ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ルソー / ゴーギャン ‐ オルセー美術館(12)

2012年07月07日 |  ∟フランスの美術館

 秋たけなわ、というよりも冬への先駆けというべきか。
 猫の目のように目まぐるしく天気が変わるノルマンディ地方、少しタイトだった<モン・サン・ミッシェル>の巡礼を終え、オルセー美術館の旅を再開する。

 第42室には印象派時代に活躍、素朴派を代表するフランスの画家アンリ・ルソー(1844-1910)の「蛇使いの女」と「戦争」が架かっている。
 彼の代表作、満月の輝く光によって神秘的に照らされる「蛇使いの女」は<オランジュリー美術館>の稿でも書いた。

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 「蛇使いの女」(左)は、逆光によってそのふくよかな体が影絵で描写されている
 ♪ その瞳(中:部分)だけは、作品を観る者を見据えるかのように際立って妖しく輝きを帯びている

 ♪ 「戦争」(右)
 ♪ 炎と剣を手に死体の上を駆け巡る戦争の擬人像として、黒と対照的に白い衣服に身を包む

 第44室はルソーの「戦争」に描かれた馬のような動物や、肉を啄ばむ鳥などに用いられている黒に、強い衝撃を受けたとされる後期印象派・象徴主義、フランスの画家ポール・ゴーギャン(1848-1903)。

 彼は、<ゴッホ>の誘いを受け南仏・アルルを訪れるが、二人の共同生活はゴッホの耳切り事件などもあって、わずか二カ月で破綻したことでも知られている。

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 ♪ アルル時代のゴッホ、「アリスカンの墓地への路」(左/クレラー・ミューラー美術館蔵)を描いている
 ♪
ゴーギャンもそのアルル滞在中に「アリスカンの郊外」(右)を描いている

 ゴーギャンが娘の死をきっかけに自殺未遂を図った翌年に制作された「白い馬」は、アテネ・パルテノン神殿の浮き彫りに着想を得て描かれた作品とされている。

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 ♪ 水辺で脚を休めて水を飲む白馬を穏健な構図で描いた「白い馬」(左/右)

 彼がこの作品に用いた緑と浅葱と薄黄色は、非常に幻想性に溢れるもので、この為に依頼主から受け取りを拒否されるという曰くつきの作品とされている。
 黄色といえば、「黄色いキリストのある自画像」も架かる。

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 ♪ 「黄色いキリストのある自画像」(左)
 ♪ 背景に自身の作「黄色いキリスト」(右/オルブライト=ノックス・アート・ギャラリー蔵)を描いている

 また、後年、タヒチ滞在期に描いた「アレアレア」と「タヒチの女たち」も架かっていた。

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 ♪ タヒチの女性を南国ポリネシアの情景と描いた「アレアレア」(左)「タヒチの女たち」(右

 観る者の目を強く惹きつける、原色とも思える鮮やかな色彩の表現には、画家の優れた色彩的個性が顕著に表れているとされている。
 Peter & Catherine’s Travel Tour No.486

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