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映画・演劇のレビュー

『スターウォーズ フォースの覚醒』

2015-12-31 10:41:13 | 映画
ついに見た。ようやく見た。シリーズ第7作目、というより、新シリーズの第1作目というべきか。だが、この重責を担ったJ・J・エイブラムスは、そのどちらに於いても及第点の作品に仕立てた。それって、凄すぎる。勝算はあったから、引き受けたのだろうが、誰がどんな映画を作ろうとも、文句を言われるのは必至のこの作品を、これだけの作品にして、次回作へと引導を渡すなんて、かっこよすぎる。なんだか、腹が立つくらいにスマ . . . 本文を読む
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『風暴 ファイヤー・ストーム』

2015-12-29 20:56:00 | 映画
何もここまでしなくてもいいんじゃないか。派手なアクション映画がどこまでもエスカレートしていく。際限ない。最初はこれはないわ、と思いつつ、笑っていたけど、だんだん笑いも引き攣る。作り手は究極のアクションを目指したのだろう。もう香港の街ごと破壊しかねない勢いだ。刑事アクションなのに、スーパーヒーローものの様相を呈してくる。アンディ・ラウは超人並み。啞然、驚愕。呆れるしかない。どこまでも派 . . . 本文を読む
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中島京子『長いお別れ』

2015-12-29 19:02:15 | その他
たまたまである。この数日、こういうタイプの映画や小説ばかりを見ている。一昨日見た『おみおくりの作法』然り、その前日読んだ羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』も、また。そして、昨日今日はこの小説である。うちの母親の介護(のようなもの)をしているから、ついつい無意識に手に取るのかもしれないけど、なんだかなぁ、である。まぁ、これは中島京子の新作だから、まるで内容の確認をせずに読み始めた。 老人問題を . . . 本文を読む
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『おみおくりの作法』

2015-12-29 18:16:13 | 映画
原題は『スティル・ライフ』。「静かな生活」ではなく『静かな人生』か。でも、出来る事なら、『静かな生活』と訳したい。初期のニュートラルのお芝居で、そういうタイトルのすばらしい作品があった。保坂和志の初期の作品にも、あった。伊丹十三の映画にもある。シンプルだけど、奥の深い、とてもいいタイトルだ。そこに込められたさまざまなものが、このタイトルにはある。(それだけに、『おみおくりの作法』というのはつらい。 . . . 本文を読む
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劇団カメハウス 『MEMENTO 2 甘キ死ヨキタレ』

2015-12-28 23:02:04 | 演劇
前作『罪(ツツミツツ)蜜』も凄まじかったが、今回もまた、やってくれる。このエネルギーはいったいどこから来るのか。作、演出の亀井伸一郎は、とんでもない。細部までとことんこだわり、3時間を超える全編クライマックスの舞台を作り上げる。この異常な情熱は普通じゃない。しかも、冷静に計算された舞台を作る。ただ、熱いだけの芝居ではない。衣装、小道具、舞台装置、仕掛け、どれひとつとっても手抜きはない。実に見事なま . . . 本文を読む
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たなぼた『喫茶リコリス』

2015-12-28 22:36:21 | 演劇
今年も「たなぼた」の芝居が見れるなんて、なんだか嬉しい。彼女たちが復活してもう3年になる。ここに至ってようやく本調子になってきたのではないか。そんなふうに思えるくらいに、再演となるこの『喫茶リコリス』は、とても落ちついた作品に仕上がっている。 ある喫茶店での24時間が描かれる。朝から始まり、翌朝まで。ここはなんと終日営業の喫茶店なのだ。マスターは静かに訪れるお客さんを見守るだけ。カウンターの向こ . . . 本文を読む
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ババロワーズ 『ショートショート・カタログVol:9 ゴールデン・ベストの巻』

2015-12-28 22:11:31 | 演劇
とうとうファイナル。9か月続いた公演の最後は、なんと3日間、4ステージ。しかも、4公演とも違う演目。そこまでやるのか! と呆れるやら、感心するやら、のけぞるやら。もうどうとでもしなさい、というしかない。だから驚かない。 これまでは毎回1ステージ限りで8か月、ここまで頑なに最初に決めたスタイルを貫き続けてきた。まさに一期一会。その日を逃すともう見られない。毎月第4土曜日、午後5時。頑なにその約束を . . . 本文を読む
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baghdadcafe' 『会いたくて会えなさすぎるあなたたちへ』

