習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『悲しき天使』

2007-09-24 22:24:58 | 映画
 なんだか30年くらい前の映画を見ている気分だ。こういう刑事ものって最近の日本映画から消えてしまった。音楽も重厚すぎて今風でないし、なんだか丁寧には作ってあるが、それが新しい何かを提示するわけでもない。悪い映画ではないがあまりに古臭すぎて、見ていて不思議な気分になる。テンポもゆっくりしていて、事件のほうもあまり展開しないまま予定調和で終焉を迎える。今時2時間ドラマでもこれよりはアップテンポなのでは . . . 本文を読む
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佐藤正午『5』

2007-09-24 21:49:44 | その他
 久々に佐藤正午を読んだ。相変わらず、途中で投げ捨ててやろうか、と思うくらいに鬱陶しい小説だ。主人公である小説家の、どうしようもない性格が腹立たしくこの男の行動を見てるだけでむかっ腹が立つ。  妻と何年間も浮気をしていた相手であるこの男を、夫の中志郎でなくても殴ってやりたいと思う。気分が悪くなるくらいに女にだらしない男の一人称で語られていく物語は、正直言ってムカムカするばかりで、感情移入なんて出 . . . 本文を読む
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『サッド・ヴァケイション』

2007-09-23 21:08:05 | 映画
 青山真治の新作は「Helpless』『ユリイカ』に続く北九州サーガ3部作の完結編、らしい。だが、映画としては前2作とはかなりタッチが違い、幾分軽い。前2作との関連はあるが単発の映画として充分理解できる。  これはとんでもない母親(石田ゆり)の世界に取り込まれてしまう哀れな息子(浅野忠信)の物語。5歳の時、自分と父親を棄てて出て行った母親に偶然、再会した彼は復讐のため、彼女が今暮らす生活の中に入 . . . 本文を読む
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『キングダム 見えざる敵』

2007-09-23 20:30:05 | 映画
 こういうタイプのアメリカ映画は『ランボー』みたいなものになることが多々あるが、これはマイケル・マン製作の社会派映画。一応は娯楽作品の衣装を纏っているが、単純アクションではない。  冒頭のテロのシーンが凄まじい。いきなりで、あっけに取られる。しかし、その後の映画前半部が少し長い気がした。主人公(ジェィミー・フォックス)はなかなかサウジアラビアに行かない。(行けないのだが)しかも、ようやく現地に行 . . . 本文を読む
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Zsystemプロデュース『夜明ケノ始マリニ、僕タチハ嘘ヲツイタ‥』

2007-09-23 19:56:49 | 演劇
 幕末の志士、坂本竜馬と高杉晋作が140年後の現代にタイムスリップしてくる、なんて話はたぶん今まで何度もいろんなところで作られてるのではないか?記憶にはないがきっとありそうだ。それくらいに新鮮味のないお話なのである。  なのに敢えてそんな素材に取り組んだのはなぜだろう。この芝居の仕掛けは彼らが、迷い込んだところが小劇場の芝居小屋で、竜馬、晋作を主人公にしたお芝居の公演を1ヶ月後に控えた現場である . . . 本文を読む
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浪花グランドロマン『沈丁夏』

2007-09-23 18:47:55 | 演劇
 今回はいつもの浦部、安部のオリジナルではなく、新しい作家を台本に起用して、従来のNGRとは一線を画す舞台を見せてくれる。全体的には、とてもさらりとした感触の残る舞台に仕上がっているのもいい。いつものような粘っこい突き詰め方をしていかない。軽やかに流してしまう。もちろん、それでもNGRなので、必ずしも美しいだけでなく、ベタベタの展開もある。それでなくては、納得しない観客もいるのだろう。横道にそれて . . . 本文を読む
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『ワルボロ』

2007-09-22 09:25:06 | 映画
 1080年、基地の町、東京の外れ、立川。ここを舞台に、少年たちが喧嘩に明け暮れ、突っ張って、不良していく姿が描かれていく。  かってこんな時代があった。どうしようもない閉塞感を打破するために、彼らは《不良》として生きる。  これは実はかなりシリアスな映画である。青春コメディーというスタイルに見えて実は硬派な青春を、ノスタルジックにひとつの時代を回顧する映画として作られてある。かって『ビ・バッ . . . 本文を読む
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高嶺格ワークショップ&パフォーマンス『リバーシブルだよ人生は』

