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映画・演劇のレビュー

山内マリコ『マリリン・トールド・ミー』

2024-07-20 10:43:00 | その他
2020年春から始まる。コロナ禍に大学に入学した彼女は、せっかくのキャンパスライフをエンジョイできない。東京の大学に入って実家から離れ(もちろん、母からも)新しい人生をスタートさせるはずだった。なのにzoomでの授業。部屋から出ない日々。そんなひとりぼっちの部屋にマリリン・モンローから時空を超えた電話がかかってくる。 だが、これはひとりの女子大生とマリリンの交流や友情を描くファンタジーではない。 . . . 本文を読む
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『キングダム 大将軍の帰還』

2024-07-19 18:04:00 | 映画
シリーズ第一期の完結編になる第4作。この先どこまで作られるのかはわからないし、今回で終わりになるかもしれない。もちろん大ヒットするだろうから、次の準備はしているはず。だけど、役者たちのスケジュールやさまざまな問題は山積み。それでも山﨑賢人も佐藤信介監督もこの先を目指すことだろう。すでに公開から4日で22億円の大ヒットスタートしているらしい。冒頭5分くらい丁寧にこれまでのあらすじが実にテンポよく描か . . . 本文を読む
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『怪獣8号』②

2024-07-19 09:58:00 | 映画
仕方ない。ここ3回は2本ずつではなく毎週見ている。先が気になって仕方ないからだ。しかも毎回見事な完成度である。たった23分(実質20分)でこれだけ濃密なドラマを展開する。テンポよく、間延びしない。次から次へと意外な見せ場をしっかり作る。だから、一刻も早く見たくなる。10話まできて、カフカの正体がみんなにわかることになる。拘留された後、どうなるか。彼が仕方なく変身して戦ったのは敵を倒す為、仲間を守る . . . 本文を読む
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『マダム・ウェブ』

2024-07-19 09:47:00 | 映画
もう食傷気味なんてレベルを乗り越えて、見るだけで気分が悪くなるという域に逹した(笑)マーベル映画の新作だ。気分が悪くなるくらいなら「見るな!」と思うけど、ついつい見てしまう。(さすがにもう劇場にまでは行かないけど)   派手なアクション映画はそれなりに楽しめるし、帰国までの飛行機の中でなら、ちょうどいいと思いこれを選び見始めた。機内食を食べたり、ぼんやりしながら見たら関空に着いた。め . . . 本文を読む
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小野寺文宜『町なか番外地』

2024-07-18 17:30:00 | その他
4つのお話、2階建て4室の小さなアパートに住む4人のお話からなる連作である。いつもながら町と人というテーマは共通している。小野寺さんらしい作品である。  実は今、1年振りに台湾に来ている。今回のテーマは台北の町を徹底的に歩いてみること。暑い夏、朝の町と夜の町を気の向くままふらふらと散歩する。毎朝起きると6時くらいからひとりふらふら歩いた。最初の3日は娘たち家族と圓山周辺のかなり豪華はホ . . . 本文を読む
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『我想和你在一起』

2024-07-15 17:21:00 | 映画
昨年の『成功補習班』には及ばないけど、今年もとてもいい映画を台湾で見ることが出来てうれしい。一見、ベタで定番すぎる展開を平然とするような甘い青春映画だけど、それは確信犯的行為だ。ここまで徹底させるから心地よい。 明るくて、でも少しガサツな女子高生という主人公、高曉南(リン・イントン)がいい。彼女が元気で自由奔放。そして幼なじみとカッコいい転校生のふたり。よくある設定の青春映画だ。彼女はなんと音痴 . . . 本文を読む
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『戀戀風塵』

2024-07-14 12:56:00 | 映画
台北に行く飛行機の中で久しぶりにこの映画をほんの少しだけ見た。なんとなく、冒頭の20分までを見たのだ。機内の映画リストにこんな古い映画が入っていて驚く。   冒頭のシーンが大好きだったからついつい見たけど、デジタルリマスター版で、きれいな映像に復元されていてうれしい。それだけにできることならラストまで見たかった。台北に着くのが遅くなってもいい。だけど、無情にも着陸体勢に入ったというア . . . 本文を読む
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『駒田蒸留所にようこそ』

2024-07-12 05:30:56 | 映画
これはアニメ映画だけど、こんな題材をアニメ化するだなんて、すごい。だってこれではあまりに地味過ぎるだろう。だけどそれならこれをアニメではなく実写でしたなら、それはそれであまりにありきたりの映画になりそうでそれも「なんだかなぁ」と思うはず。いろんな意味で難しい企画だと思う。だけどそんな映画に挑んだ。 祖父と父がつないだ幻のウイスキーを3代目を任された女性が甦らせて再生させるまでのお話。主人公は彼女 . . . 本文を読む
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2024年上半期映画ベストテン