2015-12-28 15:23:09 | 演劇
前作『キンセアニエーラ』で描かれた3つの短編から一番人気のあった作品を次回作にするという企画。そこで、3本の1本である『最終公演』を長編にして公演する。実験的な試みであった前作はこの作品と直結する。それは最初からそういうふうに企画されたのだが、それがもう思いもしない作品としてここに完成した。 とても嫌な話で、それをとんでもなくいじわるに見せる。不快感満載。でも、その不愉快さが、この作品のねらいで . . . 本文を読む
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金蘭会高校演劇部『あいあむ あたし あいあむ へいわ 』

2015-12-28 14:42:43 | 演劇
私学芸術文化祭公演で見た。会場が芸術創造館なので小劇場仕様にしての上演で、きっとコンクールヴァージョンよりも臨場感のある舞台になっていたのではないか。中ホールよりも小劇場のほうが金蘭には似合う。女子高なのにアングラに臭いが漂うのが、金蘭の凄い所で、でもそれがとても清らかで清々しい。大体『ジャップドール』をする女子高生なんて他にはあるまい。 さて、今回のこの作品である。いつもの金蘭の作品とは少し肌 . . . 本文を読む
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ジャブジャブサーキット『しずかなごはん』

2015-12-23 20:26:28 | 演劇
とてもすてきな芝居だった。2時間、温かい気持ちが持続した。ここにいたなら安心できる。そんな気分にさせられる。自分が摂食障害になったなら、ぜひこのクリニックで治療を受けたい、と、まぁそこまでは思わないけど、この芝居の世界と、その醸し出す空気が僕たちを安心させる。それはきっとはせさんの優しさだ。芝居は物語でもあるはずなのに、ここではそれがあまり重要にはならない。いつものようにちょっとしたミステリータ . . . 本文を読む
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『ジヌよさらば かむろば村へ』

2015-12-23 19:52:58 | 映画
ジヌとはお金のこと。限界集落を舞台にした、いがらしみきおのコミック「かむろば村へ」の映画化作品。先日(と、言っても、11月だが仙台に行ったとき、たまたま彼を含む3人の作家たちによる美術展(仙台メディアラボでの『物語のかたち』)を見た。とても、興味深い催しで思いもしない拾い物をした気分になる。不勉強で『ぼのぼの』の「いがらしみきお」としか、知らなかったから、こういう民間伝承をテーマにした作品をしかも . . . 本文を読む
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『Nyan SELECT2015』 Bプロ

2015-12-23 19:50:28 | 演劇
今年もNyanは歳末に『Nyan SELECT2015』を行う。恒例になっている。1年のお終いに、今年1年を振り返って、ここで何が出来たのか、何がしたいのか、を改めて再確認する作業だ。オーナーの山崎さんは自分の劇団の公演と共に、ここを利用してくれて団体への感謝を込めて、この短編集を企画した。今年は5団体が参加する。 僕が見たのはBプロの3本なのだが、知らない集団の作品に接するのは、緊張する。そ . . . 本文を読む
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星野智幸『呪文』

2015-12-23 19:31:04 | その他
いったい何が起きているのか、とドキドキする。寂れた商店街の活性化を図るお話だったはず。だがそれは善意の人たちの団結による再生、というわけではない。なんだか不穏な空気が漂うことになる。改革の若きリーダー図領は斬新なアイデアで人々を惹きつける。しかし、なんだかおかしい。彼のやり方の強引さについていけない人たちが出てくる。昔ながらの商店を買い取り、新しい経営者を呼んできて、再建する。若い血の導入。ネッ . . . 本文を読む
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『クリード』

2015-12-21 20:53:00 | 映画
なんとこれは『フルートベール駅で』の監督の新作なのだ。『ロッキー』シリーズの新作という宣伝に乗せられて見たのだが、あまりに出来がよくて、誰が監督しているのか、気になった。チラシには(たぶん)若手監督としてしか紹介されてない。(チラシはどこかに行ってしまったので確認できない。でも、どこにも『フルートベール駅で』のことは書かれてなかったはず) ちゃんと、教えてよ。でも、最初から知っていたら、もっと期 . . . 本文を読む
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『恋人たち』

2015-12-21 20:11:25 | 映画
橋口亮輔監督が『ぐるりのこと。』からなんと7年振りで新作長編を発表した。2時間20分の大作である。だが、お話は実に小さい。小さすぎるくらいに、小さな映画だ。主人公3人はこれが映画の主役をする人なのか、というくらいに、地味。普通なら映画の中には絶対に登場しないような普通の人たち。オーデションで選んだ無名の新人らしい。そんな彼らが、凄い芝居を見せる。なんでもなく、当たり前に。 彼らを追いかけるこの映 . . . 本文を読む
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