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映画・演劇のレビュー

演劇集団よろずや『義朝記』

2012-11-30 22:21:45 | 演劇
 8年振りの再演となる。再演が続くよろずやだが、(この後も『バイバイ』の再演が来年にある)この作品は、前回のリベンジであり、キャパ400規模の劇場(八尾プリズン小ホール)での上演は、この作品に賭ける寺田さんの想いがこめられてあり、これはぜひとも目撃してみたかった。  この作品はこれくらいの大きさのホールでの上演が望ましい。前回の創造館での上演が失敗だった、というわけではない。あれはあれでとても立 . . . 本文を読む
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碧野圭『書店ガール』

2012-11-30 22:17:11 | その他
 前半はもたもたして、かなりまどろっこしい。文章もヘタだと思った。この作家の小説を読むのは初めてだが、今回は失敗か、と心配した。この調子で400ページはきついなぁ、と感じたけど、後半になり、反発していた主人公の2人は手を取り合って書店再建のために戦い始めたところから、おきまりの展開ながら、俄然おもしろくなってくる。なんとか、最後まで飽きることなく読めた。ほっとした。  それにしても、この小説に描 . . . 本文を読む
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『ぼくはうみがみたくなりました』

2012-11-29 22:19:04 | 映画
 大東市の文化情報センターで上映された。仕事の帰りに駅前で映画が見れるって、なんだかとても幸せな気分だ。ここは50人ほどのキャパの小ホールで、ちゃんとしたふかふかの椅子席で、見やすい。時々こういうイベント上映をしている。自閉症について描いた作品で啓蒙映画なのだが、地味過ぎて、お客さんが少ない。せっかくこういうイベントを企画したのに、もったいないなぁ、と思う。  映画は、2009年の作品で、とて . . . 本文を読む
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『北のカナリアたち』

2012-11-29 21:41:06 | 映画
 もともとのお話自身が弱いから、映画としてあまりおもしろいものにはならない。しかも、東映創立60周年記念作品と銘打たれた大作映画のはずなのに、ここにはそれだけの風格はない。吉永小百合を主演に迎え、北の大地を舞台にした映画を作る、というのは、もう手垢の付いた企画だ。行定勲監督で『北の零年』をやったのだから、もうその手は使えないと思わないのか。60周年記念なのだから、そしてこれが東映映画なのだから、せ . . . 本文を読む
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project IKKI『あるアパートの一室での話(仮)』

2012-11-29 21:27:57 | 演劇
 最初、この芝居が何を描こうとするのか、なかなか見えてこなかった。それが結構面白かったのだが、後半になり、ある程度作者の意図が見えてきたところから、そのあまりの単純さについていけなくなる。もっとシュールな話なのか、と期待していたから、驚いた。  行き場のない子供たちがルームシェアして暮らすアパートが舞台だ。彼らは身寄りのない者や、わけありで、家に居られない者とか、それぞれの事情を抱えているようだ . . . 本文を読む
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『黄金を抱いて翔べ』

2012-11-22 20:44:56 | 映画
 痛快なクライムアクションなんかを期待したら、痛い目にあう。井筒和幸監督の最新作である。大阪を舞台にして、大手銀行の地下に眠る金塊を盗み出す6人の男たちを描く。確かに手に汗握る映画だ。だが、あまりに重くて暗い。それはある程度わかっていた話なのだが、ここまで痛快さのない映画をよくぞメジャー大作映画として作ったものだ。井筒監督に妥協はない。彼の思うおもしろい映画を作るために、心血を注ぐが、それは一般観 . . . 本文を読む
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夏川草介『神様のカルテ3』

2012-11-22 20:42:57 | その他
 シリーズの3作目だが、これが完結編だろう。読み始めて最初は、また同じことをやっているよ、といささかうんざりした。1作目は新鮮だったし、2作目はそれが確かなものになった、と思う。だが、3匹目の泥鰌じゃないのだから、もういいかげんやめろよ、と今回は思う。しかも、どんどん調子に乗ってページ数を増やしていく。3巻は400ページ近くある。なんて、嫌らしいことをいいながら、本当はとてもうれしい。また、あの超 . . . 本文を読む
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万博設計『爆弾と海』『見参!リバーサイド犬』

