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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

プライマリーディラーを返上した三菱東京UFJ・・・誰の差し金か?

2016-06-10 03:04:00 | 時事/金融危機
 
■ 日銀・財務省に反抗? ■

三菱東京UFJ銀行が日本国債のプライマリーディラーを返上したと話題になっています。かつては日本国債市場で絶大な存在感を発揮した三菱銀行ですが、現在は日本国債の保有を圧縮しているので市場への影響は実際にはほとんどありません。

「マイナス金利に抵抗」といったニアンスの報道が目立ちますが、はたして日銀・財務省にメガバンクと言えども逆らう事が出来るのでしょうか・・・。

陰謀論的にはしっかりと調整された上での行動だと見ています。

■ ヘリコプターマネーーを牽制? ■

ポピュリズムに徹する安倍政権は消費税率引き上げを先送りし、さらには国債発行益が得られるマイナス金利を利用して財政拡大路線に舵を切る可能性が大きい。海外の経済学者らがヘリコプターマネーの導入を示唆している事から、市場も期待を高めています。

確かにアベノミクスがスタートした2012年前半は大規模補正予算の効果が出て景気が一時的に回復しました。補正予算の規模が10兆円程度ならば景気回復の効果が剥落するのは早いのですが、さらに20兆円、30兆円ともなると「偽りの景気回復」の効果も高まって行きます。さすがに景気が回復局面が長期化すると長期金利がこれに反応して金利に上昇圧力が掛ります。

こうなると現在の日本国債のマイナス金利、さらには長期国債の低金利が維持出来なくなります。国債と財政の継続性を重視する財務省とすれば金利に影響を与える様な景気回復は由々しき問題です。金融抑圧政策の維持が困難になるからです。

景気回復の鎮静剤としての「消費税増税」のカードは温存しているものの、やはり財政拡大によるヘリマネ政策は牽制したい所。

一見、日銀を牽制しているかに見える三菱東京UFJ銀行のプライマリーディーラ返上ですが、国債の需給悪化を想起させる事で実は安倍政権を牽制しているのかも知れません。


■ 日本国債の購入の27%が外国人 ■

マイナス金利で日本の金融機関や証券会社は日本国債で利益を出し難い状況になっています。3メガバンクを始めとして日本の金融機関は国債市場から締め出されています。

一方で、日本国債の外国人の購入比率が27%に達したとの報道が示す通り、海外勢は円高進行でマイナス金利でも利益が出せます。

■ 今は良くとも・・・ ■

「日本国債の保有は国内が大半だから海外勢の売り浴びせに耐性がある。」とは三橋氏周辺で以前より主張されていた事ですが、ジワジワと市場での外国人投資家の存在感が拡大しています。

もちろん最大の買い手は日銀ですが・・・海外勢の売り浴びせを日銀が買い支えるなんて状況が発生すると流石に為替市場が反応しそうな予感も。現在の円高が円安に一気に振られると日本株も投げ売りされます。

タイミング的には新興国のバブル崩壊と同時と見ています。「アジア通貨危機」のアジアの中に今度は日本も入るのか・・・?


■ 裏の裏・・・ ■

ところで三菱東京UFJ銀行を動かしたのは誰か?

黒田総裁の政策に反感を持つ日銀プロパーだとも噂されていますが・・・意外にも日本売りを仕掛ける人達とも目的は正反対ながら利害が一致しているのかも知れません。

獅子身中の虫の腹の中にも虫が・・・妄想は止みません・・・。