『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

ちょとした変化・・・かぁちゃんの場合

2006年10月30日 03時20分37秒 | かぁちゃんにまつわる話
「うふふ・・・。」と、とびきりの笑顔で、自分の方から手を繋いだ~っ・・・
先日のショートステイの折、職員さんがお迎えに来てくれた時の出来事。
どうしちゃったんだろう?これは物凄い進歩!

別に、いつもと何も変わらない。利用し始めてから大抵迎えに来てくれるイケメンお兄ちゃん
しかし、この兄ちゃんは、かぁちゃん好みのタイプではなかったのに心境の変化かしら。

かぁちゃんの好みは細面の二枚目。
舟木一夫さんや片岡孝夫(今の仁左衛門)さん。高倉健さんより鶴田浩二さんのが好きだった。
私の好みとはちょっと違う
私はもそっと男っぽくって、少し影があって・・・何の話だ・・・。

で、もっと驚いたのは、帰って来た時にやはり同じ兄ちゃんだったのだけど、
別れ際に「この人、いい人。」と、ぽつりと口にした事。
え~っ?ええ~っ?ちょっと待ってよおっかさん。

かぁちゃんはもうほとんど喋らない。時々意味のある言葉を喋るけど、極稀な事。
ロデムの時以来だ・・・って、兄ちゃんはロデムと同じかぃ
違う違う、あの時も「行動する言葉」だったけど「形容する言葉」じゃなかった。
わぁ・・・感激してケアマネさんに会った時に言ったら、
「いや~っ、かぁさん、妬けるわ~。」だって

改めて気付いたけど、もう分かってないんじゃないか・・・って思い込みすぎてた。
かぁちゃんは、分かっていても、それを表現する表情や言葉を出す事が出来ないんだ。
時々「うふふ。」と笑うだけで、ほとんど無言で無表情だけど、
多分、私が理解している以上に、しっかり理解できているんだ!
そして、それを表現する力も時々だけど、まだ残ってる!そう思っても良いらしい。

気持ちの良い青空がそうさせたのか、兄ちゃんが首にかけていた銀のネックレスがキラリと綺麗に輝いたのが刺激になったのか、
意思がはっきりしていた頃はショートステイを随分嫌っていたので、利用の度にどこか後ろめたさがあったのだけど、もうそんな風に思わなくてもいいのかな?
だったら、かぁちゃん。貴女の笑顔は私への大きなプレゼントだね。
今回だけかもしれないけれど、まだまだ大丈夫って思えた事は幸せだねぇ


しかし、ショートの施設もそうだけど、デイサービスの職員さんも若くて可愛い子が多い(男女共)
何故だろう?何故だろう??







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ちょっとした変化・・・私の場合

2006年10月28日 02時34分11秒 | 日々の出来事
無造作に吊り下げられたインド綿のスカートやスカーフ。
素朴なビーズのアクセサリーや、懐かしい木彫りの動物達。
少し不気味な、けれどどこか愛嬌のある面が所狭しと壁にかけられ、
大きな籐の籠の中には、郷愁をそそる指ピアノや、バナナの皮で作ったバオバブの木。
つい最近、近所にオープンした大型スーパーの一角にあった不思議なお店。
重い腰をあげて、思い切って出かけて見つけた予想外の場所との出会い。

うぐいす姫を連れてこなくちゃ・・・きっと喜ぶぞ~っ
「お馬鹿・・・一緒に行ける訳ないでしょ。」と笑う声がしたようなしないような。
まぁ、考えて見れば、彼女は好きな所に好きな時に行ける訳で・・・。

私には少薄暗く感じた店の中。たちこめる香のかおりで、一瞬心がワープ。
こういう類の雑貨は、照りつける太陽の眩しい光の中にこそふさわしいと思うのに・・・。

織りの荒い、どこか大地の香りがするような素朴な綿のスカーフを、
さりげなく身に纏って高価に見せてしまえるような、そんな着こなしの出来る人だった。
3年程前に、一度一緒に京都に行きたいと言うので、丸太町あたりをゆっくりゆっくり散策。
あちこちに、こんな異国情緒溢れる店が立ち並んでいて、色んな物を手にしてはしゃいでたけど、
あのお店はまだあるのだろうか・・・。

