『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

ぺこちゃんとの生活覚え書き(その1)

2019年11月17日 07時42分00秒 | ぺこちゃんにまつわる話
ぺこちゃんが大きな紙袋と、小さな小さなボストンバッグを抱えて我が家にやって来たのは2002年の5月。
ぺこちゃんが45歳になってすぐの事だった。

真新しい受給者証を差し出しながら
「この子はよー喋りますしねぇ、障害ってどこがや?って思うんやけどねぇ。」
と、にこやかに話していた工場長の顔はもう覚えていない。
「知恵はよーついてますわ。かなり気は強いですよ。」と大笑い
「名前を書くのは最近教えたんですわ。書類にサインを書いて貰わなあかんしね。」

ぺこちゃんの障害について、説明を受けたのは、これだけだった。
ほんとにこれだけだった。
お義母さまも、背の君も、義姉さんも、一緒に暮らしていないのだから
みーんな知らなかった

それまでに2、3度会ったことはあったけれど
挨拶以外の言葉は交わした事はなかったのに、
ぺこちゃんは電車に座るなり、私の肩に頭をもたれかけてきたっけ😅
もう重くて重くて肩が痛くて……けれど、邪険に払い退ける事も出来ず
乗り換えの駅までずっとそのまま我慢したなぁ……
なんて、つまらない事を思い返してみる。
それは彼女の不安の表現だったのと共に
幼い子供が母親にべったり甘えるのと同じ様に
甘えられる人が欲しかったんだなって後から思ったけれど 
私は、それはしてあげられなかったな………。

ぺこちゃんの大きな紙袋の中にぎっしり入っていたのは大小の縫いぐるみ達。
小さな鞄には1日分の着替えだけが入っていただけだった。

今思うと、彼女の職場には生活する場所と食事は準備されていたけれど
今で言う生活介護、生活そのものをサポートしてくれるシステムはなかったのだと思う。
当時の住まいは足跡が付くくらい埃が積もっていたっけ。
ただし、元々二人部屋だったのを一人で使っていたので、我が家の倍近い広さはあった。

けれど、布団は見た事がないくらい真っ黒で、
5月なのにボロボロの炬燵布団をかけたコタツが部屋の真ん中にあった。
あの部屋を見た途端、一緒に生活する自信が持てなくて
血の気が引いたのを覚えている。

兄ちゃんとこに持っていく荷物も自分で決めたんだろうな。
あれもない!これもない!と半ベソをかくので着るものや身の回りの物を買い揃え、ようやく人心地着いた頃
そう、一月近く経ってから、ようやくぺこちゃんの引越し荷物が届いた。
部屋に入らないくらいの段ボール箱の山。
それも、まともに荷造り出来ている物は皆無

「服ないねん!」と泣いていたのは、目の前にないって事だったんだね
と、その時初めて気付いたんだっけ。

と、随分以前に書いた事と重複すること思うけれど
あの頃と比べると、今は随分身の回りの整理整頓が出来る様になったんだなぁ……と、感慨も一入。

ほんとに色々ありました。
もー、ほんとに色々ありましたとも!!
そんなこんなを、最近どどどっと思い出すので書いてしまおうっ
それもこれも、今、お互いに笑顔で時々会うだけって状況が出来たからこそ。

へへへ……シーズン3の名残の投稿でシーズン4にちゃんとおさらばいまします




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短かっ!!

2019年11月15日 17時30分00秒 | 日々の出来事
1週間前に会ったぺこちゃんは、とっても元気だった。
少々開放的になり過ぎる傾向にあるみたいで
前週のヘルパーさんとのお出かけでは、普段使うお金の3倍くらいを使っていて
少々心配にはなったけれど、彼女の見事な嘘を今回もまんまと信じてしまい
やはり、別々の生活になった事は私の精神状態を平穏に保つには不可欠だったのだと
改めて感謝した。

ホームさんへ送って行って、自分の部屋に戻るなり、
ぺこちゃんが40歳以上歳下のお友達とゲラゲラ笑って話していたので
本当の意味で、私はようやく肩の荷を下ろせた気分になれた

毎日の生活では、ようやく鈴の音の空耳に悩まされる事も無くなったのだか
前週ぺこちゃんと歩いていると、鈴が数倍に増えていて絶句してしまった。
あのさぁ……この辺りは熊はでないからさぁ……

とは言え、気持ちを切り替えて、ぺこちゃんの部屋を
ずっと憧れ続けていた自分の作業場作りへと大々的に改造を始めるぞ!!
と、あちこち片付けまわり捨てまくり、
細かい所を整理しようとしていた矢先……

心底びっくりする事が次々に起きて、心安らかにステージ4を歩む事なく
そんなものは一気にすっ飛ばして、ステージ5に突入してしまった………

私に許された時間。
しかも意気揚々と宣言したステージ4は2週間だけだった様だ。
……短かっ……

とは言え、〝4〟を完成しないうちに〝5〟に移行することなど断じて出来ない!!
故に、しばらくは〝4〟を引き摺りつつ新しいステージへ向かう所存。

あ〜〜〜……ちょっとだけでいいからゆっくりしたいなぁ……



けど、急がないと今年が終わってしまう。
もう、そんな季節になりつつありますね。

急な冷え込みに体が付いて行かないですが、どうぞご自愛くださいませ。




コメント (2)
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