ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント(2) 「ユダヤの花嫁」

2018年02月07日 |  ∟ベネルクスの美術館

 ※ オランダ ‐ アムステルダム/ライクスミュージアム編(6)‐ ベネルクス美術館絵画名作選(14)

 巨匠レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)、浪費と放蕩によってすべてを失っていく中でも制作意欲を持ち続け、愛情と優しさに溢れた秀作を遺している。

 その作品のひとつが「ユダヤの花嫁」(1665年頃/121.5×166.5cm)である。

 長年この名によって賞賛されてきた本作、1658年に結婚した<愛息ティトゥス>とマクダレーナ・ファン・ローを祝って描いたものとされてきた。

 が、今日では、旧約聖書・創世記を典拠とするイスラエルの始祖アブラハムの息子イサクと、下僕エリエゼルによって連れてこられた妻リベカが愛し合い抱擁する場面を描いたものとされているとか。
 ちなみに、イサクとカナンの女リベラは、エサウとヤコブの双子の兄弟をもうけている。

 余談だが、同時代の画家カラヴァッジョ(1573-1610)、アブラハムが、愛する一人息子のイサクを生贄として捧げよと神から直々に試される場面を描いた「<イサクの犠牲>」(1603年頃/ウフィツィ美術館蔵)を描いている。

 話がそれた、女性を労わるような抱擁に、女性は左手を男性の右手に重ね右手は腹部を抑えている。
 それは、ふたりの間に生まれてくる双子を暗示している、ともされている。

 ただ、この殆ど形容し難いほどの光と色彩の微妙鮮烈な組み合わせ、ふたりの若い男女の心の通じ合った表情から、神秘に満ちた「ユダヤの花嫁」という主題に郷愁を抱く者も多いようだ。

 レンブラントを崇拝していたゴッホ(1853-1890)が、“ この絵を1週間見続けることができるなら、10年寿命が縮んでも惜しくない ” と言ったという逸話も残されている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1502


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