学術と文化の香り高い町パドヴァ。
黄昏迫るサンタントーニオ・ダ・パードヴァ聖堂へと向かった。
さまざまな奇跡を起こし、13世紀にパドヴァで没した聖アントニウスを祭祀するこの聖堂、イタリアでも重要な巡礼教会のひとつとされているらしい。
余談だが、この町の守護聖人聖アントニウス。
3世紀にエジプトで生まれ、“アントニウスの誘惑” で知られている聖大アントニウスと混同していた。
その辺のことは、09年の<秋色のアルザス>書いた。
主祭壇は、ドナテッロ(1386-1466/ イタリア/ルネッサンス)のブロンズ、<ティントレット>(1518-1595/イタリア/盛期ルネサンス)らの作品で飾られている。
♪ ドナテッロの「キリスト磔刑像」や「聖母子像」、素晴らしいものでした
♪ 聖母子の椅子、古代神話で知識を象徴する二頭のスフィンクスを配しています
ここには、聖アントニウスの聖遺物が安置してあり、また色彩の魔術師<ティツィアーノ>(1488-1576/イタリア/盛期ルネサンス)、信心会の若き日の作品もある。
♪ この聖堂、八つのドームと鐘楼からなっています
♪ ロマネスク、ゴチック、ヴィザンチン、イスラムなどの様式が重なる特異な外観に驚かされます
サンタントーニオ聖堂の礼拝堂でミサに与る。
ちなみに、今回の巡礼の同行司祭 Y 神父様の霊名がアントニウス、心なしか司式にも力が入っていたように見受けたのは穿ちすぎ?
♪ 折から教会の鐘楼、五時を告げる鐘が鳴り響いていました
♪ シャトルバスで新市街で待つ巡礼団のバスに向かいました
サンタントーニオ聖堂の横手、サント広場から望む教会の横顔が、東方の影響が色濃いヴェネツィア、サンマルコ寺院と雰囲気が似ていて、パドヴァとヴェネツィアの距離が近いことを窺がわせる。
バスの車窓から眺める教会のファサードや葱坊主の形をした白亜のドームが夕陽を受けて佇む姿は、ここがイタリアであることをしばし忘れさせる景色でもあった。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.681
※ 大聖年イタリア巡礼、前号「スクロヴェーニ礼拝堂」へは、<コチラ>から入れます。