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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

金融危機の可能性が高まると起きる事・・・北朝鮮による挑発と、インフルエンザ騒動

2013-04-07 10:33:00 | 時事/金融危機
 

■ アメリカの雇用統計の悪化と、企業決算の不透明感 ■

アメリカは雇用統計が9ヶ月ぶりの低い伸びに留まっています。
雇用が伸びないという事は、企業の業績が回復していない事の表れです。
企業決算の発表を前に、アメリカでは景気の後退懸念が発生しています。

米景気は実は昨年中ごろから後退し始めていたという情報もあり、
QE3による資産バブルやジャンク債市場の活況が、
「アメリカの好景気」という、実体経済から乖離した経済指標を演出していたのでしょう。

■ QE3を実施しても景気が回復しないとおう「失望感」 ■

アメリカは月に7兆円規模の金融緩和を実施中です。
金利も、記録的に低い状況で、景気が後退し始めたら、
人々は、QE3や金融緩和の効果に対して疑いを持ち始めます。

元々、流動性の罠が発生した状況では、金融緩和の効果は非常に薄いのですが、
アメリカ人は日本人と異なり、資産をリスク市場で運用しています。
ですから、リーマンショックで崩壊したリスク市場の回復は、
アメリカ人の個人資産の回復と同義とも言えます。

FRBの量的緩和は、意図的に資産バブルを生み出して、
アメリカ人の個人資産の価値を拡大する意味においては正しい政策とも言えます。

株価は既にリーマンショック以前の水準に達しています。
一方で、住宅価格の戻りが鈍く、これが個人消費への重荷となっています。

QE3は実施当初から「出口」について色々語られていますが、
現在のアメリカの状況を観る限り、「出口」はまだまだ薄明かりすらも見えません。

こうした中、QE3の効果に対する期待感が薄れると、
アメリカの景気が後退局面に入る危険性があります。

既に、ジャンク債市場などは金利低下が著しく、
明らかにバブルの状況となっています。

アメリカの景気先行きに黄色信号が灯り、
これらのリスク市場から資金が引き上げられると、
一気に市場が暴落する可能性が高まります。

これが、本格的な金融危機に発展するかどうかは未知数ですが、
アメリカ経済の楽観論は、ここ1週間で急激に後退してしまいました。

尤も、アメリカ経済を労働参加率に注目して観察していれば、
アメリカの経済が回復していない事など一目瞭然ですから、
今更驚く様な事ではありません。

アメリカ経済は財政とバブルの両面から
順調に崖っぷちに向っているだけの事です。

■ 万が一の場合は、「ウヤムヤ」にしてしまおう!! ■

2008年9月  リーマンショック  

2009年6月  新型インフルエンザのパンデミック宣言(WHO) 

2010年3月  韓国哨戒艇沈没事件

2010年    イラン、ホルムズ海峡の封鎖を示唆


この間に2009年9月にアメリカのピッつバーグでG20首脳会合が開催されています。
サルコジ大統領が、「第二次ブレトンウッズ体制」などと発言をして、
ドルの機軸体制の継続性に疑念が高まっていた時期です。

世界が協調してリーマンショックの処理に当たった為、
世界の金融市場の大崩壊も、ドルの暴落も発生しませんでした。

その一方で、何故か、ほとんど害の無い「新型インフルエンザ騒動」が勃発し、
さらには、朝鮮半島では一発即発とも成りかねない哨戒艇撃沈事件が発生しました。

2010年には、イランを巡り、ホルムズ海峡の緊張が高まりました。 

どうも、リーマンショック後、ドルの信認が失われかけると、
世界で、思いもしない様な事件が起こるような気がします。

そいれが、「有事のドル買い」への布石なのか、
それとも、万が一、ドル暴落などという事態が発生した場合、
世界もろとも「ウヤムヤ」にしてしまう為の仕掛けなのかは分かりません。

しかし、今回の中国に鳥インフルエンザ騒動と、
北朝鮮の突然の強硬姿勢は、
何だか、リーマンショック後の世界情勢がダブって見えてしまいます。

■ 事あらば、危機が発動されるのか? ■

日銀のバズーガ砲で、アメリカ経済は一息付けそうですが、
発射まで、まだ時間が掛かりそうです。

その間に、米経済やドルに不測の事態が生じた時、
何だか、北朝鮮が暴発したり、
中国発の鳥インフルエンザのパンデミックが起こりそうな気もします。

まさかとは思いますが、警戒は怠り無く・・・。

国債はリスク商品・・・10年国債の金利が急騰

2013-04-07 03:15:00 | 時事/金融危機
 
 


短期債金利  Bloombergより


長期債金利  Bloombergより


4/5の為替と株   ロイターより


■ 10年債の先物が売り込まれ、一時売買停止に ■

日銀の大規模緩和の発表で何か起きたか?

