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映画・演劇のレビュー

IsLand☆12『Dull&Lazy』

2008-08-31 09:27:46 | 演劇
「退屈でけだるい放浪者が燃えるとき」というキャッチ・コピーがカッコイイ。このコピーで描かれたことが一応はそのまま芝居になっているのだが、あと少しのところでそれが感動にまでは至らないのが残念だ。だが、今回の作品は完成形ではない。しかも僕が見たのは公演の初日である。この三日間で役者たちは成長していく。だから、楽日に見た人は感動のステージに出会うことが出来るかもしれない。彼らは日々進化していく。そこに、 . . . 本文を読む
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『インクレディブル・ハルク』

2008-08-31 08:55:39 | 映画
 なぜ、アン・リーが『ハルク』の映画化を引き受けたのかはあの映画を見た後にも、疑問のまま残った。ハリウッドが(というか、マーブルコミックが)あの映画化作品を悪夢として受け止めた気持ちはよくわかる。だが、それなら最初から彼にオファーなんかしなければよかったのだ。何を期待してアン・リーにあの企画を持っていったのか、謎だ。  彼らが期待するものとアン・リーが求めたものとの落差は最初から歴然としていた。 . . . 本文を読む
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誉田哲也『武士道シックスティーン』

2008-08-28 21:38:53 | その他
 こういうスポーツものには基本的に弱いのだが、それでもこれはよく出来ている。えこ贔屓なしで上手い、と思った。一気にラストまで読めた。なんのために闘うのか、ということの答えが「好きだから」というあまりに単純なところに落ち着くのに、それがこんなにもすっきり入ってくるのがいい。  主人公の磯上香織は、全中で準優勝したツワモノ。彼女が市民大会でどこの馬の骨ともわからない奴に負けた。彼女はただ勝つために剣 . . . 本文を読む
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『少年メリケンサック』

2008-08-28 21:04:30 | 映画
 スニーク・プレビューで来年公開予定のこの映画を、こんなにも早くに見てしまった。宮藤官九郎監督の第2作である。  タイトルに「少年」とあるが実は「中年」のおっさんパンクバンドによるツアーを描くロードムービーだ。クドカンの前作『真夜中の弥次さん喜多さん』もロードムービーだった。しかも、前回と同じように今回もとてもブラックな笑いを満載した映画になっている。ゲロと糞尿ネタを多用する下品さは、もちろんわ . . . 本文を読む
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ダンスの時間Summer Festival 『Monochrome Circus 杏奈ほか』 

2008-08-25 21:59:37 | 演劇
 今回のラスト・プログラムである4団体を見る。3週間に渡りロクソドンタで行われた「ダンスの時間20 Summer Festival」は前半まるで見にいけなくて、2週目も行くはずだったのに、熱を出してしまい見れず、残念。ようやく3週目に入って2番組見れた。 さて、この日の出演は、今貂子+ベゴーニャ・カストロ、Monochrome Circus 杏奈、吾妻琳。バラエティーに富んだプログラムで堪能した . . . 本文を読む
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『どこに行くの?』

2008-08-25 21:43:03 | 映画
 あの『追悼のざわめき』の松井良彦監督の22年ぶりの新作。22年ってかなり凄い。長谷川和彦なんて30年くらい映画を撮ってないけど、それに匹敵するくらいかも、なんて思う。だいたいあの『追悼のざわめき』という変態映画が、今DVDにもなり、だれもがいつでもみれるようになっているなんてのも、凄い。この世の中、もうなんでもありなのだなぁ、と思う。だから、最近何があってもあまり驚かない。  その反面がっかり . . . 本文を読む
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レトルト内閣『グリム2008』

2008-08-25 21:01:07 | 演劇
 ねらいは悪くないし、作品自体のルックスはとてもいい。全編を彩る生バンドによる歌と演奏。派手なダンスシーンを織り込んで見せていくというスタイルも興味深い。クラブのフロアを舞台に踊り狂う男女の姿を背景にして展開していくドラマはグリムの童話をもとにしたもの、というのもいい。企画意図そのままの舞台が目の前に展開していく。とても刺激的なステージだ、と言ってもあながち間違いとは言えまい。だが、なんか、違う。 . . . 本文を読む
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川上弘美『風花』

