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映画・演劇のレビュー

再び『今夜はジビエ』、『陽だまりの昭和』

2025-03-31 20:54:00 | その他
この2冊を読み終えた。今回同時にこの2冊を読んでいた。エッセイと日記だから、一気に読むのはつまらないから、と。できるだけゆっくり読もうと思って少しずつ読み進めた。だけど結果的に3日で終わってしまったけど。しかも最後の方は次の柴崎友香『遠くまで歩く』を並行して読んでいるし。だけど、そんな読み方が今回はとてもよかった。小川糸の2022年の日記は柴崎友香の2021年から未来のための小説に連動した。コロナ . . . 本文を読む
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劇団竜人世界『風訳・ボツに駆ける』

2025-03-30 14:58:00 | 演劇
栗山拓、脚本・演出。これはあからさまに森見登美彦へのオマージュだ。『夜は短し歩けよ乙女』の世界観を踏襲している。だけどただの猿真似ではない。とても上手く自家薬籠中のモノにしている。とことんバカバカしく、だけどとても楽しい。森見だけでなく万城目学の『鴨川ホルモー』もアレンジされている。スピード感があり、わけのわからない怒濤の展開も心地よい。おバカ世界を突き詰めていく。だけど、ただのふざけた芝居ではな . . . 本文を読む
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小川糸『今夜はジビエ』

2025-03-30 11:01:00 | その他
小川糸のエッセイ風日誌の最新刊。今回は2022年の1年間が描かれている。今はちょうど3月30日までを読んだところ。今日が2025年の3月30日。まぁたまたまだけど。コロナが少し落ち着いた日々。日常が少しずつ戻ってきた中の小川糸の毎日が描かれる。そこには特別な「何か」があるというわけではないけど、それがいい。ただ彼女のこの日記を読んでいるとなんだか幸せな気分になる。それだけでいい。今日という日が明日 . . . 本文を読む
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劇団アンゴラ・ステーキ『シスターズ、エンゲルス』

2025-03-30 05:11:00 | 演劇
この劇団を見るのは昨年『ザ・クリープショウ』に続いて今回で2本目になる。今回もいろんな意味で難解な作品である。だけど今、こういう芝居を作るって凄いなと思う。冷戦下のアメリカを舞台にて、ある教会で起きた銃乱射事件を描く。銃乱射事件って、数日前に見た映画『スイートイースト』と同じじゃないか、なんて思う。偶然同じことから始まる作品を連続して見るという貴重な体験をする機会を得る。しかも2作品はその事件を中 . . . 本文を読む
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金蘭会高校,中学校『火男の火』(2025版)

2025-03-30 04:48:00 | 演劇
金蘭会演劇部が久しぶりにこの大作に挑戦した。山本先生がいなくなってもキンランは今までと同じように精力的に活動を繰り広げる。だから見に行く。ただ今回は僕のスケジュールの都合で、最後まで見ることが出来なかったのは残念だった。だけど彼女たちの最新作を70分間ちゃんと目撃できてよかった。これは2部構成2時間30分に及ぶ作品である。(途中休憩15分を含む)100分まで見るつもりだったが、前半部分の1時間10 . . . 本文を読む
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川本三郎『陽だまりの昭和』

2025-03-29 08:19:00 | その他
川本さんのエッセイ集である。昭和をいろんな局面から描く。あの頃を懐かしむ。記憶に残るさまざまなこと、もの、ひと。あの頃の『暮らし』、『女性たち』、『青春』、『おしゃれ』、『楽しみ』。さらには『子どもの遊びと学校』と続いて、最後は『食の風景』に至る。7章からなる。ここで語られる昭和は関東大震災の大正12年から昭和20年8.15敗戦を経て、東京オリンピックの39年までを指す。川本三郎さんはこの後日本は . . . 本文を読む
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樋口六華『泡の子』

2025-03-29 08:12:00 | その他
第48回すばる文学賞の受賞作だ。こういうのが、新人文学賞は好きみたいだけど、僕は苦手。特に最初の方は読んでいても何も頭に入ってこない。ただ文字を読んでるだけ。観念的なことをグダグダ書いてあるけど、意味はない。たぶん。新宿東口を舞台にした少女の地獄めぐり。歌舞伎町の『王』が逮捕された。3日後,彼は自殺した、というところかは始まる。だけどこれは『王』の話ではない。彼の死後の町を彷徨う17歳の少女。彼女 . . . 本文を読む
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近藤史恵『風待荘へようこそ』

