習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

Giant Grammy 『あれれ?詐欺かも』

2009-03-28 22:24:43 | 演劇
 1年半振りのGiantGrammyの新作。全く今までと変わらない作りでなんだか微笑ましい。これは成長がないということではなく、きちんと自分たちがやってきたことを、自信を持って再確認しようとした作品ではないか。集団を維持していく上で様々な問題に直面しながら、それでも芝居を続けて行こうとする時、みんなの意思確認が必要になる。今回はそんな作業でもあった。ともさかさんは初心に帰るためにこの作品に挑んだの . . . 本文を読む
コメント

『アクロス・ザ・ユニバース』

2009-03-28 21:51:56 | 映画
 ビートルズのナンバーを全編に流してミュージカル仕立てにした映画。なんだかいかにもなお話で、見ていてちょっと退いてしまいそうになるが、悪い映画ではない。誰もが知ってる曲を配して、なんだか懐かしい気分にさせられる。  お話はリバプールの工場で働く青年ジュード(!)が父親に会うため海を渡りアメリカまで旅する。プリンストン大学で働いているということを突き止めて、行ってみる。彼はそこで確かにいたが、大学 . . . 本文を読む
コメント

『レッドクリフ PartⅡ』

2009-03-27 22:40:06 | 映画
 ついに、この歴史に残る超大作が完結。一足早く目撃してきた! だが、予想通り思ったほど面白くはなかった。 PartⅠを見た時の興奮はこれから何か凄いことが起こるという興奮で、ワクワクさせられるのはまだ何も起きていないことゆえだ。とすると、赤壁の戦いを描く本作は、期待が大きすぎて応えきれない、ということは見る前から明らかだろう。  もちろん壮大なスケールの映画である。だが、それだけ。悪いけど、それ . . . 本文を読む
コメント

『フィッシュストーリー』

2009-03-27 22:06:29 | 映画
 多部未華子ちゃんの泣き顔が実に可愛い。(写真参照)彼女が可愛いからそれだけでこの映画はよかったことにしておこう。彼女がフェリーで居眠りして、みんなに置いていかれる、というバカバカしさはいい。なんで私一人こんなとこにいなくてはならなのよ、って感じで、泣いてしまうのだ。だが、彼女の可愛さは映画の一要素でしかない。  正直言っていろんなところに書かれたいい評判ほどには、いい映画だとは思えなかった。話 . . . 本文を読む
コメント

森絵都『架空の球を追う』

2009-03-27 21:33:43 | その他
 また森絵都さんにやられてしまった! 実に巧みな作劇に取り込まれていい気分にさせられる。この短編集で描かれる日常のなんでもない風景がなぜこんなに胸に響くのかは、たあだ彼女の上手さだけではなく、なんでもないところにきちんと目を向ける姿勢ゆえであろう。彼女は見過ごしたりしない。しかもことさら強調したりもしない。さりげなくきちんと見ている。そして等身大に描き取る。  少年野球の白球の行方に目を向ける表 . . . 本文を読む
コメント

『山桜』

2009-03-25 23:34:41 | 映画
 とてもいい映画だ。しみじみとした気分にさせてくれる。とてつもなく小さな映画だ。描くこともささやか過ぎてこれでは手ごたえが無い、だなんて言う人もきっと沢山いるだろう。だが、確実にこの映画は見てる僕たちの胸に沁みてくる。  だいたい今までどうして藤沢周平の小説は大作として作られてばかりだったのだろうか。山田洋次が作ったりしたからかなぁ。まぁ『たそがれ清兵衛』も『隠し剣 鬼の爪』も素晴らしい映画だっ . . . 本文を読む
コメント

伊集院静『少年譜』ほか

2009-03-25 23:08:43 | その他
 思いがけない感動に出逢えれる。この短編集がこんなにも胸に沁みるだなんて思いもしなかった。なんだか辛気臭い感じの小説だが、なんて思いながら読み始めたのだが、なんのなんの、このきちんとしたオーソドックスな小説に嵌る。  昭和の一時期。まだまだ日本が貧しかった時代を背景にして、静かに運命を受け入れて生きる子供たちが描かれる。文句ひとつ言うことなく、きちんと生きる。目頭が熱くなる。この小説に登場する少 . . . 本文を読む
コメント