1) 為替市場が乱高下
2) 債券市場が乱高下
3) 短期債の金利の急騰
4) 超長期債金利の下落
5) 株式市場の乱高下

特に、10年債金利は先物で0.315%に低下後に0.620%に急上昇し、
再び0.5%割れまで買い進まれるなど乱高下した様です。

一時、金利が急騰(債券価格が急落)して、サーキットブレーカーが働き
売買が中断される程、10年債が売り込まれた様です。

海外のヘッジファンド当たりが、日銀砲にパニックを起こし
先物売りを仕掛けたのでしょうか?

いずれにしても、市場関係者は肝を冷やした事でしょう。

■ 短期金利は需給が安定すれば低下する ■

日銀が長期国債購入に強くコミットした関係で、
短期国債市場も混乱している様です。

5年未満の国債が売り込まれて、金利が急上昇しています。
ここら辺も、ファンド系の投売りかも知れません。

週明けくらいから、短期国債も需給が安定して、
金利は低下するでしょう。

■ 株式市場は次のステージへ移行? ■

株式市場は急上昇した後に、利益確定売りが出たようです。

甘利大臣が3月末の13000円台発言をするなど、
ヘッジファンドの売り抜けラインが、
何となくそこら変かなという気がしていましたが、
円安に振れていたので、海外勢の利確売りも限定的だったのでは?

3月決算を前に、日経平均は足踏み状態が続いていましたが、
以外に、海外勢の売り抜けるタイミングを削ぎながら、
株価は日銀の緩和発表を起爆剤に、
次の高値である15000円、あるいは20000円台を狙うのでしょうか?

いずれにしても13000円は硬いでしょうから、
海外勢はファンドの決算の5月までは様子見といった所でしょう。

さすがに日銀砲で国内の個人投資家も俄然やる気が出て来ますから、
株価はズルズルと上昇して行くのでは?

■ 銀行の日本国債ブームは終わった ■

問題は国債金利が低下し過ぎると、金融機関の利益が減る事。
特に、短期金利はほとんど無くなってしまいます。

手持ちの国債を日銀に売って、短期的には利鞘が稼げますが、
その後、何に投資すれば良いのか・・・・。

保守的な日本の銀行は、担保の取れない物件の融資に消極的です。
とりあえず、新規の住宅ローンや、
住宅ローンの借り換えキャンペーンを展開しそうです。

消費税の増税を前に、今年は住宅市場が活況を呈しそうです。
「史上最低金利で消費税増税前に住宅購入」なんて売り文句が目に浮びます。

ただ、不景気が長かっただけに、住宅購入世代の賃金は低下しています。
さらに、いつリストラになるか分からない現在の状況では、
住宅需要が爆発的に拡大する事は無いでしょう。

■ 拡大する内外金利差 ■

円安傾向に拍車が掛かる事から、
海外投資の魅力が高まります。

特にアメリカで債券金融市場(影の金融システム)が回復して、
ジャンク債市場までが復活しています。
FRBのばらまいたドルが支えている市場とも言えます。

少なくとも、日本国内よりも金利が高いので、
これらの債券市場に日本の緩和マネーが、一気に流入するでしょう。

老人なども、金利と為替差益に釣られて、
債券ファンドを再び購入し始めるはずです。

地方の中小の金融機関も、金利差を求めて
これらの怪しい金融商品に手を出すかもしれません。

まさに、リーマンショック前の状況が再び発生し、
日本の緩和マネーは堰を切った様にアメリカに向うと私は予想します。

■ 円キャリートレードの復活 ■ 

上記の理由から、円キャリートレードも本格化するでしょう。

円キャリートレードが継続している間は、
安定的に円安傾向は続きます。

■ 問題はアメリカ経済と金融危機の再発 ■

日銀のバズーガ砲は、アメリカの為の援護射撃でしょうが、
問題はアメリカのバブルが何時まで続くかです。

日銀の緩和政策の終了が2014年度末ですから、
2015年にバブルは破綻するかも知れません。

会計法の改正による国債の時価評価停止と妙に符号します・・。

■ 不測の危機 ■

当座の不測の危機は、北朝鮮問題です。

しかし、日銀砲で米経済が延命するならば、
今回の戦争発動は無いと思われます。

ここで、戦争が発生すれば、一気に日本売りが発生するかも知れません。



何れにしても、アメリカ経済の1/3の規模しか無い日本で、
FRBと同等に、月額7兆円の金融緩和は、大胆としか言い様がありません。



一端危機が発生したら、その副作用も大きい事を
日本人は頭の片隅に置きながら、
最後のバブルを謳歌するのが、今後のトレンドでしょうか?


本日も「当たらない人力予測」でした。