『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

休憩時間

2019年08月26日 11時31分00秒 | 日々の出来事
コインランドリーの待ち時間を持て余して
三軒先の喫茶店に初めて入ってみた。
一度部屋に戻ってもいいんだけれど
朝からかんかん照りで暑くて、動き回るのはちと辛い。

間口が狭くて薄暗く、何度も前を通っているのに、さっきまでここが喫茶店だなんて知らなかったくらい目立たないが
ゆらゆら揺れる「営業中」の小さな三連の釣り看板につい惹かれてしまった。

私より少し歳上の御夫婦が営まれているようだ。
ここいらの建物に多いのかもしれないけれど
狭いのは間口だけで、中は広々と明るい。
出来た当初はとてもお洒落な佇まいだったのだろうなぁ
斬新なデザインの背もたれの高い椅子
波型の天井には埋め込み式の長い蛍光灯。
大理石柄のテーブルにガラスの板。
メニューと並んで「たばこは三本まで」と言う手書きのメッセージが微笑ましい。

全てお店と共に歳を重ねた感が色濃いのは否めないが
広いお店の中で、たった一人でコーヒーをいただき
思いの外ゆったりとのんびり時間を過ごしてしまった。



……くふふ……
気儘な一人暮らしみたいに読めますなぁ😊
そうではないがそうと見えるのは、なかなか好みです😁
ただ !私はじっと座っているのはマックス30分が限度なんだなと自覚した次第です。
い〜い時間の流れ方だったんだけどなぁ……
コメント (2)
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移り変わる車椅子

2019年08月25日 20時15分00秒 | かぁちゃんにまつわる話
かぁちゃんは座位が保てない。
リハの先生が一生懸命にしゃんっとする様にストレッチをしてくださった
その後だけ、1分ちょっとくらいは見事に座っているけれど、
まるでそれを楽しむかの様に、ゆっくりゆっくり左へ倒れて行く。

……ありゃ、絶対笑ってるよな……💦 



家に居る時は三つのクッションで体を固定しているけれど
困った事に外出時、主にデイで過ごす時に使っている車椅子では
両腕を乗せる大きなクッションとお尻のひび割れを防ぐ座布団クッションで支えられていた体が
どんどん左へ傾く様になり、車椅子の背もたれの金属部に左肩が当たって
青アザから傷になってしまう事が増えた。
細長いクッションを金属部に縦向きに括り付けていたのだが、
体重がかかって時間と共にずれてしまうのが原因だった。
加えて、時々顎が上がってしまって食事時には大変危険だと言う事で……



上向きにならない様に、頭を乗っけるのんをレンタルして、
I字型のクッションをT字型にしてみた。
これが、第一形態である。

これで私は勝手に満足していたら、リハの先生が、
「ぽれさん!座っている時に体が傾かない様に、なるべく固定出来る様にできひんかなぁ?」
と、のたもうたので、どないな物が必要なのか
デイに出向いて、リハ用のクッションを詰めたり、形をかえてみたり
どんな物が一番良いのか意見を聞いて来た。

かぁちゃんの車椅子は、着実に第二形態へと変身を遂げ様としていたのだった!

両脇のクッション。右が薄くて左が厚い。
腰が浮かない様にとお尻の所にソーセージ型。
T字クッションがずれてしまわない様にちと考えて
右側は三角形を心がけてみた。
要は体と車椅子の間の空間を詰め物で補う感じ💦

第二形態完成😛





クッションはいつでも変えられる様に
クッションを入れる袋付きの椅子カバーであります!!

今のところ、ぐでんぐでんに傾く事なく、なんとかお行儀よく出来ております。

はてさて、第三形態への変身はいつ頃になるのだろう😅

あ!ちなみに、カバーの柄は、薄紫色のキルティングでペガサスのプリント入り。
やっぱり、可愛くなけりゃ、こんな事はやっとれんと、私は思います😊




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かぁちゃんの凄さ(私、分かってるよ〜編)

2019年08月06日 13時10分00秒 | 日々の出来事
かぁちゃんが言葉を失ってから10年以上が過ぎた。
あざみの歌も、もう歌えない。
かぁちゃんが歌わなくなってから、私も歌う回数が随分減ってしまった。

一年ほど前だろうか、かぁちゃんが珍しく大きな声でくしゃみをした。
くしゃみだけじゃなく、くしゃみの前に「ふぇ〜〜〜っ!!」っとびっくりするくらい大きな声で叫んだ時だった。
いつもは、起きているんだか眠っているんだか分からないくらいの、ほっそ〜い目をしているのに
自分の声にびっくりしたのか、ばちーっとまん丸な目になっていたのだ。

その様子があんまり可笑しくて、つい爆笑してしまったのだが
……あれ?……
もしかしたら、かぁちゃん!大きな声ならちゃんと聞こえてる?
と言うか、耳が遠くなってる??

ひゃぁ😅
何でそんな事に気付かなかったのか?
わくわくしながら、耳元でハッキリと、少し大きな声で話しかけてみる。
「もしもし〜〜。きっこえてますかぁ?」
したら、かぁちゃん、じーっとこっちを見たではないかいな!😳

続けて、試しに耳元で歌ってみる。
勿論、あざみの歌だ!!
したら、かぁちゃん、二番に差し掛かる頃に
「はぁぁ……あぁぁぁぁ……」🎶
と、小さな小さな声で、でもはっきり自分の意思で声を出した!
いや、歌った!!

小さな小さな声だけど、小さな小さな出来事だけど、
出来なかった事が本当は出来ていたのに気付いた嬉しさったらない。
それから、なるべく耳元でゆっくり話す事を心がけている。

もう、何週間経ったのか……
京都のあの悲惨な事件のニュースを見ながら
かぁちゃんの口にご飯を運びながら、悲しくて、悔しくて、やり切れなくて、ベソベソ泣いていたら
かぁちゃん、私の顔をじーっと見つめてた。


かぁちゃん……いつの世も、想像もしない悲しい事が
何の前触れもなく起こるものなんだねぇ。
かぁちゃんの顔を見ながら、小さな声で一言「難儀なこっちゃなぁ……。」と呟いたら
かぁちゃんは、首をかくんと下げて、下を向いて、
まばたきを一つ、二つ、三つ……

なんだか全部分かっていてお話ししているみたいだね☺️




随分と暑い夏になっております。
皆さまどうぞ、御自愛くださいませ。


コメント (4)
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