2025-03-28 23:07:00 | その他
眞夏は45歳、主婦。夫からいきなり離婚を突きつけられ、16歳の娘は夫についていくというからひとりぼっちになる。君をずっと愛してなかったなんて言われ、好きな人ができたとか言われ、結婚するからさっさと離婚届に判を押してくれ、って。酷すぎる。これまで夫の仕事のために自分は仕事を辞めて専業主婦として暮らしてきたので、今は仕事はしていない。親や姉からも絶縁状態だから行くところもない。あり得ないことがいきなり . . . 本文を読む
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『鬼才の道』

2025-03-28 20:20:00 | 映画
今年の大阪アジアン映画祭で日本初上映されたばかりの新作が早くもNetflixで配信スタートした。しかも『冥界タレント協会』なんていうおバカなサブタイトルをつけられて。だけど、これはこんなアホなサブタイトルがピッタリのとことんバカな映画である。これが真面目な映画が多い大阪アジアン映画祭で上映された、だなんてそれだけでも笑える。呆れるくらいにとことんバカバカしい。幽霊もつらいよ、って感じの映画。チェン . . . 本文を読む
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第46回大阪春の演劇まつり プレビュー

2025-03-28 10:38:00 | 演劇
昨日、第15回ウイングカップの後夜祭(表彰式、講評会)が終わったばかりだけど、明日は「大阪春の演劇まつり」の前夜祭。その後は(たぶん)HPF(大阪高校演劇祭)というラインナップが続く。今年のウイングカップは4団体。エントリーは5劇団だったが公演延期が出たためだ。だけど4劇団ともに、とてもいい芝居だった。若くて、やる気のある元気な劇団が自分たちにしか出来ない作品を携えて自信を持って参加してくれたのが . . . 本文を読む
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『BAUS 映画から船出した映画館』

2025-03-27 15:13:00 | 映画
吉祥寺バウスシアター(井の頭会館、ムサシノ映画劇場)の90年に及ぶ日々を描く。だけど、これは映画としてはあまりに酷い。低予算で作ったから、というだけでなく、これは劇映画ではない。ならばせめてドキュメンタリー映画として作ったらよかったのにと悔やまれる。中途半端な作りと思い入れが映画を歪な作品にした。映画は再現ドラマの域にも達していない。錚々たるメンバーを集めてこんな小芝居しかさせてもらえないのでは役 . . . 本文を読む
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『スィート・イースト 不思議の国のリリアン』

2025-03-27 14:27:00 | 映画
70年代のインディペンデント映画を見ている気分。ざらついたフィルム映像は今時のクリアなデジタル映像とは違う。そっけない編集にドキュメンタリータッチのお話。これはニューヨークのインディペンデント映画界で20年以上にわたり活躍してきたという撮影監督ショーン・プライス・ウィリアムズという人が長編初メガホンをとった作品らしい。なるほど。納得。だけどこんな映画を本気で作る人がいるなんて驚きだ。今時こういう映 . . . 本文を読む
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井上先斗『イッツ・ダ・ボム』

2025-03-27 03:18:00 | その他
これはグラフィティやストリートアートというものについて、まるで知らなかったことを教えてくれる。日本のバンクシーと呼ばれるブラックロータス、グラフィティライターTELLを通して落書き(ボム)はアートなのかを問いかける。主人公のアツシはブラックロータスの作品を見て、これを足掛かりにして自分の本が書けると踏んだところから話は始まる。ボムは作品ではなくただの落書きなのか。バンクシーはアートではなくあれも落 . . . 本文を読む
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『少年と犬』

2025-03-26 15:00:00 | 映画
こんなシンプルなタイトルで感動ドラマ(たぶん)を演出するのは、すっかり「メジャー大作映画ならオレに任せろ」という感じになった瀬々敬久。そつなくどんなタイプの映画でもこなし巨匠の風格すら漂わせる。だけど僕はやはりインディーズで(国映のピンク映画だが)暗い作品を撮っていた頃の彼が好きだ。今回もなんだかあまり乗れなかった。見る前は感動の押し売りを危惧したが、見た映画はまるで違う作品だった。だけどなんだか . . . 本文を読む
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『悪い夏』

2025-03-26 11:14:00 | 映画
これは城定秀夫監督が本領発揮した嫌な感じの映画。どこまでもとことんやるのが城定流。彼の佳作『女子高生に殺されたい』でやったことをさらに突き詰めたような映画になった。竹原ピストルが素晴らしい。あんな嫌な小物がこの映画を象徴する。ズルくて,汚くなくて。強いものには媚びへつらう。優しいものにはつけ入る。彼だけではない。嫌なヤツ、ズルいヤツしか出てこなくて、そいつらがとことん嫌なままでラストまで突入する。 . . . 本文を読む
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