お揃いで買った大判のハンカチは、お月見をするうさぎさん

「あなたの事はみ~んな分かってるからね。」なんて自分で酸素吸入器を外して、
細くなっちゃった両手で抱き寄せてくれた、うぐいす姫。
分かってくれなくてもいいからさぁ、近くにいて欲しかったんだけどな・・・。
だいたい、旅立つ前日に劇的な言葉を残していくなんてちょっとずるい。
けれど、映画のワンシーンのように、第三者の様にその風景を思い出す事も出来るようになった。
ん~、もしかしたら私達は女優だねぇ。
貴女は二枚目綺麗どころ、私は三枚目のお笑わせどころ


去年の自分を振り返って見る。
たった一枚の薄いベールもまだ、私には織れていない。
苛立ちや後悔ばかりが先に立つ毎日で、心が柔らかになれないから。
だからせめて、笑顔を織り込もう。
いつしか、ぽっかり開いた大きな穴が、ある事があたりまえになってしまう前に。

多分、こうして語りかける事で、時空は違っても同じ時間を生きている。
会いたくても会えない・・・それは、時には生きている者達も同じなんだよね。
思い出す、うぐいす姫の顔はずっと綺麗なままなのに、
鏡の中の自分は疲れきって何とも情けないのが悔しい。
でも、これもまた生きている者達と同じ。
記憶の中の大切な物や人や風景は、どれもみんな美しい形で存在し続ける。
余計な事は忘れ去って、一番輝いている時を記憶し続けている。
・・・「今」のこの時も、いつかそうなる・・・のかもしれない。

・・・「今」のこの時も、きっとそう出来る可能性があるんだよね。

それにしても・・・この一年、ちゃ~んと貴女なしでやって来れたのは偉いでしょ?
今日当たり、御褒美に夢に出て来てくれやしないかねぇ
うん、かぁちゃんの足元でも構わないよ・・・かなりビビるかもしんないけど



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ちょっとした変化・・・愚息の場合

2006年10月25日 01時44分03秒 | 日々の出来事
                  

二人がショートステイの週末。
例によって、お掃除おばさんへと変身。愚息の下宿へ向った。
・・・我が家を片付けるのが先だろう!という気もするが、もう少しの辛抱・・・と、思いたい。

ドアを開けると、愚息Ⅰは洗濯物をたたんでいた・・・うっそ~っ
調子を崩してから、こんな光景は初めてだったので、ちょっと感動!
台所も綺麗。まぁ、これは忙しすぎて自炊が出来ないからだそうだが、こちらはラッキー!
「いやいやいやいや~。いいね、いいねぇ。わははは!」なのである。

真っ黒けで無精ひげ、どこか精悍な顔つきになって「気ままな一人旅」から帰って来て一ヶ月が過ぎた。
帰るなり「足がおもろい事になった。」と、やおらズボンを下ろして見せられた驚くべき「ツートンカラー」もそろそろ色褪せたようだ。(目の前で脱ぐな!!)

これで、一件落着でもないし、明るい声で「おっと、薬を忘れてた!」なんて、
まだまだ薬のお世話にはならなきゃいけないのだけど、
人混みの中ですくんでしまっていたその足を、一歩前へ進めてくれるのは、
やはり、その人・・・達である事が少しは実感出来たとしたら、いい旅をしたんだよね。

で、この本。
こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」という漫画。
「これ、読みなさい。」と帰り際に差し出す。・・・何で私が偉そうに言われねばならんのだ
「ふ~ん、帰りの電車で読むわ。」と言うと、
「ん~、それはやめた方がいい。」・・・何故かと理由を聞くと
「泣くから・・・。」はいはい、成る程、よくおわかりで。

広島出身の作者が原爆投下10年後、またそれ以降のヒロシマを描かれたもの。
ほのぼのとした、見ていると微笑が知らず知らず浮かんで来るような優しい絵柄。
スクリーントーンは使わずに、細いペンで柔らかに描かれている。
決して、悲惨な生々しい場面が描かれている訳ではない。
「夕凪の街」「桜の国1」「桜の国2」の三つの短編集という形で、頁数も100P程度。
けれど、読み終わった後に「忘れちゃいけない物がある。」「知らずにいてはいけない事がある。」
と、静かに、けれど切々と問いかけ続けてくれるような、そんな作品だった。

映像化が決まっているようだけど、この世界をどう表現されるのかを観てみたいなぁ。

外界から閉ざされているような毎日の中で、本屋めぐりもままならない私にとって、
世間様の新しい情報が主に愚息達からしか得られないというのは、いささか不満でもある。
第一、彼等が幼少の折に「この本読んでごらん。」と薦めた名作達には目もくれなかった癖に、
何で今頃私の方が彼等に薦められた本を素直に読まねばならぬのだ

