習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『3月のライオン 後編』

2017-05-30 22:13:00 | 映画
  ようやくこの映画の後編を見ることが出来た。期待以上の出来でうれしい。3月に前編を見たときに感じた危惧はただの杞憂に終わったようだ。大友啓史監督は、今回はアクション映画ではなく家族の物語を作ろうとしていた。その想いがちゃんと伝わる完結編に仕上がる。   前編を見たとき、ただひたすら戦い続ける主人公の零(神木隆之介)のストイックな姿に共感しながらも、それだけで終われないな . . . 本文を読む
コメント

『メッセージ』

2017-05-30 22:12:06 | 映画
  こういうSF映画はめったにない。従来のハリウッド映画はこういう作り方を一切しないし、出来ないからだ。観客のニーズに応えなくては十分な興行成績があげられないとプロデューサーが勝手に判断する。監督の意向は汲まれることはない。SF映画史の金字塔リドリー・スコットの『ブレードランナー』の闘いの記録を思い出せばいい。いくものバージョンが公開され、最終版に至るまでの奇跡は目撃できる。(キューブ . . . 本文を読む
コメント

虚空旅団『飛ぶ夢、アルベルト・キシュカについての短いお話』

2017-05-30 22:10:57 | 演劇
  なんてやさしい作品なのだろうか。主人公の男を演じた土本ひろきさんがとてもいい。彼の人柄がそのまま出たような穏やかな人物を自然体で見せる。彼は倉庫の管理人として、ここで静かに過ごしている。時間を無為にしているともいえるけど、それもまた、ここでの仕事だろう。いろんなことを、すべてそのまま受け入れるようにして生きている。気がする。彼とおなじようにして、アルバイトの女性(得田晃子)も、居心 . . . 本文を読む
コメント

コトリ会議『あ、カッコンの竹』

2017-05-30 22:09:54 | 映画
  久しぶりに見たコトリ会議はやっぱりとてもよかった。へんな宇宙人の兄妹(とうぜん、こういう役は若旦那家康が演じる)が出てきたり、もちろん、牛嶋千佳さんが演じる「野お母さん」(なんだ?この名前は!)は、もっとへんで、不気味。   芝居の舞台となる竹藪の中を彷徨う人たちは、みんな死のうとしているけど、なぜ、死のうとしているのか、よくわからない。でも、人は必ずしもそれぞれちゃ . . . 本文を読む
コメント

『ノー・エスケープ 自由への国境』

2017-05-30 22:07:25 | 映画
  「えっ、これでおしまいなの?」 思わずそう声を上げそうになった。「何も話ないじゃん!」と。   メキシコからアメリカに密入国する男女が、わけのわからないハンター(メキシコからの密入国者を嫌っている博愛主義者)に追い回されて、殺されていく。ただただ逃げる。それを88分、問答無用で描く。(確かに、この内容なら90分切れる)   こういう映画は嫌いではないけど . . . 本文を読む
コメント

匿名劇壇『レモンキャンディ』

2017-05-23 22:35:26 | 演劇
  「落下する飛行船とんでもなく上空で故障したので、地面に到着するまで、あと7日間」という基本設定がまずありえない。しかも、故障が絶対に直らないというのも、なんだかなぁ、で、このあまりにむちゃくちゃな前提を受け入れないことには、話は先に進まない。飛行船は大気圏外まで上昇しません。(たぶん) ちゃんとチラシを読んでなかったから、最初は宇宙船の中の話だと思っていた。(それでもおかしいけど。 . . . 本文を読む
コメント

犯罪友の会『ラジオのように 改訂版』

2017-05-23 22:33:01 | 演劇
  5年ぶりの再演。新キャストで挑む改訂版。台本には、(たぶん)ほとんど変更はないように思う。キャストに合わせての改稿はなされているのだろうけど、あまり気にならない。   70年代の大阪、下町を舞台にした小さなお話。大衆食堂が舞台。お客はこないけど、常連さんからの出前とかはあり、なんとか生活は出来ているよう。父と2人の娘たち。最近ひとり従業員(彼は実は父親の前妻との子供。 . . . 本文を読む
コメント

『追憶』

2017-05-23 22:26:58 | 映画
  「日本映画界のレジェンド、降旗康男と木村大作の9年ぶりのコンビ作」なんていう宣伝がなされる。そんな時代が来たのか、と感慨に耽る。彼ら2人と高倉健がチームを組み、いくつもの映画が作られた。健さん亡き今、若い岡田准一を迎えて往年の日本映画に挑む。岡田准一が21世紀の「健さん」になれるか、というと、さすがに荷が重い。伝説は受け継ぐものではなく、作られるものだ。   オーソド . . . 本文を読む
コメント   トラックバック (1)

