※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (12) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (64)
昨日(5/14)は母の日、Mother‘s Day、日こそ違え世界中で母への感謝を捧げる日がある。
小編も、この日のことは何度か投稿、最近では13年の初夏、盛期ルネサンスの巨匠ダ・ヴィンチ(1452-1519 )の 「<カーネーションの聖母子>」(アルテ・ピナコテーク蔵)を借りて綴っている。
慈愛に満ちた聖母は手に赤いカーネーションを握っているが、磔刑されたイエスにマリアが流した涙がこの花になったという伝説があったとか。
その花をモチーフにドイツ・ルネサンスの画家ハンス・ホルバイン(子)(1497-1543)が、少し変わった組み合わせの肖像画 「商人ゲオルク・キーゼ」(1532年)を描いている。
ホルバインは二度にわたって渡英、ロンドンに駐・滞在するドイツ商人などの肖像画を描くほか、<ヘンリー8世>の宮廷画家としても活躍したとされている。
ロンドン商館に駐留していたゲオルクが、滞英中の彼に委嘱したとされる本作、傑作 「<大使たち>」と同様にゲオルクの周りには、職業の貿易を示すアトリビュートなど様々な物が描かれている。
その中でひと際目につくのが、テーブルのカーネーション、が、なぜ、ホルバインはこの花を肖像画に添えたのだろうか?
ヨーロッパでは花嫁の幸せを願うおまじない、サムシングフォーなるものがあるのだとか。
そのひとつ、サムシングブルーの青いガータベルトじゃないが、当時、新婦はカーネーションを身につけると幸せになるとされ、花婿はそれを探し出さなくてはいけないという風習があったのだそうだ。
そのカーネーション、三年後にポーランドのダンツィヒで、クリスティン・クリューゲルと結婚したゲオルクの結納を象徴したとされている。
とまれ、妻であり母であり、時に厳しい師でもあった在りし日のカタリナ に改めて想いを馳せた日だった。
peter & Catherine’s Travel. Tour No.1311
これからもアクセス頂ければ嬉しく思います
いつも素晴らしい解説と名画に酔いしれるひと時を味わっております。
西洋絵画は聖書と共にあって、絵には謎解きの妙があるのですね。
カーネーションにそんな意味があったとは知りませんでした。
日々カタリナさんと心の中で会話されているご様子、常に共にいらっしゃるのですね。
「そうよ、当たり前でしょ」
声が聞こえてきたような・・・。
コメントを差し上げたいなあと思うこともしばしばですが、羹に懲りて膾を吹くでつい躊躇ってしまいます
彼女とは五回目のGWを迎えましたが、未だに想い出に耽っているのが、青っぽくて恥ずかしくなります・・・