18世紀フランス新古典主義を代表する画家のひとりフランソワ・ジェラール(770-1837)。
同じ表現スタイルの<ダヴィッド>(1748-1825)の弟子であった彼の 「プシュケとアモル」が今回の絵。
ギリシャ神話の一編、三人姉妹の末娘プシュケの余りの美しさに嫉妬の焔(ほむら)に燃えるアフロディテ。
ローマ神話ではヴィーナスの<アフロディテ>、息子のエロス、すなわちアモル、ローマ神話でキューピッドをプシュケの許に送り、彼女が醜い豚飼いを恋するように言いつける。
しかし、アモルは誤って自分の胸を恋の矢で傷つけてしまいプシュケに恋してしまう。
主題は、その王女プシュケが、彼女には神であるがゆえに姿が見えないアモルから額に初めての接吻を受けて、驚き、動揺している場面。
ルーヴルのHPを借りるとジェラール、本作で、“ 人間の魂と神の愛の結びつきという、ネオ・プラトニズムのテーマを象徴 ”、それゆえに、“ ギリシャ語で、同じくプシュケと読んで魂を象徴する 『蝶』 を頭上に描いた ” のだとか。
こうして、少女に芽生えた初めての恋心、額に感じる密やかな息吹、そんな恥じらいを、焦点定まらぬ視線や露な胸の上で組まれた腕などで表現しているらしいのだが、はてさて?
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1056
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