2007-09-22 08:30:25 | 演劇
 19人の一般公募で選ばれた出演者たちと高嶺格本人が、ほぼ出ずっぱりで見せるライブ・パフォーマンス。100時間のワークショップを通して彼らが見せた幾つもの表情をコラージュさせていきながら、1本の作品を作り上げる。アイホール恒例の企画である。  最初、見初めた時、このチンドンヤみたいな衣装と、ひとりひとりのあまりに稚拙なパフォーマンスに辟易させられた。素人に自由にさせて、それを延々見せられてもたま . . . 本文を読む
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『ラッシュアワー3』

2007-09-18 17:51:51 | 映画
 今回は、大好きだったジャッキーではなく、だだひたすら真田広之を見るためだけに劇場に赴いた。それと閉館する三番街シネマにお別れを言うためでもある。  32年間一体どれくらいこの劇場に足を運んだことであろうか。シネマ2が名画座だった頃なんて確実に月2回くらいは通っていた。シネマ1は特に、スクリーンも大きいし、見やすいから好きだった。ナビオが出来てからは、拡大公開作品は必ずここで見た。だって、空いて . . . 本文を読む
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森見登見彦『新釈 走れメロス 他4篇』

2007-09-18 17:16:06 | その他
 一つ目の『山月記』を読んだ時、これはあかんわ、と思った。原作を使ってストーリーをなぞっただけのパロディーでしかない。そこに作者の姿勢とか意図とかが、見えてこないので全く面白くもない、と思った。森見ワールド版日本名作全集の域を出ないのなら、これに意味はない。  しかし、2つ、3つと読んでいくうちに、原作小説のほうが、完全に森見ワールドの中に取り込まれていくのを感じ、そのうちこの贋作が完全に彼の小 . . . 本文を読む
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『包帯クラブ』

2007-09-17 23:18:34 | 映画
この映画について、まず何から書けばいいのだろうか。あまりに多すぎて反対に言葉に詰まってしまう。思ったほどいい映画ではなかった。だが、そう書くと、それってどれだけ期待したのか、とも思ってしまう。堤幸彦監督の当たり外れの大きさは今までの作品で既に証明済みだろう。だが、今回はなんとなく『明日の記憶』を思わせる、そんな予感がしたのだ。だから、期待は高まるばかり。だが、今見てきた映画からは、確信犯的な中途半 . . . 本文を読む
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『伝染歌』

2007-09-17 22:00:15 | 映画
 確かにこの映画はかなり評価が分かれるだろう、と思った。散々な不評がいろんなところに出ていたが、自分の目で確認しなくては気が済まない。原田眞人監督がただの不出来なホラーなんて撮るわけがないのだから。  彼はみんなに気に入られる映画なんて撮るつもりはない。この素材を自分が料理するならこんなことになってしまうがいいか、って感じで好きなように自分の世界に引き寄せてしまう。商業映画なのにここまで趣味的な . . . 本文を読む
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『デート・ウィズ・ドリュー』

2007-09-15 21:34:51 | 映画
 こういう映画をわざわざ劇場で見たいとは思わないから、DVDになるのを待っていた。でも、いざレンタルが開始されるとわざわざ借りるのも「なんだかなぁ」と思い、結局なかなか見れない、ということになる。と、いうわけでようやく見ました!  ビデオ撮りの低予算のドキュメンタリーなのだが、(あくまでもこれは個人映画でしかない。こういうものが、劇場にかかるという不思議な時代が来たのだ。)アイデァひとつで勝負す . . . 本文を読む
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『夏物語』

2007-09-15 21:07:02 | 映画
 なんだか懐かしい感触のする映画だ。昔、日本ではこういうアイドル映画がたくさん作られていた。特に70年代から80年代にかけて作られた山口百恵と三浦友和主演の東宝文芸映画群を思い出した。美しい自然の中での若い2人の悲恋物語が同じようなストーリーで幾つも作られ続けた。美男、美女による切ない恋を定型の文芸映画として作る。『伊豆の踊り子』(74)からスタートして、『潮騒』『絶唱』そして、『風立ちぬ』。(さ . . . 本文を読む
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重松清『くちぶえ番長』

2007-09-15 20:32:29 | その他
 とてもかわいらしい小説だ。雑誌「小学4年生」に連載されたものらしい。なんだか、懐かしい。昔読んでいたよ。学研の「化学と学習」と並んで、小学館のこの「小学X年生」は子供の必須アイテムだった。(ほんま、かい!)  だから、この小説は小学4年生を対象にして書かれた児童文学なのだが、子供向けとか、大人向けなんていう区分はこの際全く意味をなさない。まず、誰が読んでもおもしろいこと。それが小説においての何 . . . 本文を読む
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