待ちに待ったクリストファー・ノーラン監督の大作映画が日本でも公開された。昨年夏台湾に行った時、劇場で公開されていた。日本では公開未定だったから見たかったけど、当然日本語字幕はないから断念した。ようやく見ることが叶う。もちろん昨年に字幕なしで見なくてよかった。きっとまるで理解出来なかったはずだ。だいたい字幕があっても早いテンポについていくのがやっとだった。3時間の大作である。しかも会話劇。後半は公聴 . . . 本文を読む
二部作で公開されるアニメーション映画の前章。この何がなんだかよくわからないタイトルと内容に惹かれて見ることにした。ただ前後編になる構成は苦手。しかも後編まで2ヶ月のインターバル。(最初の予定より1月延びた)だが、そんな悪条件を物ともせずに映画は見事な仕上がりを見せた。こんな映画があるなんて、想像を絶する。まるで話が読めないけど、どんどん話に引き込まれていく。しかも終盤のまさかの展開である。これは『 . . . 本文を読む
こんなアホな設定の小説はなかなかないだろう。これでなんとシリーズ36作目になるらしい。そんなことも知らなかった。矢崎存美だからなんとなく手にして読み始めたのだが、主人公のオヤジ同様何も知らない僕もぶたぶたが登場した瞬間、唖然とした。あり得ない。ぬいぐるみの豚が車に乗って迎えに来るなんて。
最初のエピソード(短編連作だということも知らなかった)は、心を病んだ男が2週間ひなびた温泉宿で療 . . . 本文を読む
大阪の北河内地区7校による合同公演。2月の学年末テスト終了後から春休みにかけて稽古を重ねてたった1日、1回限りのこの日の本番に挑む。D地区高校演劇部の1、2年生の面々が果敢にもこんなにスケールの大きな作品に取り組むのは凄い。
クライマックスの大政奉還から竜馬暗殺、そして英の独白に至るラストシーンは圧巻だった。そのワンシークエンスでそれまでのドラマを一気に総括した。
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こういう題材の小説が書かれる時代になりました。まぁ『老後の資金がありません』の垣谷美雨である。彼女がいかにも書きそうなタイプの小説だが。
語り手がどんどん変わりワンエピソードは短くさくさくストーリーが進んでいく。1章10ページくらいのペースで松尾家の母、五月とふたりの娘を中心にして、五月の夫慎二、その兄姉、父親の話。さらには五月の次女詩穂の婚約者悟、その両親、叔母という中林家。こ . . . 本文を読む
ボロボロの身体に鞭を打ちながら怒濤の快進撃を続ける神原さんの新作。今年もこの作品を皮切りにしてこの先3本が待機している。彼女はコロナ禍でも例年の年4本ペースを保ってきた。体を休めている場合ではない。死ぬまで走り続ける覚悟である。
さて、今年最初のこの作品。相変わらずのまたまた過激な芝居だ。戦地で亡くなった男たちの無念が舞い戻り、暴れ回る。彼は大事な妹を国に残したまま戦場に赴き戦死した。彼ら(実は . . . 本文を読む
高校の居合道部に所属する2年生、網戸うさぎ。彼女の1年を描く部活小説。マイナーにもほどがあるけど、こんな子もいるのだろう。知らないことばかりが描かれるから新鮮だ。だけどこれもまた普通の高校生のお話。
剣道部ではなく居合道部。真剣を扱う。しかもこの小説はまさかの伝説、女子剣豪大会を描く。真剣による試合である。あり得ない。それに高校生が挑む。高校の部活を描くけどこれは従来のパターンと . . . 本文を読む
まさかこのタイミングでこの小説を読むことになったのは偶然でしかないけど、不思議なタイミングだ。WBCシーズン開幕の日、大谷が通訳の不祥事から大変な状況にある中、日本のプロ野球スター選手の離婚スキャンダルの記事から彼のチームが日本シリーズ敗退するというドラマから始まるこの小説を読み始めた。なんと500ページに及ぶ大作である。
スポーツ新聞社の記者から販売部に配属された男が主人公。彼 . . . 本文を読む
こんな映画が作られていたとは知らなかった。これは大阪では劇場公開されていないのではないか。上智大学の先生をしているというジョン・ウィリアムズという(まるで音楽家みたいな)人が脚本、監督した日本映画である。
2018年に封切られたらしい。原作は『変身』『城』の言わずもがなのフランツ・カフカの不条理小説。それを現代の東京を舞台にして作った自主映画だ。無名のメインキャストで綴る。安っぽ . . . 本文を読む
呆れた。こんなもんを映画だと言って劇場で公開していたのか。昨年の公開時、少し気になっていた映画だ。TBSが制作したドキュメンタリー映画。若いディレクターが67年制作の寺山修司が企画構成したTVドキュメンタリーを再構成して今の視点を交え描く。
67年と22年をつなぎ、同じ質問を街頭で投げかける。寺山が手掛けた映像と重ねて描く。監督を手掛ける佐井大紀はあの頃と今が似ていると感じる。彼 . . . 本文を読む
久しぶりの加納朋子だ。しかも『ななつのこ』の姉妹編。だけど、これを単独作品として見て(読んで)構わない。続編ではなくちゃんと独立した作品になっている。3世代、3匹の犬と彼らを飼うある家族の歴史を背景にした大河ドラマである。ゼロと名付けられた小さな犬が、大事な女の子を守る話から始まり、その女の子やゼロが生まれる前から、今に至る家族と犬たちの物語が綴られていく。ゼロを守るのがもう今ではここにはいない( . . . 本文を読む
91歳、ジョージアの女性監督ラナ・ゴゴベリゼ。映画の主人公は監督自身(さらには彼女の両親だということを映画を見た後で資料から知る)を投影した79歳の女性作家エレネだ。映画は彼女が誕生日を迎えた日から始まる。だが、誰も今日が彼女の誕生日だということを忘れている。憶えていない。これはまず、そんな孤独な老人の話だ。今の時代なら、どこにでもいるような歳をとって体の自由が、無理が効かない老人。
同居してい . . . 本文を読む
これはまさかの傑作。先日見た『DUNE 砂の惑星 PART2』と並べると両者の差は歴然とする。あの映画はビジュアルは圧倒的に凄いけどお話の展開が下手すぎた。ぜひこの映画を見習って欲しい。『DUNE 砂の惑星』2部作に足りないものがここにはちゃんとある。シンプルなストーリーで本質を射抜く。政治的な問題を寓話の中に落とし込み、それを隣接する対照的な2国間の争いに集約し、さらにはわかりやすい王子と王女( . . . 本文を読む
2020年の7月刊行された作品の文庫化出版された新刊。解説が井上荒野。もしかしたら刊行時に読んでいたかもと思いつつも、まあいいかぁと読み始める。
このブログのバックナンバーを検索したけど、書いてなかった。今は読んだ本はほぼ全て書いているけど、5年前くらいまでは忙しくて、かなりの確率で書いてなかった。劇場で見た映画や演劇はほぼ全て書いていたけど、本やDVD(当時は配信はなかったからね) . . . 本文を読む
まさかこのタイトルでこのサブタイトル付き。作者名も「これって何?」って感じ。カバーのイラストも可愛いし、メルヘン満載感いっぱいのマイナビ出版という知らなかった出版社から出ている文庫本。それをたまたま読むことにした。よくある『深夜食堂』っぽいタイプの小説だ。癒し系の軽い読み物。通勤電車用に読み始めた。予想通りほっこりする安眠ストーリーで、たまには息抜きにちょうどいい。というか、今は人生そのものが息抜 . . . 本文を読む