まぁ、素直に読んでしまう所がいかんのだろうが、この素直さ、ちっとは見習え!・・・え?
それにしても、いちいちツボにはまってしまうのがどうにもこうにも。
弱点を知り尽くされているようで、何となく落ち着かない。
子の言うなりになるなんて、親の沽券に関わるぞ!なんて冗談で言えるうちはいい。
今はまだ思いのままに動き回れて、大声で歌ったり叫んだりできる私ですら拗ねてみたくなるのだ。

かぁちゃん・・・。
自分の心と体が意のままにならなくなった時、悔し紛れに何度も思ったかもしれないね。
それ故に拗ねて、あれこれ困らせてくれたのかも。
やっぱり時代は巡って行くものなのかねぇ・・・なんてちょっと苦笑い。

だけど、巡らせてはいけない時代も確実に有る。
そんな事を思い出させてくれた、そんな一冊との出会いに、ありがとう。






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クールダウン

2006年10月21日 03時33分59秒 | 食してみます?
                     


・・・何の変哲も無いないアボカド・・・です。

異国にいた頃に、毎日食卓にのぼったのが、このアボカドと、パパイヤとマンゴー
だって、安いんだもん。円に換算すると、どれもこれも100円あれば2~3個は買えた。
殊にアボカドはわさび醤油で食べると「刺身のマグロ!」という事になっていた。
ちなみに「刺身のイカ!」は若いココナッツの、内側についた半透明の果肉。
これをペロンと剥がして、細く切ってわさび醤油で頂くと、ん~っ
ただ、ココナッツが削れる程成長したのは堅くて食べれないので、若いのが欲しいんだけど、
なかなかこれに出会えなくって、ココナッツジュースを取り出した後に中を覗き込んで、
白い果肉のつき加減をたしかめるのが、ちょっとした楽しみだったりしたっけ。
だって、本当は果肉がしっかりした物でないと商品価値はない筈だもの。

こちらでもアボカドは年中手に入れやすい食材になってるのは、とっても有難いのだけど、
始めの頃は、あまりの小ささに「これって、食べられるんかいな?」と半信半疑。
輸入物が多いせいか、味もちょっと淡白だし、ねっとり感が少ないのが残念。

アボカドって、どうやって食されますか?
私は、料理のレパートリーが少ないので、わさび醤油でいただくか、
刻んでトマトのみじん切りと合わせてライム(レモン)を絞り、ちょいと塩を入れて混ぜたのをディップにしたり、
ちょっとおめかしして、半分に切って種を取り出したそのくぼみに、茹でた小海老をのっけて、マヨネーズをレモン汁でのばしたドレッシングでいただいたり、
あとはせいぜいサラダにするくらいしか・・・なんだけど、とっておきのがこれ。

このアボカド、実は練乳がたっぷり絡めてあります。
・・・うげっ!とかならないでくださいよ~。

これはムスリムの友人にランチをご馳走になった時に、デザートに出してくれた物。
何でもラマダンの時によく食べるそうだ。
この絶食の時期には、太陽が見えている時間には、食物だけじゃなく飲み物も口にしてはいけないらしくて、暑い国の人達にはかなり過酷。
なので、日没後、食べてもいい時間帯になると体に優しくて栄養価の高い物を食べるのだとか。

これって、癖になるんですの。今年の夏バテも、これで乗りきれましたですよ。
アボカドと練乳さえあれば他は何もいらないので、
勇気がある方は、お試しを・・・。勧めていいのかどうかは、し~らないっ



当たり前の物が手に入らない場所に毎日居ると、小さな楽しみにワクワクドキドキして
たいした事じゃないのに「喜びいっぱい夢いっぱい!」になっていたように思う。
愚痴ってもどうにもならない場所だからこそ、諦めも早っかたし、
何より、楽しい事や嬉しい事にはとっても敏感だった。

我が家では体が疲れている時は勿論、な~んかだるい時にも突然食べたくなる懐かしい味。
器ごと冷蔵庫で冷やしていただくと、心身ともにクールダウン。

少々季節外れではありますが・・・ついでに器も季節外れらしく・・・
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もう一つの事情

2006年10月19日 03時08分50秒 | ぺこちゃんにまつわる話
役所へは行って来た。私がお役所が苦手なのは、担当の方が苦手だから・・・。
という何ともおそまつな理由で情けないけれど。
かぁちゃんの以前の住んでいた役所の担当の方がとても親切だったので、
どうしても比べてしまってよろしくない。
(ちなみに、こちらも介護保険担当の方はとっても親切で分かりやすく説明してくださる。)

