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映画・演劇のレビュー

『瞼の母』(62)

2009-07-30 17:49:16 | 映画
 とんでもないものを上映してくれている。加藤泰監督の傑作の誉れも高い『瞼の母』がニュープリントでロードショー公開中である。1年間続く「東映時代劇まつり」の1本として、今、梅田ブルク7で見れる。偶然時間が合い(こんな貴重なものを劇場で見れる機会はまたとないから、と)喜んで見に行く。だが、失敗だった。期待したほどではなかった。と、いうかなんだか乗れなかったのだ。それって一体なんだろうか?  これが今 . . . 本文を読む
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『アマルフィ』

2009-07-30 16:59:17 | 映画
 この映画には何の可能性も感じない。なぜフジテレビは開局50周年記念大作にこの映画を選んだのだろうか。このお話で映画としてヒットさせることはできない。TVならこういう海外ロケのサスペンスでも観客の食指をそそるだろうが、劇場にまで足を運ばせ、お金を出させるだなんてことは無理だ。当然ガラガラの劇場で見ることになるのだろうと思った。なのに、なんと平日のお昼なのに客席は8割くらいの入りである。信じられなか . . . 本文を読む
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伊坂幸太郎『モダンタイムス』

2009-07-30 16:48:17 | その他
 1200枚に及ぶ大作である。500ページ以上のボリュームなのでかなり重いから読むのが大変だった。鞄に入れて持ち歩くのでこの1週間鞄が重くて困った。だが、さすが漫画誌(モーニング)に連載されていただけはある。おもしろい。漫画並みに話も急展開し、目が話せない。  摑みの部分が上手い。何だ?これは、と思わせる。部屋に押し入ってきた男にいきなり「勇気があるか?」と問われて拷問される。妻が . . . 本文を読む
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HPF 高校演劇祭09

2009-07-30 08:16:13 | 演劇
 18日からスタートしたHPFだが、今年は5本しか見れなかった。本当ならあと3本は見る予定だったのだが、仕事の都合でどうしようもなく残念でならない。何より悔しいのはこれで2年連続金蘭会高校の作品を見逃すことになったことだ。彼女たちのパワフルな芝居は僕に元気をくれる。山本篤先生がどう彼女たちを指導し、どんな形で『今』という時代を斬りとるのか、興味津々だった。仕事を抜けてでも精華に行きたかったのだが、 . . . 本文を読む
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common days 『天望タワー』

2009-07-29 21:59:09 | 演劇
 南出謙吾さんが先月の『カラベラの踊る日に』に続いて主演した新作。台本も彼自身によるもの。彼の書く世界はなんとも言い難い不思議な浮遊感がある。だいたい今回なんて、タイトルからして『天望タワー』である。高い場所から覗き見る世界。そのパノラマがこの芝居を形作る。世界を俯瞰したような芝居だ。ここに登場する8人の男女はその他大勢のこの都会で暮らすたくさんの人たちを象徴する。  主人公の直人(南出謙吾)が . . . 本文を読む
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『アイアンマン』

2009-07-29 21:33:08 | 映画
 ついに『アイアンマン』を見てしまった。ずっと見たかったが、絶対つまらないだろうから、勇気が湧かなかったのだ。でもそんなことしてたら、いつまでたっても見れないまま人生が終わるかもしれない、と思い、ついにレンタルしてきた。と、いうか、こういうタイプの映画は絶対劇場で見るものだ、と思うから、なかなかDVDで見る勇気が出なかったのだ。冷めた目でこういうアクションを見てはならない。見るなら絶対イケイケで、 . . . 本文を読む
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『マルタのやさしい刺繍』

2009-07-29 21:12:42 | 映画
 おばあちゃんたちの大冒険のお話。80歳のマルタは夫が死んでからずっとふさいだままだ。仲間たちは気が気ではない。もう9ヶ月も経つのに今も引きずって塞ぎ込んだままだ。何も手がつかないでいる。そんな彼女を友だちは励ます。  なんだか、いじらしいではないか。スイスの田舎の村を舞台にしたハートウォーミングなのだが、ただ心温まるだけのお話ではない。けっこうシビアだ。彼女を応援するのは身近な仲間だけで、男た . . . 本文を読む
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『この自由な世界で』

