19世紀フランスの画家ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875/写実主義・バルビゾン派)。
銀灰色を帯びた鈍色に輝く抑制的な色彩と色調を用いて、独自の風景様式を確立したとされ、次代の印象派の画家に大きな影響を与えたという。
その彼の代表作とされる 「真珠の女」が今回の作品。
フランス語でデジャビュ(déjàvu)、“ 既視感、一度も経験したことがないのに、既にどこかで経験したことがあるように感じること ” (大辞泉)とある。
大層にこんなことを持ち出したのは他でもない、小学生の教科書、それともノートの表紙絵だったか? 本作、何処かで見たような気が?
もうお気付きだろう、そう、座ってやゝ斜めに構えるポーズ、腕を組み膝に置かれた手など、本作から、あの盛期ルネッサンスの巨匠ダ・ヴィンチ(1452-1519)の傑作 「モナ・リザ」(ルーヴル美術館蔵)が思い浮かぶ。
風景画家コローが死ぬまで手放さず自宅の部屋を飾っていた、という逸話もダ・ヴィンチと似てい、“ モナ・リザを画家独自の世界に移し換えた ” と公式HPも書く。
また、フェルメール(1632-1675/オランダ絵画黄金期)の 「<青いターバンの少女>」(マウリッツハイス美術館蔵)との関連性も指摘される。
それは、謎に包まれたモデル、瞳の奥に秘められた強い意思、異国の民族衣裳などに見て取れるのだそうだが、最も関連深いのは真珠。
フェルメールがはっきりとそれを描いているのに対し、女性の額に掛かる透明なヴェールの飾りを真珠と見立てたらしき本作、「真珠の女」と呼ばれるようになったのも頷けるのである。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1065
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