『スラムドッグ$ミリオネア』

2009-03-25 22:34:40 | 映画
 今年度アカデミー賞8部門制覇の話題作なのだが、正直言ってこれでは納得がいかない。ファンタジー映画だとしてももう少しきちんとした緊張感が欲しい。だいたいラスト一問であんな簡単な問題を出したりするのか?リアリティー無さ過ぎ。 TVを見ている視聴者がみんな答えを知ってるような問題をあそこで出したりすれば、視聴者が怒るで。だいたい2000万ルピーの問題なのである。いいかげんにして欲しい。  この映画自 . . . 本文を読む
コメント

『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』

2009-03-24 20:13:34 | 映画
 これは「犬と家族の温かな絆を描く感動作」ではない。何よりもまず、2人の男女が出会い、結ばれて、結婚し、家族になる。子供が生まれ、年をとり老いていく。そういうあたりまえの人生の軌跡を追いかける映画だ。そこに大切な要素としてマーリーが登場するのである。この優先順序を間違えてはならない。  この世界一おバカな犬はこの家に入ってきて、いつのまにか家族の中心となり、彼らの日々を形作る。そのことは事実だ。 . . . 本文を読む
コメント

『テネイシャスD』

2009-03-24 19:41:57 | 映画
 なんかバカ映画ばかり見てるのだが、あまりにバカが続くので書くのがはばかられたので、まだ書いてなかったが、大好きなジャック・ブラックの映画なので、やはり書くことにした。『スクール・オブ・ロック』を凌ぐ傑作、だなんて書いてあったが、いいかげんにしなさい。宣伝だとしても書いていいことと、書いてはいけないことがある。そこまであからさまな嘘はよくない。  断じて言う。『スクール・オブ・ロック』は凄い映画 . . . 本文を読む
コメント

『釣りキチ三平』

2009-03-24 19:06:56 | 映画
 『おくりびと』で一躍時の人となってしまった滝田洋二郎監督の受賞後第1作である。(映画自体は受賞前に完成していたが)でも、僕にとっては滝田監督はあくまでも、あの傑作『バッテリー』を作った人だ。『バッテリー』のすばらしさの前ではたとえ『おくりびと』であろうとも翳んでしまう。  さて、今回の作品にとってのライバルは断じて『おくりびと』ではなく『バッテリー』である。あの作品を超えることが出来たかがポイ . . . 本文を読む
コメント

Ugly duckling 『ト⑤ランク 風呂敷屋バージョン』

2009-03-23 22:54:20 | 演劇
 ついに完結した。5週にわたって公演された『トランク』の第5話。今回は舞台に巨大なトランクを作りその中に入ったりもするが、空間の使い方は最初に戻りオーソドックスだ。なんだかぐるっとまわってもとのところに帰ってきた気分だ。実際はまるでそうではないのだが。  先週の4話で『トランク』自体は終わってしまった。だから、今回はスピンオフって感じだ。(だいたいこの『トランク』自体が『100年トランク』のスピ . . . 本文を読む
コメント

演劇ユニット A・I『プリンの美味しい洗髪店』

2009-03-23 21:42:22 | 演劇
 このタイトルは異常だ。しかも裸で坊主頭の男が目を閉じて手を合わせているその頭の上にプリンが乗っているという写真を前面に出したフライヤーはもっと異常だ。この芝居は一体どんな作品になっているのか、気になって仕方なかった。  今、実際に芝居も見てきたが、作品はまた別の意味で異常だった。この芝居を作った人たちは絶対に変である。こういう異常な感性はどこから生じるのだろうか。謎である。まず、こんなにもくだ . . . 本文を読む
コメント

AI.HALL+小原延之共同製作『oasis』

2009-03-23 20:34:33 | 演劇
 オアシスを探し求めた小原さんの長い長い旅が、ようやくひとつの終着駅にたどり着いた。そのことを心から喜びたい。もしかしたら中絶してしまうのではないかと不安になったくらいだ。リーディングから試演会を経て本公演に至るというプロジェクトだったのだが、なんとかこうして完結して本当によかった。最終的にはリーディングと本公演というオーソドックスな形で終わることになったが、リーディングの段階から今回まで半年を経 . . . 本文を読む
コメント

『ヤッターマン』

2009-03-22 19:36:46 | 映画
 バカなことに持てる情熱のすべてを傾けていく姿を見ていると、大袈裟ではなく本気で、「生きていること」ってそういうものなんだなぁと思える。中途半端はつまらない。やるならとことんやらなくては、と思う。だがなかなかそうはいかないのが現実だ。どこかで妥協しなくては成立しないことが多々ある。だが、三池崇史と日活は不可能を可能にした。不可能というよりもあほらしすぎて誰もやらないことを本当にやってしまった、とい . . . 本文を読む
コメント