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映画・演劇のレビュー

虚空旅団『きつねのかみそり』

2018-09-22 19:53:42 | 演劇
  とても面白かった。これは新しい家族の在り方を提示してくれる。そしてそれは「こういうのもいいんじゃないか」という感じの安っぽい提案ではない。こんな可能性の中にこそ、これからの自分たちの在り方が確かにあるのか、なんて思わされた。もう目から鱗だ。芝居を見ながらいろんなことを考えさせられる。同時に、芝居自身はとても快調にお話をどんどん進めていく。良質のシチュエーションコメディでも見ている気 . . . 本文を読む
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犯罪友の会『わたしはレフト』

2018-09-22 19:48:03 | 演劇
  今回はラブロマンスではない。政治的なドラマだ。以前作った『わたしはライト』の姉妹編。そこはこのタイトルを見たなら明らかだ。すぐわかる。そのわかりやすさがいい。   ラブロマンスではないけど、カチカチの政治劇ではない。軽いタッチで、よど号ハイジャックからサリン事件までを描く。これは作、演出の武田一度さんが言いたいことをストレートに吐露した作品だ。だが、それは痛烈なメッセ . . . 本文を読む
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オリゴ党『あおのじだい』

2018-09-16 21:46:15 | 演劇
なんと今回は人形劇である。人形劇団を舞台にしたバックステージものなのだが、劇中劇として演じられる人形劇の比重が大きく、全体のバランスを欠くほどなのが凄い。そのくせわかりやすい2重構造にはしない。両者のお話は関係ありそうでなさそうなもどかしさを提示する。もちろん両者は微妙なバランスで確かにリンクはしている。   いなくなった王子様を探す3人の仲間たちのお話は、自分たちの居場所を巡る劇団 . . . 本文を読む
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真夏の太陽ガールズ2018『キラメキ』

2018-09-04 13:51:15 | 演劇
チームアクアをまず見た。和泉敬子さんが水原コーチを演じる。というその大胆なキャスティングに驚く。彼女のような大ベテランをあの役に配して大丈夫か、と心配だったのだが、始まったところで、心配通りの違和感を覚えた。冒頭のエピソードが、さすがにあまりの年齢差で、ちょっと無理がある。嘘くさいと感じさせられ、乗れない。水原コーチがどう見ても50代にしか見えない、という現状を受け入れたうえでこのお話を進展させて . . . 本文を読む
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劇団cx.f session(クリアスセッション) 『夢見ガチ男』

2018-09-04 10:11:10 | 演劇
なんとも形容の仕様のない芝居だ。3人芝居だと思って1時間半くらい(ほとんど終わりまで)見てきたのだが終盤でいきなりもうひとりが唐突に参戦してくる。空想世界のファンタジーだと思って見ていると、まさかの終盤で現実世界の不条理劇になる。リーディング公演なのは、公演までの時間がなくて、役者が揃わなかったためで、稽古も十分にできなくて、苦肉の判断で、とか、勝手に想像してきたけれど、そこも故意なのではないか、 . . . 本文を読む
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三人娘『楽屋 流れるものはやがてなつかしき』

2018-09-04 08:30:06 | 演劇
意図的にとてもキタモトさんらしい作品に仕上がっていて素晴らしい。作品を自分の世界へ強引に引き込んでいくのではなく、作品のなかにあるものをきちんとみつめることで、そこに自分の切り口を見出していく。戯曲を読み込むことで、糸口を切り開いていく。そして、この作品をキタモト世界に染めあげる。それを力業ではなく、自然体でやってしまうのが彼の凄いところだ。「戯曲を忠実に上演すると、夢幻能になる」というキタモトさ . . . 本文を読む
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りゃんめんにゅーろん『未明かばんをとじた』『優しい顔ぶれ』

2018-09-02 16:30:57 | 演劇
ドロドロの恋愛をこんなにもあっさりと描いて、そこに何らかの批評を加えたりもしない。彼らをみつめていると、人間ってなんてつまらなくて、バカなのかと思う。でも、バカはバカなりに生きている。作者は彼らを野放しにして放置する。でも、彼らから目を離さない。しっかりみている。愛おしむように。同じように僕たち観客もそんなふうにして見ている。 彼らは自分の恋愛感情をもてあましている。彼らは実はバカではなく、クー . . . 本文を読む
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RandomEncount 『私と、私のクラゲ』