『無限の住人』

2017-05-21 22:10:58 | 映画
2時間21分、ずっと戦いの連続技で見せきる。そういう意味ではこれは実にあっぱれだ。モノクロで描かれる冒頭のチャンバラシーンは凄い迫力で、ド肝を抜かれる。だが、その後も次から次へと、同じような戦いの連続で、でも、それぞれがとてもよく考えられていて飽きささない。凄い、凄いと同じ感想の連続。グルメ番組で、バカなゲストが、何を食べても「おいしいです!」を連発するのと同じで、バカな観客に成り下がるしかない。 . . . 本文を読む
コメント   トラックバック (1)

『スプリット』

2017-05-21 21:42:37 | 映画
これをほめるのは、きっと宣伝マンだけ。シャマランはもう終わってる。一世を風靡した。驚異の作家だった。『シックス・センス』の衝撃のラスト。そんなこと、ありえない、と思わせた。ありえないことは、2度、3度続くと、ただの日常の風景と化す。もう誰も驚かない。驚くことが惰性になるとそれは悲惨だ。 今思うと『アンブレイカブル』は凄かった。僕は『シックス・センス』よりもこの2本目のほうを買うくらいだ。ワンアイ . . . 本文を読む
コメント   トラックバック (1)

『セトウツミ』

2017-05-21 21:30:48 | 映画
こんなバカバカしい映画があるのか。ただただ、無駄話をしているだけ。TOHOシネマズの上映前アニメ『紙ウサギロペ』のロペとセンパイのように。セトとウツミのふたりは、学校帰りに、通学路にある川のほとりで座ってしゃべっている。いつも同じ場所。動くこともなく、ダラダラ。どうでもいいことを。それを聞いていると、笑える。くだらない。意味ない。でも、可笑しい。 これで映画になる、というのが、凄い。これで映画に . . . 本文を読む
コメント

『パーソナル・ショッパー』

2017-05-21 21:01:15 | 映画
主人公の女が霊媒師で、セレブの女性(有名な女優?)のスタイリストかなんか、をしていて、双子の兄が死んで、自分も兄と同じ病気(遺伝か?)を抱えていて、(でも、兄の死は事故?)近い将来死ぬかもしれないという不安を抱きながら(芥川龍之介か!)死んだ兄の霊が見える、とか。さりげなく、提示されていく情報が、遅いから、なかなか描かれていることの全体像が見えないまま話だけは、どんどん進んでいき、なかなか、ついて . . . 本文を読む
コメント

『カフェ・ソサエティ』

2017-05-21 17:51:45 | 映画
今年のウディ・アレンはとてもいい。毎年1本のペースでコンスタンスに新作が公開される近年の彼だけど、ラブストーリーなのに、それだけではなく、彼の大嫌いなハリウッドを舞台にしているのに、そんなにシニカルでもなく、とてもバランス感覚のいい作品に仕上がった。軽やかに流れていくドラマを少し距離を置いて余裕で見守る。第3者のナレーションで話を進めるのもいい。変に感情移入しないで、見れる。主人公の青年を穏やかに . . . 本文を読む
コメント

『アンジェリカの微笑み』

2017-05-18 22:25:47 | 映画
  このオリベイラの遺作(たぶん)は、こんなにもサラリとしたゴーストもの。死者に魅せられた青年の不思議な体験を淡々と描く。いったい何を見せたいのやら、それすらよくわからない。ホラーというには、怖くないし、だいたい怖がらせるために作ってない。   死んだ女(しかも夫がいる)に心惹かれても、彼の恋心は叶うはずもない。しかし、夜の窓辺に彼女がやってきて、夜間飛行を楽しむ。まぁ、 . . . 本文を読む
コメント

クロムモリブデン『空と雲とバラバラの奥さま』

2017-05-18 22:24:36 | 演劇
  いつもながら凄いタイトルだ。奥さまの体をバラバラにするのではない。一人であるはずの奥さまをバラバラに役割分担して、複数の妻を持つのだ。チラシには、(まるで本編と関係ない!)ヤケクソのような「男も嫁ぐ!子供も嫁ぐ!」という謎のコピーもあるけど、バカバカしいやら、なんだかで、笑える。   しかも、芝居がまた、今までのクロムとはまるで違うテイストで、それにもびっくり。これは . . . 本文を読む
コメント