ある日の午後のカタリナ、朝日新聞の全面広告を眺めて考え込んでいる風に、どうしたの? と尋ねたら、「花はもう十分に描いたからいい」と言う。
訝しむペトロに、「描くとしたら宇宙ね」と、突拍子もないことを言い出した。
そう言えば、件の新聞広告、夏休みの特集だったのだろうか、満天星が煌めく写真で構成されていたような。
そして、某日病院に行くと、額装された「宇宙」があった。
「ふ~ン、中々面白いやないか」と褒めると、満更でもなさそうに、「でしょう!皆さんに好評なのよ」と、自分でも気に入っている様子。
音痴からの脱出は駄目だった彼女だが、絵は面白くなっているような気がしないでも?
ところで、面白いと言えば御頭(おつむ)。
右脳は、“直感脳と言われ、音楽感覚や全体を見る空間構成、イメージ力、直感力、独創力などを生み出す部分で、人間の生活に文化や芸術という潤いを与えた” とされている。
その右脳、お絵かきとお歌は同類項と思ったが然(さ)に非ず、中々以ってなのである。
ちなみに、件の「宇宙」、実物の背景は深い紫紺なのだが、カメラでは淡い空色に。
プレビュー画面を見て首を傾げていると、地に三色ほどの単色を重ねていると言われ、なるほど押すだけカメラでは中々以って、と納得させられた。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.692