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映画・演劇のレビュー

RandomEncount 『私と、私のクラゲ』

2018-08-27 22:09:18 | 演劇
SNSでのつぶやきを中心に据えた恋愛劇。「いかにも」の世界を、ありふれたやりとりで見せていき、ありきたりで誰もが思いつきそうな話なのだけれど、それをきちんと見せてくれるから、納得のいくドラマになっている。自分に自信が持てないから不安をつぶやきといいねで解消して、なんとか折り合いをつけている。目の前の人と直接コミュニケーションをとることよりも、不特定多数の見えない人とのやりとりに安心を得る。そんな人 . . . 本文を読む
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劇団ひまわり『ペリクリーズ』

2018-08-27 22:06:06 | 演劇
シェイクスピアの戯曲をミュージカル化して、大人数の作品に仕上げる。15分の休憩をはさんで2時間10分とコンパクトにまとめる。そういう条件のもと、ウエルメイドな作品を見事作り上げた。とても気持ちにいい仕上がりだ。 単純すぎてびっくりするような話で驚かされるのだけれど、そのストーリーの単純さを受け入れると、それなりに見ていられる。父と娘の再会、そこに死んだはずの母も登場して、というラストなんて(3人 . . . 本文を読む
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『検察側の罪人』

2018-08-24 18:09:41 | 映画
今年一番の期待作だ。だから公開初日に見てきた。冒頭からガンガン飛ばす。凄い緊張感の連続だ。圧倒される。そういう意味でもこれは原田眞人監督らしい映画なのだ。確かにテンポよくどんどん話が突き進んでいく。だが、凄いのはその速さだけではない。細部まで目が行き届いていて、これでこそ、映画だと思わされる圧倒的な情報量。スクリーンから一瞬も目が離せない。 教官の木村拓哉の登場シーンから一気にこのお話の世界に引 . . . 本文を読む
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こまつあやこ『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』、岩井成子『地図を広げて』

2018-08-24 16:47:59 | その他
中学生の女の子が学校になじめず孤立する中で、出口を見出していく、というパターンの児童文学を2冊連続で読む。 第58回講談社児童文学賞・新人賞を受賞したこの作品は、マレーシアからの帰国子女が、同じように孤立していた先輩を通して短歌と出会い自分の居場所を見出していくまでを描くさわやかな作品。タイトルの『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』はマレー語で「5,7,5,7,7」ということ。謎の呪文で . . . 本文を読む
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『未来のミライ』

2018-08-24 12:39:03 | 映画
先週ようやく細田守監督の最新作であるこの映画を見ることができた。ずっと見たかったのに、時間がなかった。でも、見れてよかった。とても、感動した。途中からずった泣いていた。小さなころのいろんな想いがここには溢れている。なのに、この感想を書くまで1週間もかかった。それくらいに時間がなかったのだ。たった30分の時間を作れないほど忙しいって、異常だ。 平日の朝いちで見たので空いていてゆったりとした気分で見 . . . 本文を読む
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『コードブルー』

2018-08-15 18:20:14 | 映画
これは今大ヒットしている映画だ。ただ僕はTVシリーズを見ていたわけではない。まるで熱心なファンじゃない。だから正直言うと見る気はなかったけど、他の映画を見に行ったのに、満席で見れなくて仕方なくちょうど時間の合う映画ということで、選択肢はこれしかなかったから見ることにした。 でも、少しは気にはなっていた。いくら熱心なファンに支えられても、近年はここまでのヒットはなかなかない。なぜこんなことが可能に . . . 本文を読む
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乃南アサ『六月の雪』

2018-08-14 19:20:41 | その他
7月の後半から今日まで凄い量の小説を読んでいる。映画や芝居が見れないから、そのかわりというわけでもないのだが、普段の2倍は読んでいるはずだ。特に今週から夏の大会個人戦が始まったので、その凄まじい待ち時間を仕方なく読書でやり過ごしている。1日1冊は堅い。今日なんて一日でこの本を読みきってしまった。500ページもある長編だからとんでもないことだ。 最近読んだ本はいずれも面白い小説ばかりで満足度も高い . . . 本文を読む
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『BLEACH』

