習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

劇団せすん『GO.sHICHI .GO 字余り』

2019-07-17 20:37:47 | 演劇
 キャラの描きわけが明確である種のパターンにすっぽりと収まっている。ストーリー展開も無理がないけど、冒険もない。予定調和なのだ。せすんなのに、なんと暗転なし(!)の80分。安心して見ていられる作品。  でも、なんだか物足りない。もっと危機感とか、ドラマとしてのメリハリが欲しい。このイベントを通して、寂れていく商店街の活性化という夢がどれだけかなうのか。この劇を通して、この町自体の未来へ . . . 本文を読む
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『今日も嫌がらせ弁当』

2019-07-17 20:36:11 | 映画
  八丈島を舞台にして、母と娘の3年間に及ぶ「お弁当バトル」を描く。こういう小さなお話だけで1本の映画が作られるってなんだか凄い。しかも、それは毎日毎日手を変え品を変えいろんなお弁当を考え作るというただそれだけの映画。そんなほとんどムダな努力と根性で映画は綴られていく。ただ東京なのに、とんでもなく田舎な八丈島を舞台にしたというロケーションのすばらしさゆえ普通じゃない映画となる。 さら . . . 本文を読む
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遊気舎『アンソロジー 鶏と卵のジレンマ』

2019-07-17 20:29:33 | 演劇
3つの短編からなる「パンの巻」があまりに素晴らしすぎて、もし、こちら(玉子の巻)も、同等に凄かったならどうしようか、とドキドキしたのだが、(もちろんそれを期待もした)さすがにそうじゃなくて、こちらは、ふつうに安心して見ていられる作品だった。こちらは台本は長尾ジョージ。演出はもちろん久保田浩。まぁそれはそれでよかった。 もちろん、それって、この作品が悪いと言うことでは当然ない。それどころかとてもよ . . . 本文を読む
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朗読劇団あめんぼ座『楢山節考』

2019-07-17 20:25:50 | 演劇
  朗読劇団なんていうものがあるんだ、と感心した。知らなかった。しかも、発足からもう45年になるらしい。それだけの長きにわたって継続して活動を続けているって凄い。最近少し下火になっているけど、一時期小劇場界ではリーディング公演が流行った。舞台上でテキストを持ち、朗読や台本を読む。あんな感じなのか、と思い、見始めたのだが、なんと朗読者はテキストを持たない。だから完全に演劇のスタイルなのだ . . . 本文を読む
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『「Diner ダイナー』

2019-07-17 20:07:41 | 映画
  バリー・レヴィンソン監督の『ダイナー』が大好きだから、このタイトルで作られるのは少しむかつく。まぁ、仕方ないことだけど。もちろん、リメイクではなくこれは全く別の映画だ。   この世界の中で、居場所をなくした孤独なひとりの少女が、この迷宮に迷い込む。恐怖のメフィストであるこの食堂のオーナーのもと、ウェイトレスとして働くことになる。これは現実世界のお話ではなく、象徴的空間 . . . 本文を読む
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邂逅『万葉奇譚 ~たなばたの誓歌~』

2019-07-15 15:58:09 | 演劇
  壮大な歴史ロマンを、なんと、あの音太小屋で見せる。華やかな歌と踊りで絢爛豪華なミュージカルスタイルを貫く邂逅が、十分な舞台装置もない、この狭い空間で、たった4人芝居として、これだけのスケールの作品を見せるのだ。チープなものになってしまうと、成り立たない芝居だけれど、それを豪華な衣装と、その早変わりで、目にも鮮やかな大河ロマンに仕立てあげる。1人で何役もこなすのだが、そのスピードがこ . . . 本文を読む
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『ホットギミック』

2019-07-15 15:25:23 | 映画
  山戸下結希監督の長編第二作。前作も尖った映画だったけど、今回もヒリヒリするような痛みを持続させる。恋愛映画だけど、従来の甘いばかりの少女漫画ではない。ヒロインと彼女を好きになる(と、同時の彼女が好きになる)3人の男たちとの関係性が普通の映画とはまるで違う描き方をする。恋愛以外の感情は完全に削除される。だが、そこにあるのはリアルではなく感覚的な描写ばかりだ。観念の世界ですべてが進行す . . . 本文を読む
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ブルーシャトルプロデュース『戦場の翼』