2008-08-23 11:42:34 | その他
 「夫に恋人がいた。離婚をほのめかされた。わたしはいったい、どうしたいんだろう。結婚から7年。すれ違う気持ちとこころ。のゆり、33歳の物語。」帯にあった文章をそのまま引用してみた。全文引用してもいいくらいに、とても的確な説明で、この小説のポイントを見事に抑えてある。だが、こんなに上手くまとめてしまったなら、なんだか、今読んだこの小説とは別のもっとわかりやすいもののようだ。  今回の川上弘美の新作 . . . 本文を読む
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ダンスの時間Summer Festival スエモトタモツ×j.a.m.Dance Theatre

2008-08-23 10:55:45 | 演劇
 まず最初にオブジェがある。この美術作品が、最初にあり、この空間で演じられる、というのがおもしろい。作品のタイトルは『ビューティフル ライフ』。  演劇やダンスに奉仕する舞台美術ではなく、、まずインスタレーションありきなのである。そこに役者(あるいはパフォーマー)を配して、その空間(作品)を使ったパフォーマンスを展開していく。もちろんスエモトタモツさんはいつもj.a.m.Dance Theatr . . . 本文を読む
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『きみの友だち』

2008-08-23 10:22:18 | 映画
 とても残念な出来だ。あやういところで、全体のバランスを崩してしまっている。お話は2人の少女たちの友情物語として完結しているのに、映画はそこに止まらず、世界を広げてしまう。それ自体は悪い事はない。だが、その結果まとまりの悪い作品になってしまうのが惜しいのだ。  10歳から、15歳までの5年間、2人の友情。由香(北浦愛)の死から、5年後、初めて小さな写真展を開くことになる20歳の恵美(石橋杏奈)。 . . . 本文を読む
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『歩いても、歩いても』

2008-08-23 09:37:00 | 映画
 この夏、『崖の上のポニョ』と並んで、一番見たかった映画である。夏の終わりのこの時期になって、ようやく見ることが叶った。是枝裕和監督の最新作である。 今年のベストワンに押したい秀作だ。今までの是枝映画の中でもダントツですばらしい。  夏の1日のスケッチである。年老いた両親たちの住む家に、子供たちが集まってくる。今日は15年前に死んだ長男の命日。海で溺れようとしていた子供を助けて、自分の命を落とし . . . 本文を読む
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『人のセックスを笑うな』

2008-08-21 17:44:51 | 映画
 山崎ナオコーラの小説を井口奈巳が映画化した青春映画。この過激なタイトルに騙されたらいけない。これはとても真面目な純愛映画。エッチなシーンはありません。  DVDで見るのはちょっとつらい映画に作られている。まぁ、映画はいつも劇場で見ることが本来のあり方なのだが。遠景からのフィックス、長廻しの多用は、TVサイズではかなり苦しい。何をしているのか、わからないわけではないが、主人公たちが豆粒に見える。 . . . 本文を読む
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『マイティ・ハート/愛と絆 』

2008-08-21 09:12:38 | 映画
 9・11以後、紛争が続く、アフガンに留まり、取材を続けるアメリカ人中ジャーナリストが、2002年1月、パキスタンで取材中、テロ組織に拉致された。地元の警察や彼の妻たちが、必死になりなんとかして生きて彼を取り戻そうとするが、叶わない。  マイケル・ウインターボトム監督がアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎えてアメリカ映画を撮る。なんだか、嘘みたいな企画だと思った。ハリウッド資本の感動大作のようなも . . . 本文を読む
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『崖の上のポニョ』

2008-08-21 08:36:16 | 映画
 やっとポニョに逢えた。ずっと見たかったけど、我慢した。忙しくて、落ち着いて見る余裕がなかったのだ。昼間とかの子供が多い時間は、ちょっと嫌だし、出来ることなら大きなスクリーンで見たかったし。せっかく見るのだから万全の準備をして、見たいし、ね。  と、いうことで封切りから1ヶ月、ようやくポニョを見ることが出来た。うれしい。生きててよかった、なんていうと大袈裟だが、久々に素直な気分でよい映画を見た、 . . . 本文を読む
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『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』

2008-08-20 07:29:56 | 映画
 今回取り上げた写真、なんだか『デビルマン』の写真か?なんて思いませんか。確かにこういうシーンありましたが。(たぶん)  さて、今回の映画です。正直言って大のオトナが一人で見に行くようなものではない。まぁ、そんな事、充分わかっているのだけれど、なんとなく、また、見てしまったのも事実で。毎年、ライダー映画は夏の定番になっている。古い話で恐縮だが、昔、雨宮慶太監督(『ゼイラム』の頃がなつかしい)が『 . . . 本文を読む
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