けど、少し解った事がある。
新しく変わった制度について、もしかしたら役所の方もよく解ってらっしゃらない?
いつも受身の立場でしか考えて来なかったけど、
新しくなるという事はそれを施行する側も手探り状態なのだろう。
せめて担当者くらいは、共通の認識を持ち、理解する時間の余裕を持って実施の時期を決めてくれたら良かったのに・・・と思うけど、それこそ現場はそんな細かい事にまで手が回らないのが現状なのかもしれない。

先日の判定見直しの件、デイサービスの職員さんの言われるままに申請したけど、
あちこち聞いて分かった事は、全てがそうだと言わないけれど、知的障害の場合、他の合併症がなければ、療育手帳で重度だとしても「区分2」になるようになっているって事。
口の悪い?妹に言わせると「知的障害者は自分で歩けたら区分2になるようになっとる!。」
・・・らしい

正直言って「区分2」でも何でも構わないけど、要は各区分の認識のされ方が問題なんじゃ?
「自分一人でで歩ける」=「自分一人で通勤通学ができる」なんて事は有り得ない。
「自分で努力する」「頑張る!」という事が出来ないって事も障害の一部分なのに、
個々の障害を無視したようなマニュアル作りがおかしいとどうしても思ってしまう。
介護認定も同じ様な事があるんじゃないかなぁ。
「出来ると本人が思っている事」=「出来ているという事」じゃないと思う。
その点、かぁちゃんは「自分の思いを言葉に出来ない」から「出来ない」事が第三者に伝わりやすいので、判定に関してこちらは悩む暇もない。
なので、まぁ足して二で割ればちょうどいいのか・・・って問題でもない

ぺこちゃんの「判定見直し」について、新たに分かって来たもう一つの事情。
事業所側がそれを勧める理由と言うのがやはり存在するって事。
事業者はボランティアではないので、運営を維持して行く必要があるのは当然。
ぺこちゃんの場合、4年近く通っている所でゆっくり確実に築き上げて来た人間関係を、こんな理由で白紙に戻されたくないと、ついつい熱くなってしまうけど、
事業者側には「区分に応じて国から受ける補助金」の問題がそこに大きく関わってくる。
ちょっと、あまり面白くないけど、今現在の生活を続けさせたいと思いが勝る。

ぺこちゃんの場合は、施設側からのアドバイスで「見直し申請」に踏み切れたけど、
そう出来ない、同じような障害を持つ人たちは沢山いらっしゃる筈だ。
知れば知るほど、心のどこかで「後ろめたさ」のような物を感じてしまって複雑な気分。
色々考えるのをよそう・・・とは思うけど、しっくり落ち着くなんて出来そうにない。

御上の思惑と事業者の思惑との間で、ふらふら揺られ続けているようで、何か嫌だ。

仮に判定の見直しが通らなかった時に、嫌々でも私が望む方向で自分の将来を勝手に決められてしまうだろう、ぺこちゃんは・・・と思うと、益々心が疼く。
「成るように成る。どう成っても慣れる。」結局、それしかないのかな。

あ~、駄目駄目。ここの所、いつにも増して愚痴っぽくなっていけない。
・・・やっぱり秋のせいかしら、何となく心が弱くなってるのね
「成るときには成る!成らずとも慣れてやろうじゃないか!!」くらいでないとね


かぁちゃんの摩訶不思議な行動に振り回されてる事が、結構気晴らしになっている。
「な~にやってんのよ!おっかさん!」・・・実に罪が無いというか、他の何事よりも大変と言うか、
昨日はビスケットの粉を撒き散らす、砂かけばばぁでありました。
結構楽しい、かぁちゃんの妖怪七変化なのでありまする





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秋深し、隣は何をする・・・かぁちゃん!

