリエ)での上演。作、演出は本阿弥拾得。だから番外公演という感じ。当然の話だが、普段の浦部喜行作品とは全くテイストが違う。キャストもつげともこと本阿弥拾得以外のふたりは外部から呼んだ。NGRの作品というより、完全に本阿弥拾得の趣味によるプロデュース作品だ。 久々の舞台復帰となるみのべなおこが素敵だ。そ . . . 本文を読む
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『君は月夜に光り輝く』

2019-03-24 23:28:45 | 映画
続々と新作を発表しキャリアを重ねる月川翔監督の最新作だ。昨年の『となりの怪物くん』と『響』は素晴らしかった。今、青春映画というフィールドでは断トツで才能を発揮している。この道のトップランナー三木孝浩と人気も実力も二分する勢いだ。そんな彼が今回はなんと正統派の「純愛もの」に挑戦した。発光病という設定はあるけど、これはSFではない。しかも、その設定自体だって別になくても構わないくらいに淡い作りだ。さら . . . 本文を読む
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