2018-08-13 20:22:19 | 映画
実はこの映画、7月の終わりに見ている。その時は、ショックで何も書く気がしなかった。どうして、こんなにも、当たり障りのない映画なのだろうか、と思った。今更だけど、思いつくことをつらつら書いてみよう。   これは佐藤信介監督が『いぬやしき』に続いて放ったSF大作なのだが、興行成績もいまいちだったし、映画もいまいち。というか、この2本、どちらもなんかよく似ていて区別がつかない。ルックスが似 . . . 本文を読む
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『ハッピーエンド』

2018-08-13 19:35:58 | 映画
ミヒャエル・ハネケの新作はこのなんとも皮肉なタイトルに象徴されるような痛烈な作品。自殺したい大富豪(認知症で、もう十分生きた85歳)が同じように自殺志願の孫娘(人生に悲観している13歳)との交流を通して彼女の助けを借りて無事に死ぬまでのお話。金持ちで何不自由なく暮らしているはずの老人の憂鬱。母親を亡くして身寄りもなく、再婚した父親の引き取られた少女の孤独。ある家族のお話で、じいちゃんと孫娘のお話な . . . 本文を読む
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『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

2018-08-07 21:14:44 | 映画
この夏もう一つの超大作映画がこれだ。予想以上の大ヒットとなったようだが、さもありなん。期待に違わない会心の出来栄えである。こちらの方が『ミッション・インポッシブル フォ-ルアウト』よりもずっと先に公開されたのだが、なかなか見ることが出来ず、ようやく先日見た。   新シリーズとなって2本目、通算5作目となる。今の時代ヒット映画はどんどんシリーズ化されてマンネリに陥るというのがパターンだ . . . 本文を読む
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『ミッション・インポッシブル フォ-ルアウト』

2018-08-07 21:02:10 | 映画
この夏最大の映画が公開された。シリーズ第6作になる。今回のミッションは奪われた(イーサンの甘さが招いたピンチ!)3つのプルトニウムを取り戻し、同時核爆発の危機を回避できるか、ということ。単純な話のハズなのに、なんだか複雑でストーリーがわからないまま、どんどん話は展開していくから置いてけぼりにされるけど、大丈夫。アクションシーンでどんどん繋いでいくからストーリーの細かいところなんか気にしなくても見て . . . 本文を読む
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『インクレディブル・ファミリー』

2018-08-05 18:50:06 | 映画
前作『Mr.インクレディブル』は意外な面白さで、こういうヒーローものなら歓迎だ、と当時は思った。その後だかその前後だか忘れたけど、どんどんこの手のヒーローもの映画が量産されるようになって、今ではもう出尽くした感すらある。そこになんと14年もの歳月を経て、この続編の登場なのである。何をいまさら、の感は拭えない。しかし、そんなことはわかったうえでこれが作られたのなら、その意図はどこにあるのか。気になる . . . 本文を読む
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箕面東高校『Races』

2018-08-05 18:44:55 | 演劇
こういうファンタジーは苦手だ。せめてここにもう少し毒でもあるとまだ見ていられるのだが、あまりに素直でストレート。なんのひねりもない展開で、障害もなくふたりの恋が叶うのはこの手のお話としては意外。まぁ、どうでもいいような障害ならないほうがいい。ただ、それが作品の力になるのならいいのだが、それすら物足りなさにしかならないというのはどうか。   作品世界をどういうふうに設定し造形していくの . . . 本文を読む
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『センセイ君主』

2018-08-02 20:23:50 | 映画
予告編を見て唖然とした。こんなバカな映画を本気で作るのか、と。浜辺美波がもう振り切れている。とことんあっちの世界にいってしまっていて、あり得ない人を演じている。これが滑ったなら悲惨なことになりそうだ。でも、こういうバカバカしさ満開の映画を最後まで引っ張って行けたならそれはそれで立派なのだろう。怖いもの見たさで見てしまった。少女マンガの世界であることを十二分に生かしてなんでもありの大バカ映画を目指す . . . 本文を読む
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北摂つばさ高校『解き方不明のキャストパズル』

2018-08-02 20:16:30 | 演劇
なかなか刺激的な設定の作品で、高校生がこういう題材に挑むというのが興味深い。死刑囚が主人公で、彼女は医療現場で6人の患者を死なせた。そんな彼女の心の闇を描く。これはとても難しい芝居だ。こういう台本にチャレンジすようという心意気は買いたい。   基本設定は、死刑が確定している彼女のもとに面会に来た牧師と研修生が彼女を追い込んでいく、という話なのだろうが、これはサスペンスなのだから、そこ . . . 本文を読む
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