2006年10月17日 02時09分30秒 | かぁちゃんにまつわる話
ぺこちゃんの事にかまけてて、かぁちゃんを放ったらかしにしていた。
・・・な訳ないっ

確か、夏にぐったりしてるので、秋になったら元気になるかしらん・・・。
なんて、ちょいと優しく思ってみたりしたのは他ならぬ私なんだけど、
で、秋は本番はまだこれからで、今はまだ序の口なんだけど、
かぁちゃん!元気になるのは昼間にしてくれ~っ
いつかは落ち着くだろう、疲れたら寝るだろうと思い始めて早ひとつき。

ベッドで、足元に見える誰かさんと話をしたり、「あざみの歌」を歌い続けるのはまだいい。
(レパートリーに「初恋」が加わって久しいけど、「桜貝の歌」はまだ出ないなぁ)

ベッドの側に置いているサイドテーブルに両足を乗っけて、一人空中浮遊するのはやめて!
むくっと上半身を起こして、サイドテーブルを音をたてて撫で続けるのはやめて!
「よいしょ」と共に、鮮やかな身のこなしで布団をひっぺがすのやめて!
夜中に足が冷たかろうと履かせた靴下を、食べちゃうのやめて!
麻痺のある左手に握らせてるタオルハンカチを口一杯に頬ばるのやめて!
トイレに座らせて、パットを取りに走る数秒の間に立ち上がり、そのまま用を足すのやめて!
・・・その度毎に「あれあれあれあれ!」「うわわわわわ!」「何すんの~っ!」
と叫ぶ娘をじっと見つめて「うふふふふ~」と嬉しそうに笑うのやめて~っ!!!

対処策は色々試みたけれど、敵も然る者、手を変え品を変えやってくれます。
昼間に眠り続けて昼夜逆転してる訳じゃないし、それで食欲が落ちてる訳でもない。
元気になったと考えればそれでいいのだろうけど、1時間も静かにしていないのは疲れる~。
4時前に最終的にトイレに連れて行って、静かになったのでようやく安心して布団にもぐるけど
こっちも力尽きて朝まで熟睡してしまうもんで、見守り続けるなんて出来ない。
口に物を入れるのはたいてい、この魔の三時間。何もないと布団にかじりついてる。

風邪ひいたって知るもんか~っ!・・・と、開き直って寝転がってはいるものの・・・。

テーブルを、シャッ、シャッと撫で続ける音はまるで「妖怪小豆あらい」のようで、
私の頭の中には昔「日本むかしばなし」で聞いたフレーズが蘇って眠れない。

「シャキッ、シャキッ、シャキッ・・・。
小豆とぎましょうか人取って喰いましょうかシャキッ、シャキッ、シャキッ」


「出たな、妖怪!!正義の鉄拳をふるってくれるわ!!」・・・いや、ふるいませんけど

しかしこの状態、元気になったと受け止めるか、症状が進んだと受け止めるべきか・・・。
夜間の誤食以外の不思議な行動は、発語が難しくなった頃から顕著になってるので、喋れない分動く事で発散してるのかもしれない。
だって、とってもお喋り好きだった人だ。はっきり言って煩かったもんなぁ。

あ、そうか、あれはかぁちゃんのボディランゲージなんだ!!
ん~・・・やっぱり煩いやぁ
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それどころじゃなかった。

2006年10月14日 03時19分41秒 | ぺこちゃんにまつわる話
うお~~~っ!
全くもってそれどころじゃなくなってきた~っ

一日、しおらしく真面目に考えて、「んっ」と結論を出してほっとしたのに、
事態はそんなのんびりした事が言ってられなくなっちゃった。

説明すると、と~っても長くなるので割愛しようと思ったけど、
そしたら何の事だかま~ったくわかんなくなるので、ちょっとだけ。
障害者自立支援法が変わって、知的障害に関しては3段階に分けられていたのが6段階になった。
以前は中度(精神科医の話では重度に近い中度)だったぺこちゃんは、
新しい判定で、6段階中「区分2」とされた。(一番軽いのが区分1)
ただ、年齢が50歳以上なので、サービスは「区分3」を受けられると聞いたので
「まぁ、これまで通りのサービスが受けられるならいいっかぁ。」とのんびり構えていた。
施設入所を現段階でお断りする件で、昨日デイサービスの職員さんと電話で話した所、
とんでもない事実を聞かされた。

デイサービスに関しては来年の3月まで「経過的デイサービス」という期間中で、その間は今まで通りで大丈夫だけれど、4月から、事業所は全く新しいサービス提供になるという事。
その場合、対象者は「区分3~4以上」となるので「区分2」のぺこちゃんは利用できなくなると言う事。
「区分2」は基本的に就労能力があるとみなされるので、就労する事を目的とした、またはそれに類した施設に移行しなければばならない事。
その場合は、送迎のサービスはなく、自力で通所しなければならないという事。
今の事業所内の会議でぺこちゃんの事が取り上げられて話し合われたそうだ。
昨日の入所の件も、そういう事があったために将来の選択肢の幅を広げるためにも
「判定の見直し」を考えた方が良いと言う事で声をかけてくださったらしい。