2018-08-27 22:09:18 | 演劇
SNSでのつぶやきを中心に据えた恋愛劇。「いかにも」の世界を、ありふれたやりとりで見せていき、ありきたりで誰もが思いつきそうな話なのだけれど、それをきちんと見せてくれるから、納得のいくドラマになっている。自分に自信が持てないから不安をつぶやきといいねで解消して、なんとか折り合いをつけている。目の前の人と直接コミュニケーションをとることよりも、不特定多数の見えない人とのやりとりに安心を得る。そんな人 . . . 本文を読む
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劇団ひまわり『ペリクリーズ』

2018-08-27 22:06:06 | 演劇
シェイクスピアの戯曲をミュージカル化して、大人数の作品に仕上げる。15分の休憩をはさんで2時間10分とコンパクトにまとめる。そういう条件のもと、ウエルメイドな作品を見事作り上げた。とても気持ちにいい仕上がりだ。 単純すぎてびっくりするような話で驚かされるのだけれど、そのストーリーの単純さを受け入れると、それなりに見ていられる。父と娘の再会、そこに死んだはずの母も登場して、というラストなんて(3人 . . . 本文を読む
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箕面東高校『Races』

2018-08-05 18:44:55 | 演劇
こういうファンタジーは苦手だ。せめてここにもう少し毒でもあるとまだ見ていられるのだが、あまりに素直でストレート。なんのひねりもない展開で、障害もなくふたりの恋が叶うのはこの手のお話としては意外。まぁ、どうでもいいような障害ならないほうがいい。ただ、それが作品の力になるのならいいのだが、それすら物足りなさにしかならないというのはどうか。   作品世界をどういうふうに設定し造形していくの . . . 本文を読む
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北摂つばさ高校『解き方不明のキャストパズル』

2018-08-02 20:16:30 | 演劇
なかなか刺激的な設定の作品で、高校生がこういう題材に挑むというのが興味深い。死刑囚が主人公で、彼女は医療現場で6人の患者を死なせた。そんな彼女の心の闇を描く。これはとても難しい芝居だ。こういう台本にチャレンジすようという心意気は買いたい。   基本設定は、死刑が確定している彼女のもとに面会に来た牧師と研修生が彼女を追い込んでいく、という話なのだろうが、これはサスペンスなのだから、そこ . . . 本文を読む
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桜塚高校『KAGUYA ~地球は青かった~』

2018-08-02 20:04:48 | 演劇
  少し期待した。『竹取物語』をどうアレンジして自分たちの世界を提示するのか、高校生らしい取り組みだと思うし、彼らの意図するものがどきにあるのか、ドキドキしながら見る。月の世界の身分制度とか、プリンセスであるはずのかぐや姫がどうして地球に流されてきたのか、とか、なぜ、月に戻れるのかとか、高校の授業で習ったときにも、みんなが不思議に思ったことへの彼らなりの答えがここに用意されているならい . . . 本文を読む
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大阪産業大学附属高校『汗 オレトオマエトアイツラト』

2018-08-02 20:03:38 | 演劇
バカバカしい芝居なのだが、それがお約束。彼らのパターンを熟知したお客さんはそれを期待してここに来ている。こういう泥臭くて笑える芝居をどれだけスマートに見せることが出来るのかが彼らの身上。無駄に力がこもったパンフもなかなかおしゃれでいい。ギャグを連発するだけではなく、それがスタイリッシュに提示されて、1時間の作品としてコンパクトに収まる。ちゃんと計算されている。   受験勉強のため演劇 . . . 本文を読む
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あみゅーず・とらいあんぐる『七夜月愛でて』

2018-07-28 21:12:11 | 演劇
恒例の夏のリーディング公演。今年で8回目になる。今年も浴衣で時代物。だけど、同じようなものにはしない。毎回いろんな新しい挑戦をするのが、この企画の凄いところだ。千日亭が和の空間であることを生かす。畳の間、客席の近さ、結構広いアクティングエリア。大胆な動きと密な芝居。3つのお話のバリエーション。これはいろんな意味でとてもよく考えられた、そして、よく出来たリーディング芝居だ。   当日パ . . . 本文を読む
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阿倍野高校『まねき猫』

2018-07-28 21:11:19 | 演劇
このパターンが僕にはつらい。ここには意外性がないのだ。芝居自体を確かに上手い、とは思う。だけど、まるでお話に面白さがない。予定調和に終始する。だから、退屈なのだ。オチである招き猫も、途中でネタバレだから、驚かないし。   ここまでで3本を見たのだが、なぜかいずれも同じパターン。それはワンシチュエーションをどう生かし切れるか、への挑戦なのだが、なかなか難しいみたいだ。ウイングでの公演だ . . . 本文を読む
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