2012-11-20 23:05:43 | 演劇
 尼崎ロマンポルノを解散した橋本さんが立ちあげた新たなユニット。旗揚げで2本立て上演。しかも、まるで傾向の違う2作品を交互上演だ。とてもエネルギッシュで無謀とも思える試みに挑戦した。そして、見事、やり遂げた。  今、やりたいことのエッセンスをすべて、ここに詰め込んだ。きっと達成感があるだろう。2本見て、2本の指し示すまるで別々の方向性が今の橋本さんの立ち位置なのだろう。とても潔い。  まずは、 . . . 本文を読む
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『DOCUMENTARY of AKB48  Show must go on少女 たちは傷つきながら、夢を見る』

2012-11-20 22:46:52 | 映画
 このドキュメンタリーは前作とはいささか趣を異にする。前作は岩井俊二がプロデュースして、寒竹ユリが監督した。AKB48の膨大な記録から編集し、彼女たちの姿を描いた作品だ。AKBという集団に入った少女たちの戸惑いや、不安、そして、歓びを、インタビューを中心にして綴った。そこには、この子たちはなんだろうか、という客観的な視点があった。だが、今回はそうではない。国民的アイドルとなった彼女たちの今を、舞台 . . . 本文を読む
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嘘つき『たいふう』

2012-11-20 22:33:33 | 演劇
 これは果てしない物語のお話だ。人はそれぞれ自分の物語を持っている。それを人に語ることで世界は無限の広がりを持つ。ここに描かれる(というか、語られるだが)古今東西の童話や昔話の類は、いずれも、どこかで聞いて、みんながよく知っているようなものばかりだ。彼女たちがそれを語っていくのに耳を傾けるうちに、その心地よい時間に引き込まれていく。  台風に閉じ込められて、この場所にやってきたひとりの男。彼はお . . . 本文を読む
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象牙の空港『女体出口』

2012-11-18 07:58:04 | 演劇
 とても惜しいと思うのだ。志の高さは評価するが、虚構の世界の作り方があまりに手ぬるい。だから、作品世界の迷宮の中に入り込めない。もちろんそれはこの劇場空間の問題でもある。(東山青少年活動センターはちゃんとした劇場仕様ではない)しかも客席の作り方は対面舞台で、これではこの作品世界の示そうとする闇を表現できない。どうしてこんな風にしたのだろうか。よくわからない。手の込んだセットを組んで、見せるだけの余 . . . 本文を読む
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『悪の教典』

2012-11-15 21:59:59 | 映画
 今回もまた、三池崇史は絶好調だ。ストーリーは事前に告知されている。ベストセラーの映画化だから仕方ないだろう。だが、そんなこと物ともしない。冒頭の両親を殺害するシーンの緊張感。それを終盤まで見事に持続する。ただこの男を追いかけるだけで、ドキドキする。どちらかというと、淡々とした描写の持続がこの映画の持ち味だ。なんでもない日常描写の方がとても怖い。  先に「終盤まで持続する」と書いたのは、それが終 . . . 本文を読む
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柴田よしき『夢より短い旅の果て』

2012-11-15 21:15:53 | その他
 表紙が気に行ったので借りてきた。ミステリーは好きではないのだが、これはただのミステリー小説ではない。どちらかというと、ただの旅日記みたいだ。短編連作のスタイルを取るが、ひとつの話を描く長編でもある。行方不明になった初恋の人を捜すための旅が描かれていくのだが、ここに描かれるそのひとつひとつが、読んでいてとても楽しい。ちいさな旅になっている。それがひとまとまりして長編小説になる。  主人公の香澄は . . . 本文を読む
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ババロワーズ『妖星アバンチュール』

2012-11-13 19:31:31 | 演劇
 いつものようにとてもバカバカしくて、楽しい。どこをどう切っても大丈夫な作品。全編意味のないバカ話でしかない。なのに、それが延々と続く。それじゃあ、つまらないのか、と言われるとそうじゃない。それがなんだか楽しいのだ。もういつまでもやってなさい、という気分にさせられる。  懐かしの東宝特撮映画『妖星ゴラス』から、スタートして、すぐに新しい展開になる。地球と、激突するはずだったその星が、なぜか直前で . . . 本文を読む
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『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』

2012-11-13 19:20:19 | 映画
昨年公開されたこの3D大作をお茶の間のTVで見た。96分の作品を、CMを挟みまくって2時間10分の作品にして放送する。民放の洋画劇場を見るのは本当に久しぶりだ。わかっていたことだが、CMを見ているのか、映画を見ているのか、それさえわからなくなる凄まじさだ。こういう中身にない娯楽活劇ですら、ここまでずたずたにされると、何がなんだかわからなくなる。昔はこんな風にして、映画を散々見てきたのだ、と改めて . . . 本文を読む
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