2019-07-15 15:17:44 | 演劇
  今回も昨年と同様、3話からなるオムニバス・スタイルで見せる。100分間で1941-45年を描く。ゼロの誕生から終焉までのゼロの時代を描く。宮崎アニメ『風立ちぬ』で有名になった堀越二郎の物語から始まり、真珠湾攻撃を経て、東京大空襲までを現代のシーンであるプロローグとエピローグを含めて見せて、100分という上演時間の短さには驚く。   流れるように日本が太平洋戦争に突入し . . . 本文を読む
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『ザ・ファブル』

2019-07-15 15:15:56 | 映画
  これは思いっきり変な映画だった。岡田准一主演のアクション映画という括りから想像できるものとかけ離れた映画で、その意外性がこの映画の魅力である。しかも、コメディとして笑わせるのではなく、彼がシリアスに演じることで生じるおかしさ。そのへんてこさがとても魅力的で、彼の日常生活のスケッチを通して世界に対する見方、世界の見え方がほんの少し変わっていくような気がした。アクション映画のはずが、ま . . . 本文を読む
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『COLD WAR あの歌、2つの心』

2019-07-10 21:13:44 | 映画
20年にも及ぶ恋の物語をたった88分で描く。でも、端折るのではなく、悠々たるタッチでじっくりと見せてくれる。歌がテーマなのだから、歌うシーンが何度となくある。なのに88分。 モノクロでスタンダードの映画がなんだかとても新鮮だ。これは断じて古臭い映画ではない。こんなにも古臭いラブストーリーなのに、である。そこがなんだか不思議。恋愛に古いも新しいもないのだろうけど、これがクラシックな映画であることは . . . 本文を読む
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『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』

2019-07-10 20:27:00 | 映画
先週の木曜、テアトル梅田の最終上映で見に行った。満席で立ち見になっていた。さすがに3時間半の立ち見は無理、と思ったが、わざわざ時間休を取って来たので、それでもいいや、と思い劇場に入る。それにしてもよく入っている。こんな地味な映画にも人が集まるのか、と意外な気分。それだけではない。まるで予想した映画とは違うので、少し戸惑うことになる。 確かにこの図書館の舞台裏は描かれるけど、僕が見たかったものとは . . . 本文を読む
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『ガラスの城の約束』

2019-07-06 09:28:39 | 映画
6月に劇場で見た映画は12本。その中で外国映画はなんと3本のみ。そかも、そのうち1本は『ゴジラ キングオブモンスターズ』なのだから、実質は2本という少なさ。しかも、その貴重な2本に関してはなぜか、感想をここに書いていない。ほかの10本はちゃんと書いているにも関わらず。なぜ、そんなことになったのか、よくわからない。で、その2本がつまらなかったから、というのならまだわからないでもないけど、2本とも極上 . . . 本文を読む
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プロトテアトル『レディカンヴァセイション』

2019-07-06 09:02:39 | 演劇
今回のプロトテアトルは暗闇での見えない相手との会話劇。廃墟同然のビル、そこの警備員、そこの探検に来た男女、そこに死にに来た人々。地震が起きて生き埋めになった彼らのサバイバルが描かれるのだけど、なぜだか彼らはのんびりしている。極限状況のはずなのに、きっと救出されるとでも信じているかのように。危機感が感じられないのだが、そこが反対にリアルな気がする。暢気そうにサバイバルって、ふつうならあり得ない。でも . . . 本文を読む
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夕暮れ社 弱男ユニット『京都で、恋とフォーク』

2019-07-06 08:40:14 | 演劇
前作『サンクコストは墓場に立つ』も面白かったけど、今回もまた、なんでもないお話なのに、笑える。あるあるのお話が展開していく。そこにはなんの驚きもない。京都の大学、フォークソング部の合宿、部員は9人。男女半々。いや、女子のほうが少し多い。いやいや、3対6だから男子少ない。カップルがいくつか、できている。二股もある。部内恋愛禁止というわけではないだろうけど、人間関係もあり、カミングアウトは難しい。 . . . 本文を読む
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浪花グランドロマン『舞え舞えかたつむり』

2019-07-06 08:21:14 | 演劇
こういう芝居を見るとなんだか安心する。これは別役実の戯曲なのだが、浦部さんのオリジナルだと言われても納得するくらいに自家薬籠中のものとしている。自身のアトリエで余裕をもって作られた作品はちゃんと浪花グランドロマンのテイストを体現しており、円熟の極致に到る。小さな芝居でいいし、だからこそ、繊細に見せることができる。主人公の2人(というか、2人芝居だ)がこの空間で向き合い、無理がない。 冒頭は思い野 . . . 本文を読む
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