2024-07-11 07:14:00 | 映画
1月から6月までで劇場で見た映画は69本。(配信は96本)これはその中でのベストテン。(配信は除く)アニメがベストワンだなんて、滅多にないこと。それくらいにあの作品は凄かった。前後編で4時間の大作だけど、まさかの展開、怒濤の釣瓶打ち。そんなことが、という唖然が続く。これは文句なしのベストワンだ。日本映画①デッド・デッド・デーモンズ・デデデデデストラクション 前章、後章②夜明けのすべて③バジーノイズ . . . 本文を読む
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2024年上半期 演劇ベストテン

2024-07-11 07:09:00 | 演劇
今年は久しぶりに(と言っても3年振りだが)3ヶ月だけどフルタイムで働いたから、芝居の本数が減った。4月からは週3にしても増えない。公演案内の連絡も大幅に減少して、見たい芝居も少ないからか?そんな中、久しぶりの武田操美と小石久美子のマシュマロテント『蛇含草ホテル』が素晴らしかった。ただ、今年は6月までたったの34本しか見ていない。その中でのベストワン。だけど簡単にベストテンが選べるくらいにクオリティ . . . 本文を読む
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2024年上半期 読書ベストテン

2024-07-10 22:12:00 | その他
2024年上半期の読書は160冊に及ぶ。その膨大な本の中から10冊を選ぶなんて不可能だ。しかもそれに順位をつけるなんてもうあり得ない。しかもほとんど内容を忘れてるし。というわけで、これはただのお遊びです。面白い本は100冊はある。①うらはぐさ風土記(中島京子)②椿の恋文(小川糸)③今日もピアノ、ピアーノ(有本綾)④星を編む(凪良ゆう)⑤方舟を燃やす(角田光代)⑥それでも世界は回っている3(吉田篤弘 . . . 本文を読む
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加納愛子『かわいないで』

2024-07-10 08:31:00 | その他
加納朋子だと勘違いして借りてきた。お笑い芸人のAマッソの加納という人が初めて書いた中編小説2本立。  『黄色いか黄色くないか』の主人公の唯は、お笑いが大好きで高校卒業後、お笑いライブハウスで働いている。そこにやってくるたくさんの無名の芸人たち、そして劇場スタッフとの交流が描かれる。自分がよく知っている世界を丁寧に慈しみ描く。もう1作はタイトルにもなっている『かわいないで』。高校生の日常 . . . 本文を読む
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『野球部に花束を』

2024-07-10 04:40:00 | 映画
高校野球の地区予選が始まった。夏休みがやってくる。僕は昨日で今期の授業を終えて、今日から一足早く夏休みに突入する予定だったけど、成績表にミスがあり、もう一日学校に行く。実は来週にいくつかまだ授業があったけど、旅行を入れてしまったから自習にすることに。さぁ、暑い夏。この映画を見ながら、こんな時代錯誤の野球部は今はもうないはず、と思いつつも、いやはや(誇張はあれども)今だって「あるあるな」のかもしれな . . . 本文を読む
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ほしおさなえ『言葉の園のお菓子番 未来への手紙』

2024-07-09 18:10:00 | その他
なんともう5冊目となる。毎年新刊が出る。一葉は連句を始めて3度目春を迎えた。蛍の就活、新しい出会い。初めて文芸マーケットに行き、文芸なのにコミケのようなスケールに驚く。年に2回の開催には、なんと1万人がやって来るという。   連句から始まって、それがさまざまな出会いにつながり、また連句に戻っていく。父の坂道の写真。コンテストで受賞した自分史上最高の夕焼け。写真とエッセイのコラボって、 . . . 本文を読む
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小林エリカ『女の子たち風船爆弾をつくる』

2024-07-09 17:05:00 | その他
昭和10年から終戦、戦後までの日々を描く。宝塚歌劇団の少女たち。それを見守る少女。ふたつの視点から客観的にあの頃が描かれていく。  お話は、「わたし」が小学校1年生になるところから始まる。宝塚の人たちの日々と同時進行で幼い「わたし」の日々が描かれていく。1年から丁寧に1年ずつ歳を重ねていく。同時に日本は戦争の泥沼に陥っていく。彼女は「わたしが一番きれいだったとき」を見失う。やがて高等女 . . . 本文を読む
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