人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

シングルスピードで箱根は登れるのか?・・・脳内箱根駅伝から逃げる?

2016-04-03 06:00:00 | 自転車/マラソン
 




■ そうだ、箱根に行こう ■

私、昨日気になってしまったんです。
シングルスピードで箱根駅伝から逃げられるかぁてーー

そこで、試してみました。

例年、1月2日に行われる勝手イベント「箱根駅伝から逃げる」。足に自信のある自転車乗り達が東京大手町を箱根駅伝の1時間前に出発して、箱根の国道1号線の最高到達点まで、交通規制が掛る前に到達する事を目指す遊びです。

私も昨年は勝手に走りましたが、先行する自転車を渋滞する道で抜き続けるのは危険。
そこで、今年は自粛しました。
しかし、自転車乗りたるものヤビツ峠を制したならば、次は箱根と決まっている。
箱根はヤビツよりも標高も高く斜度も高い、ワンランク上の存在です。


そんなこんんなで、チャレンジしてみました。「脳内駅伝から逃げる2016」

雨予報だったのでのんびりと7時過ぎに家を出ます。昨日のお酒が残っていて頭がシャッキリしません。そういえば昨日はお昼抜き、夕飯は炭水化物を取っていません。これはイカン。新橋でコンビニに入ってゆっくりと朝ごはん。そしてレッドブルを早くも注入。

これで気合いが入って、都内は車の後ろに付いて走ります。


■ 都心部の走行は神経が削られる・・・足も削られる。 ■


都心部の朝の路肩は作業の車や路上駐車が邪魔でとてまともに走れません。突然停車中の車のドアが開いたり、車の影から配送の方が出て来ます。さながらシューティングゲームの様で神経が削られます。この様な場合、車の後ろに付いて車道の中央を走った方が安全です。ただ、時々40km/h位までスピードが上がりますし、車の加速は早いので、信号からのスタートで強制的に足を使わされます。

都心部を抜ければ、路肩の駐停車も少なくなり、ようやく自分のペースで走れる様になります。とは言え、300m置き位に信号に引っ掛かり、その都度スタートダッシュを繰り返しますから確実に足のライフポイントが削られます。

■ 戸塚を二回通過 ■

順調に横浜を通過して、保土ヶ谷の先の権太坂を軽快にダンシングで登ります。いつもは苦しむ坂ですが、時速25km/hを切らなければ、ホイールの回転を利用してグングンん登って行きます。これがシングルギアーの坂道の登り方です。要は小学生の「立ちこぎ」と一緒。

戸塚の手前から道が渋滞して来ます。バスが行く手を塞いでいるので、仕方無くデコボコの歩道を走ります。戸塚からは藤沢バイパスに入らずに戸塚踏切を通ってみようと思います。「逃げる」イベント最大の難関と呼ばれる「開かずの踏切」ですが・・・・何故か踏切を渡らずに橋で超えてしまった・・・。変だな?と思いつつも進むと「野庭(のば)団地」という見慣れない場所に来てしまいました。スマホの地図アプリで確認しようとしましたが、3Gの表示しか無く、さらに地図がダウンロードされて来ません。これはもしや北に向かい過ぎているのかも知れないと、少し手前の交差点に戻ってそこを左折して南下し始めます。

これがイケなかった。完全に道に迷いました。実は戸塚で線路を超えたと思っていたのは川を渡る橋でした。東海道線を超えていなかったのですね。雲が厚くて方向感覚が分からないので、西に向かうハズが、南に向かっていました。それをさらに左折したので、今度は東に逆戻りし始めていたのです。

大きな道路に出ると「新横浜←→磯子」とあります。方向感覚が完全にズレテいるので「磯子って???」と思いながらも右折を選択。しかししかし、先方に鎌倉街道の分岐が出て来て???。

ここで地図アプリを立ち上げると、今度は地図が表示されました。・・・何と、横浜方面に戻っています。あわてて逆に向い、再び国道1号に復帰しますが、戸塚のかなり手前に戻ってしまいました。丁度道幅が狭くなる所で、再び歩道走行よ余儀なくされます。

ここで1時間をロスしたので、「脳内駅伝」の交通規制に引っ掛かりました・・。「本日のチャレンジは終了」って感じでテンションダダ下がりですが、箱根は諦めません。戸塚手前から藤沢バイパスに入ってロスタイムを取戻します。

■ 激走!? 海岸通り ■

風は追い風気味ですが、海沿いに出ると強い横風に悩まされそうです。鵠沼の辺りで先行するロードバイクを一気に追い抜きます。海岸に出た信号待ちで、先ほどの自転車乗りさんが後ろに居る事に気付きます。

後ろに付かれるのは嫌いなので、海岸通りは思いきり飛ばします。しかし、後ろの方から微かに「チリン、チリン」という鈴の様な音がずっと付いて来ます。アチャー、ピッタリ後に着かれちゃったよ・・と思い振り返ると・・・誰も居ない。ゾおおーーーーとした悪寒が背筋を走ります。心配になったのは幽霊では無くて自分の自転車。

後輪のフリーコグは以前から盛大に音鳴りがしてますが、チリンチリンという音ははたして、何だかネジが緩んでいる音かも知れません。茅ヶ崎で路肩に停車してチェックしてみると、なんと両面テープで固定していた後輪のブレーキワイヤーガイドが外れていました。これとボディーが接触して「鈴の音」を生み出していました。実害は無いのでコースに復帰しようとすると、先ほどの自転車乗りさんが通過。