2009-07-25 18:43:07 | 映画
 なんて皮肉なタイトルだろうか。この世界には何の自由もない、ということをこの映画は描く。過酷な現実をそのまま描き、正義のために立ち上がった女たちが、気づけば自分たちが嫌った搾取する側にどっぷり漬かりもう後戻りできない。移民でごったがえすロンドンを舞台にして、生きていくためには、働かなくてはならないのに、働く当てもない人々の姿を描く。  ケン・ローチの新作である。今ではコンスタンスに日本に入ってく . . . 本文を読む
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『12人の怒れる男』

2009-07-25 17:59:55 | 映画
 ニキータ・ミハルコフ監督の久々の新作がなぜシドニー・ルメットのクラシックのリメイクなのか。不思議でならなかった。今、なぜ『12人の怒れる男』がロシアに必要なのか。民主主義の原点にもう一度立ち返れとでも言うつもりなのか。だが、そんな単純な問題ではないはずだ。現代のロシアを舞台にして、50年も前のアメリカを舞台にしたヒューマン・ドラマが、どれだけの力を持つか。疑問ばかりが湧き上がる。だから、これは自 . . . 本文を読む
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『ディア・ドクター』

2009-07-24 20:59:41 | 映画
 偽医者の話なのだが、本物とか、偽者とかっていったい何なんだろう、って考えさせられる。無医村にやってきて、老人たちの心の支えになり、みんなから感謝され、毎日精力的に仕事をこなす。嘘をついていることは確かだが、彼なりに全力で働いている。知識の欠如は医学書を読み、必死に勉強する。自分の持っている知識を総動員する。素人が医療行為に従事するなんて、本来なら不可能だろう。しかし、彼はそれをやり遂げる。父親が . . . 本文を読む
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劇団 太陽族『擦刻(ラグタイム)』

2009-07-20 06:37:03 | 演劇
 もっと重くて静かな芝居になっているのではないか、と勝手な想像をしていた。新聞(読売)に「実生活反映 夫婦リアルに」なんて書いてあったし、岩崎さが「私戯曲」に挑むなんて書いてあると、なんだかいろんなことを期待してしまうではないか。でも、芝居が始まると、当然のことながらいつもの太陽族で、気にならないし、気にもしなく芝居に集中できた。  だが、今回見た鍵チームによるバージョンは不思議な仕上がりで、本 . . . 本文を読む
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第33回 大阪春の演劇まつり 受賞作品

2009-07-20 05:25:32 | 演劇
 4月から7月にかけてプラネット・ホールを中心に、今年も大阪春の演劇まつりが開催された。大阪府の青少年育成事業打ち切りのあおりを受けて閉館を余儀なくされた森之宮青少年会館、プラネットステーションを拠点に33年間も続いたこの催しも来年以降かなり厳しい状況となる。今年は、例年なら少なくとも20団体は参加していたのに、参加劇団は11団体しかなかった。「参加しなかった」ではなく、「できなかった」というのが . . . 本文を読む
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劇団ポプラ『火垂るの墓』

2009-07-19 06:46:59 | 演劇
 実は避けておこうと思ったのだが、せっかくこういう機会があり、見せてもらったのだから、少しメモ程度に書き残しておく。  僕は学校での団体鑑賞による演劇には否定的だ。たぶん子供の頃見せられた芝居がつまらなさ過ぎて、それから芝居嫌いになってしまったからだろう。芝居=つまらないという図式を体に叩き込まれた。それってなんだか、と思わないか。それは僕だけのことではなく、きっとたくさんの人たちが感じてること . . . 本文を読む
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HPF2009 鶴見商業『カラフル』

2009-07-19 06:10:28 | 演劇
 今年もHPFがスタートした。18日から31日まで、応典院、WF、精華小劇場の3ヶ所で開催される。23校22作品が上演される。今年は6作品を見る予定だ。以前と違い全作品を見なくてもよくなったのはとても楽なのだが、なんだか参加しているという実感に欠く。軽く見れるところだけを掠って、参加した気分にさせて貰っているだけ。なんだかすまないなぁ、とも思う。じゃぁ、もっと必死になって見ればいいのに、と言われそ . . . 本文を読む
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『最好的時光』

2009-07-17 21:33:53 | 映画
 気が付けばもう夏休みに入る。いつも夏休みを楽しみにしてきた。大人になっても夏休みがある仕事に就いたけど、最近は全然休みではなくてなんだか、悲しい。まぁ、仕事なので休んでいては給料をもらえないのだろうが、それにしても、こんなに慌しかったなら、きっとだめだと思う。いろんなことが。  疲れたときには映画でも見て気持ちをリフレッシュさせるに限る。だが、映画館に行く体力もない。仕方ないから、DVDを見る . . . 本文を読む
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