勿論そうなのだ、役所から現施設を紹介された時は、療育手帳に記載された障害の程度によって紹介されてるんだから、軽度の判定しかもらえなかった彼女を受け入れるのは難しいって事はよ~っく分かる。
何でこんなにややこしい話になって来るわけ~っ???
な~にが肌理細かいサービスだ。
な~にが自立出来る社会だ。
な~にがこれまで通りのサービスが受けられますだ。・・・し、失礼

ぺこちゃんは基本的にお仕事はとっても苦手。
デイサービスで2、3時間の軽作業も、「しんどい!疲れた!」と少々不機嫌。
工場が無くなる時に「これまで働いたから、ゆっくりしなさい。」って言われてるので、
当然そう生活する為に家にやって来たんだから、気持ちは解る。
それに色々な事を吸収して、それを自分の為に活かせる年齢ではなく徐々に衰えて来る年齢・・・。

・・・い、いや、違いますよ!50歳はこれから!って年齢ですよ!
そんなの、あったりまえ じゃないですか。
ただ、ぺこちゃんのような障害を持っていると老化が早いそうだ。
確かに、階段の昇り降りを見てると、「ん~~~。」な感じだし、
これから更年期障害なんて事を考えると何が起きるやら・・・いろいろ緩くなってるし
まして、一人で電車に乗ったりバスに乗ったりなんて、もう無理無理!絶対無理

なので、急遽判定見直しをしてもらう事にした・・・果たしてどうなる事やら。
もしも、判定結果が見直されなければ、ぺこちゃんは施設に入所も出来ないし、
今のデイサービスに通う事も出来ないし、そうすれば・・・家に引きこもり??
冗談じゃないよ~っ

・・・・・・けど、この法律改正正しくなんかないよ~っだっ。
我が家も大変だけど、事業所も、お役所も、物凄く大変なんだろうなぁ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

んふっ、不謹慎だけど・・・何だか面白くなって来ちゃった。
悩んでたら果てしなく悩み続けそうなので、事の成り行きを楽しむ方向へ無理やり軌道修正!
おりしも、友人から枝豆がたくさん送られてきた。茹でるだけでも良かったんだけど
俄然、やる気になっちゃって、ずんだ団子(餅がなかったので)を適当に作ってみた。
 うまかった~っ   ・・・食べ過ぎちゃった

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動揺

2006年10月12日 12時46分20秒 | ぺこちゃんにまつわる話
ちょっと、自分の気持ちを再確認する為に書き留めたい。

少し・・・いや、本当はかなり動揺している。
結論を自分で出したものの、それが良いのか悪いのかまだわからない。

昨日、ぺこちゃんがデイサービスから帰って、いつものように連絡帳を見た。
「入所施設の利用者が一人退所されます。将来の事もいろいろお考えでしょうが、
施設入所も選択肢と考えておられるなら、ご家族、ご本人共々相談されてみては?」という内容だった。
勿論、これには前回の判定の見直しも含まれる。あの判定では入所施設には入れない。

正直に言って、今の段階でぺこちゃんの施設入所は全く考えていない。
もしも、私に何かあれば・・・または、家族に・・・という場合は考えるが、
今、大きな変化を彼女にさせる事はないと思う。
それに、彼女自身が納得できる大きな理由が無い限り、不可能な事だとも思う。
これは、本心。すぐにお断りを入れようとペンを取った。

・・・けど、けど、ぺこちゃんのいない生活をふと思う。
彼女の場合、こちらが気をつけていさえすれば日常生活は自分で出来る。
なので、彼女の具合が悪くなければ、肉体的には別に負担でも何ともない。
けど、精神的には・・・楽だろうなぁ。
想像しただけで、肩の痛みがすっと消えるような、そんな感覚。
・・・これもまた、私の本心。

実はまだ、背の君にはこの話を言っていない。言えない。
どういう判断をするか、それが怖い。
断るのが怖いんじゃない。もしかしたら、すぐにお願いするかもしれないのが怖い。
自分が嫁としても親としても人間としても未熟なのは十分自覚している。
けど、どうしても曲げられない所はあって、それを傷つけられると
おそらく、その傷つけた相手とは付き合ってはいけないだろうくらい頑固でもある。