本能的に追走して次の信号で追いつきます。信号の発信でゆっくり走られていたので、これは先行しろとの合図かと思い、先行して平塚大橋の登りでガッツリ漕ぎます。下りで足を緩めると、先ほどの方が抜いて行かれました。

これまた本能的に追走してしまい、結局大磯まで二人でガッツリと走っちゃいました。風でダレ易い海岸通りですが、おかげ様で良いペースでクリアー出来ました。

■ 小田原で鹿児島まで野宿のランドナーの若者と出会う ■

大磯から先は、箱根の登りに備えて足は温存。途中、二宮でラーメンをガッツリ食べてチャージします。

あっさりと小田原に着きましたが、前方にサイドバックを沢山付けた自転車を発見。信号で抜いてから振り返ると・・・自転車旅行らしき若者でした。

「何処まで行くの?」
「鹿児島までです。2か月休みが取れたので」
「今夜は箱根の泊まるの?」
「いいえ、野宿です。昨日は橋の下で寝ました」

自転車の前方に突き出しているのはアルミ色のグラウンドマット。確かに「野宿」のスタイルです。昔は皆なそうだった。テント持参で日本縦断は自転車乗りのロマンだった。今は道端や公園にテントを張ると通報されてしまう時代。或いは悪ガキに身包み剥がされる時代。最近では野宿で自転車旅行をする方も減りました。

妙に懐かしく感動しながら、小田原城を見て行くという若者と分かれました。旅の安全を祈っています。

■ 箱根の山は天下の剣 ■

箱根湯本でコンビニ休憩した後に、いよいよ箱根路に取り付きます。渋滞を嫌う大方の自転車乗りさん達は、既に下山した後なので、一人黙々とペダルを踏みます。

時速10km/h以上をキープしたまま大平台のヘアピンをクリアー。傾斜はここからキツクなります。宮ノ下で若い男女のクロスバイクを追い抜きます。普段着で「とっとそこまでサイクリング」みたいな二人ですが・・なんと笑顔でクルクルとペダルを回しています。マウンテンバイクのギアー設定のクロスバイクって意外に坂道に強いんですよね。ペダルをクルクル回せば、箱根だってゆkっくりながらも登れてしまいます。

そんなサワヤカなカップルを、顔をオニの様に赤くして、全身から汗が噴き出した50歳オヤジが抜いて行きます。「頑張って!!」と爽やかに声援を送ってはみましたが・・・。

箱根の登りの一番キツイ所は、宮ノ下から小涌谷の間。先ず、宮ノ下のすぐ上で・・・1度目の足着き。ここであまり頑張り過ぎると、脚が攣って登れなくなります。1分程、息を整えて、再び登り始めますが、小涌谷のセブンイレブン前でもう登るのがイヤになって5分程休憩していると、先ほどの若者二人が自転車を押して上がって来ました。

そう、劇坂を46T-16Tで登る速度は8km/h程度まで落ちています。人間が歩くスピードは5km/h程度ですから、歩いていても直ぐに追いつくのです・・・。

なんだか、カッコ付かないななんて思いながら、彼らとちょっと話をします。

「どこまで行くの」
「沼津まで行こうと思います。まだ登りますか?」
「今550m位まで登ったから、後300m位い登るかな?」
「そこからは下りですか?」
「湖まで下って、そこから少し登ったら沼津までは下りのはずだよ」
「じゃあ、頑張ります!!」

と、あくまでも爽やかなお二人。ここまで登って来て未だ心が折れていないって・・・若いってイイな。・・・そんな嫉妬にも似た醜い感情が浮かびそうになったので、慌てて二人を分かれて、再びペダルを踏みます。

小涌谷を過ぎると傾斜は少し緩くなります。なんとかシッティングで登れるので、「オールダンシング!!」よりは大分楽になります。ちょっと左膝が痛み出したので、丁寧なペダリングを心がけ、ジリジリと登ります。

■ これを箱根制覇とは呼べないが・・・良く頑張った!! ■




そしてついに国道1号線最高標高の874mに到達です。

途中からサイコンが計測しなくなったので、時間だけ。
14:15 箱根湯本出発
15:48  最高点到達

と言う訳で、1時間33分掛っています。足を付いたので完全制覇とは言い難いですが、浦安から自走(かなり爆走)して来て、シングルギアの46T-16Tで登ったので、「良く頑張った」オレ。

■ 下りはちょっと怖い・・・ ■

気温は10℃程度、下りは寒いはずです。ウィンドブレーカーを羽織って、一気に来た道を下ります。途中、例のカップルが芦の湯の手前でスマホを操作していました。意外のこの二人早いし、タフだね。気を付けてね!!

CAPOの下りは少し怖い。フレームが小さいのでフワフワします。さらに、リム面がペイントのリアホールのブレーキ性能がピーキーです。カンパでこれですから、シマノだったらチョウー怖い。

乗用車がペースメーカーになってくれたので、安全に下山しました。






少し観光っぽい写真もアップしておきます。本日は「マジ」だったので、写真はほとんど有りません。

それにしても、シングルスピードで箱根が登れる事も証明されました。最早、ギアーは要らない???



・・・旧道を登れとの囁き声が聞こえた様な・・・。