『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

ちょっとした変化・・・私の場合

2006年10月28日 02時34分11秒 | 日々の出来事
無造作に吊り下げられたインド綿のスカートやスカーフ。
素朴なビーズのアクセサリーや、懐かしい木彫りの動物達。
少し不気味な、けれどどこか愛嬌のある面が所狭しと壁にかけられ、
大きな籐の籠の中には、郷愁をそそる指ピアノや、バナナの皮で作ったバオバブの木。
つい最近、近所にオープンした大型スーパーの一角にあった不思議なお店。
重い腰をあげて、思い切って出かけて見つけた予想外の場所との出会い。

うぐいす姫を連れてこなくちゃ・・・きっと喜ぶぞ~っ
「お馬鹿・・・一緒に行ける訳ないでしょ。」と笑う声がしたようなしないような。
まぁ、考えて見れば、彼女は好きな所に好きな時に行ける訳で・・・。

私には少薄暗く感じた店の中。たちこめる香のかおりで、一瞬心がワープ。
こういう類の雑貨は、照りつける太陽の眩しい光の中にこそふさわしいと思うのに・・・。

織りの荒い、どこか大地の香りがするような素朴な綿のスカーフを、
さりげなく身に纏って高価に見せてしまえるような、そんな着こなしの出来る人だった。
3年程前に、一度一緒に京都に行きたいと言うので、丸太町あたりをゆっくりゆっくり散策。
あちこちに、こんな異国情緒溢れる店が立ち並んでいて、色んな物を手にしてはしゃいでたけど、
あのお店はまだあるのだろうか・・・。

お揃いで買った大判のハンカチは、お月見をするうさぎさん

「あなたの事はみ~んな分かってるからね。」なんて自分で酸素吸入器を外して、
細くなっちゃった両手で抱き寄せてくれた、うぐいす姫。
分かってくれなくてもいいからさぁ、近くにいて欲しかったんだけどな・・・。
だいたい、旅立つ前日に劇的な言葉を残していくなんてちょっとずるい。
けれど、映画のワンシーンのように、第三者の様にその風景を思い出す事も出来るようになった。
ん~、もしかしたら私達は女優だねぇ。
貴女は二枚目綺麗どころ、私は三枚目のお笑わせどころ


去年の自分を振り返って見る。
たった一枚の薄いベールもまだ、私には織れていない。
苛立ちや後悔ばかりが先に立つ毎日で、心が柔らかになれないから。
だからせめて、笑顔を織り込もう。
いつしか、ぽっかり開いた大きな穴が、ある事があたりまえになってしまう前に。

多分、こうして語りかける事で、時空は違っても同じ時間を生きている。
会いたくても会えない・・・それは、時には生きている者達も同じなんだよね。
思い出す、うぐいす姫の顔はずっと綺麗なままなのに、
鏡の中の自分は疲れきって何とも情けないのが悔しい。
でも、これもまた生きている者達と同じ。
記憶の中の大切な物や人や風景は、どれもみんな美しい形で存在し続ける。
余計な事は忘れ去って、一番輝いている時を記憶し続けている。
・・・「今」のこの時も、いつかそうなる・・・のかもしれない。

・・・「今」のこの時も、きっとそう出来る可能性があるんだよね。

それにしても・・・この一年、ちゃ~んと貴女なしでやって来れたのは偉いでしょ?
今日当たり、御褒美に夢に出て来てくれやしないかねぇ
うん、かぁちゃんの足元でも構わないよ・・・かなりビビるかもしんないけど



コメント (2)
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