幼い頃のトラウマはそうそう消える物じゃない。この兄妹に何があったかは知らないけど、
兄は妹を受け入れられない。自分の責任として受け入れざるを得ないのは承知しながら
精神的な拒否反応は私の想像を遥かに越えていた。
・・・背の君が私に見せた唯一の弱さ・・・。決して見せたくなかった筈の一部分。

4年かかってようやく、ぺこちゃんの話題を普通に持ち出す事が出来るようになった。
でも、今のままでは施設に入所させる事はやはり出来ない。
せめて、顔を見て声をかけれるようになってから。
もし、私に突然何かがあっても、先の事を彼自身が彼女に言えるようになるまでは、
その自信が私につくまではやっぱり駄目だ。

奇麗事でも何でもない。
私がこの世に別れを告げなければいけない時に絶対後悔する。理由はそれだけ。
だから、独断で決める。・・・と、この事を、この気持ちを萎えさせない為にここに記す。

・・・あぁ、強くなりてぇ!!
だって、やっぱりうろたえて誰かに聞いて欲しいと思ってしまうんだもん。
全く、いくつになっても、色んな事を経験させてもらっても、私は弱虫なんだもん
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普通の嫁さん

2006年10月11日 02時46分07秒 | どうでもいい話
                    

んふっ・・・ゆったり、まったり

妹達と共に癒しのロデム参上につき、一昨日、昨日は私のOFF日。
ぺこちゃんの朝ごはんは、パンとカップを準備して部屋のテーブルに前夜からセット。
自分の事を自分でしてくれるっていうのは、本当に素晴らしい

彼女の部屋にお茶のポットとは別に、湯沸しポットを置いてから、かなり楽チンになった。
ちょっとでも手抜きが出来る事は、どんどんやってしまう怠け者な私

真面目な話ここらでちょっと体力回復しないと真剣にヤバイ・・・。
ちょっと気を抜いて、注意していなかったら、首と肩の痛みが復活。
便座・・・ちがう、首の装具をつけるにはまだ暑いしなぁ。
まぁ、ゆっくり休めば治るだろうと、目覚ましも、携帯のアラームもセットせずに寝た。
布団にもぐりこんだのはいつもと同じく3時半だったけど
「あ~っ!かぁちゃんをトイレに連れて行かなきゃ。」と、あわてて飛び起きたら
・・・11時でありました~っ!!

あ~、びっくりした。・・・おくさ~ん、お昼ですよ~っ。
すまぬ背の君、お昼ご飯はちゃんと作りますです

で、問題はここからなのだ。

かぁちゃんが隣へ来て半年を過ぎ、夜中に目が離せなくなってあちらで寝るようになって、
私自身の生活の中心が我が家より、隣になってしまっているのは否めない事実。
いつしか背の君のデスクワークの場が、自分の部屋から食卓に移行している。
で、私がキッチンでウロウロごそごそしている間中ずーーっと後ろに気配があるのだ。
・・・別に不思議じゃないって?
・・・いいえ、我が家では不思議なのだ・・・う~慣れてない!
やりにくいったらありゃしないのだ。

だいたい私の独り言にいちいち返事をしてくれるな。
「え?どうした?今何て言った?わかるように言いなさい。」とか言うな。
独り言に意味なんかないわい!
誤解の無いように申し上げるが、独り言と言っても一人で喋っている訳じゃない。
たいてい、「ぐぁ!」とか「あん?」とか「うわわわわわわ!」とか・・・。
「あっちゃ~!」とか「ひえ~っ!」とか「くそっ」とか・・・。
一番多いのは「いてっ!」なんだけど、ねぇ、普通は言わないのかしらん???

いつもは静かな我が家に嫁の奇声が響き渡る事に、
ついに我慢しきれなくなった彼は言ったのだ。←正確には怒鳴った
「普通の嫁さんらしくしなさい!!。」

・・・あん?「普通の嫁さん」ってどんなよ?
・・・どっからが「普通」で、どっからが「普通」じゃないのよ?
「あんたがそこに居るのが悪い。」とは優しい嫁は言わなかったけど(優しいでしょ
♪ふつうのよめはここにいる~、これがあんたの嫁なのよ~♪
と、思いっきり腹筋使ってオペラ調に歌って差し上げてやった・・・ふんっ。

しかし、普段家に居ないと言う事は、自分の居場所がなくなるって事なのよね。
背の君は「いつもの休日」と同じ様に過ごしていただけなのだから・・・。
ちょいと凹んで気晴らしにロデムをいじりに行ったら、彼はお昼寝の真っ最中。
かぁちゃんが棺の中に持って行くと以前言ってたアンパンマンと一緒に記念撮影

ん~、いずれにせよ、ゆっくり眠れて幸せなだったよ。ねっ、ロデム







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ムッ・・・!!

