遠足や運動会など行事が近くなると決まってベランダにてるてる坊主が並ぶ。
ぽんの仕業である。
最初は誰に教わったのか、ティッシュを丸めて顔を描いた小さなてるてる坊主だった。
「てるてる坊主さん、明日天気にしてください。」と言いながらぽんはベランダに吊るした。
でも、ティッシュペーパーの“てるてる坊主”は小さすぎて力が足りない事も多かった。
次からは、キャラクターの描いてあるハンカチがてるてる坊主に変身した。
顔が描いてある所がちゃんと頭になっている。・・・なので少し不恰好なのもある。
そうして、にゃんこやわんこなどの顔をしたてるてる坊主がベランダに並ぶ。
洗濯物を干す場所が占領され始める。
でも、ハンカチの“てるてる坊主”は形が不揃いなので力が出し切れない事も多かった。
何故か毎年この時期に行われる運動会。
梅雨時なのだ。雨が降る確立は高い。
練習だ、予行演習だ、本番だとその都度天気が気になって、ぽんは雨が嫌いになる。
「雨降ったらどうすんの?」と嘆いてついにはパニパニし始める。
おばちゃんはこんな時期に運動会を予定するのが悪いのだ!と言いたいのをぐっと我慢の日が続く。
そうして今日は運動会・・・。
昨日、家に帰りつくなり「明日は雨止むかな?」とぽんはそれが気になって何も手につかない。
そうして新聞紙を丸めて夢中でてるてる坊主を作り始めた。
・・・ゴミ袋が体になる巨大なてるてる坊主だ・・・
おばちゃん思わず「でかすぎやろぉぉぉ!」と叫んだら
「雨降ったらどうすんのぉ?」と足と手を何度も床に強かに打ちつけて抗議した。
ぽん・・・そんなんしたら痛いやろに・・・
高校最後の運動会である。そりゃぁ、晴れて欲しかろう。晴れさせてやりたい。
余計な事を言ってしまったおばちゃんは心痛めて「ほな、作りぃや。」と優しく言った。
でも、ゴミ袋のてるてる坊主は大きすぎて・・・大きすぎて・・・
雨、やんでしもうたがなぁっ!!
かくして、ぽんは幸せそうに運動会へ出かけ、帰るなり笑顔で言った。

「てるてるぼうずが晴れさせてくれるから大丈夫や!」

・・・たくさんの予定を書き込んだカレンダーを見つめながら。
・
・・・・・・・・
ぽんの仕業である。
最初は誰に教わったのか、ティッシュを丸めて顔を描いた小さなてるてる坊主だった。
「てるてる坊主さん、明日天気にしてください。」と言いながらぽんはベランダに吊るした。
でも、ティッシュペーパーの“てるてる坊主”は小さすぎて力が足りない事も多かった。
次からは、キャラクターの描いてあるハンカチがてるてる坊主に変身した。
顔が描いてある所がちゃんと頭になっている。・・・なので少し不恰好なのもある。
そうして、にゃんこやわんこなどの顔をしたてるてる坊主がベランダに並ぶ。
洗濯物を干す場所が占領され始める。
でも、ハンカチの“てるてる坊主”は形が不揃いなので力が出し切れない事も多かった。
何故か毎年この時期に行われる運動会。
梅雨時なのだ。雨が降る確立は高い。
練習だ、予行演習だ、本番だとその都度天気が気になって、ぽんは雨が嫌いになる。
「雨降ったらどうすんの?」と嘆いてついにはパニパニし始める。
おばちゃんはこんな時期に運動会を予定するのが悪いのだ!と言いたいのをぐっと我慢の日が続く。
そうして今日は運動会・・・。
昨日、家に帰りつくなり「明日は雨止むかな?」とぽんはそれが気になって何も手につかない。
そうして新聞紙を丸めて夢中でてるてる坊主を作り始めた。
・・・ゴミ袋が体になる巨大なてるてる坊主だ・・・

おばちゃん思わず「でかすぎやろぉぉぉ!」と叫んだら
「雨降ったらどうすんのぉ?」と足と手を何度も床に強かに打ちつけて抗議した。
ぽん・・・そんなんしたら痛いやろに・・・

高校最後の運動会である。そりゃぁ、晴れて欲しかろう。晴れさせてやりたい。
余計な事を言ってしまったおばちゃんは心痛めて「ほな、作りぃや。」と優しく言った。
でも、ゴミ袋のてるてる坊主は大きすぎて・・・大きすぎて・・・
雨、やんでしもうたがなぁっ!!

かくして、ぽんは幸せそうに運動会へ出かけ、帰るなり笑顔で言った。




・・・たくさんの予定を書き込んだカレンダーを見つめながら。
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