2006年10月08日 02時48分52秒 | 日々の出来事
たまたま消し忘れたテレビに映ってた、昨日の国会中継ですよ。
普段は見ないですよ、全くのノンポリだもん(←この言葉って死語かしら?)

涼しくなってから、かぁちゃんが夜中に復活!!
(この場合。「かぁちゃん」とは、その行動全般を指す)
真夏の夜の夢は泡沫の如く消え去り、今はただ束の間の幸せを懐かしむばかりなり
まぁ、これについてはあんまり面白い?ので後日ゆっくりと。

なので、いわゆる激しく睡眠不足。
咳が長引くのはこのせいだろうなぁ・・・一日中「寝起き」の感じがする。
で、時間があれば10分でも20分でも寝てやる!と、半ば意固地になってるので
日中、かぁちゃんの長~いお食事タイムの間に、ごろりと転がる。
ふへへへ~・・・気持ちいいなぁ・・・

・・・何やら遠くで声がする。・・・しょうがいしゃ・・・しえんほう・・・ん?
「障害者自立支援法」・・・あ~、何か言ってる~・・・。
ぼ~っと聞いてたのだが、だんだん腹が立ってきて完全に覚醒。
聞えの良い言葉で何語ってるんだ、おじさん???・・・こっちもおばさんだけど。

ん~?施設にずっと入ったままで過ごす人が多いので、社会の中で生活してもらうために?
社会の中で生活!それは理想論だけど、受け皿も何も準備されないままで、どうやって?
というか、その言葉だけ聞いたら実状をご存知ない方に正しい!と誤解させてしまう所が
めちゃくちゃ、ムッとした

施設維持って大変なんですよ~。その為のお金なんてねぇ、出せないんですよ~。
だから、し~らないっ!!・・・って事を言えないからなんじゃないの~?
・・・いや、いや、ここで中途半端な知識のまま詳しい意見は述べられないけど、
これだけはどうしても納得しきれないので、一言。

各自の収入に応じて自己負担額を決めるのに、何をされたがご存知ですか?
これも地方自治体によって異なるのかもしれないけど、
役所で収入を調べられる公的な物だけだったら、何も疑問は持たないけれど、
今回、この法律が変わった事で新たに手続きが必要だった時、一瞬凍りついた事がある。

「本人名義の預金通帳を全て持ってきてください。」・・・。

本人の経済状況に応じて、サービス利用の上限限度額が決められる。
その中には本人の貯蓄も関係するという事だ。
貯蓄合計がある金額を越えると、個人負担額の上限限度額が跳ね上がる。
「全ての通帳ですか?」と確認すると「嘘の申告」になるから大変・・・って。

介護保険にしても他の手続きにしても、本人名義の貯蓄額を提示するなんて聞いた事がない。
窓口の人は事務的に、通帳の最後の頁をコピーされる。
けどね、通常役所が健常者の預金通帳の残高の合計を調べるなんて事ありますか?
障害者にはプライバシーはないの?所詮、そのような認識しかされないの?
まして個人情報の漏洩が問題になって???と思うような所まで神経質な風潮なのに。

そりゃ、逃げ道はいくらもあるけれど、そういう発想をされる事が信じられない。
だって、親御さん達は自分がいなくなった後で、この子達が安心して暮らせるようにと、
それこそ、必死になって子供の名義で蓄えられるのではないのだろうか?
「自分がいる間は大丈夫・・・けど、いなくなったら・・・。」
障害者に限らず、介護に携わっている方が、事ある毎に落ち込むどうしようもない不安。
我が子の為に、せめてお金だけでも残してやりたいと思うのが当然の親心。

何らかの形で他者の力を借りないと生きていけない者は、そんな事まで自由じゃないの?
私の単なる感情論なのだろうか?
だからと言って、声高らかに意義を唱える程の気力も体力も今の私にはないけれど
・・・でも、何だか心が寒い 

それにしても、ぺこちゃんが家にやって来なければ。
甥っ子が障害を持って生まれてこなければ。
こんな事にも気付かずに、こんな風にも感じずに生きていたのだろうなぁ・・・。
私、これまで何やってたんだろう・・・。
世の中、知らない事だらけだ









コメント (3)
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