稽古場の畳には、稽古の便宜で名称をつけています。
四畳半の畳の敷き方が基本ですが、稽古場の広さは区々ですし、大きさも京間を筆頭に江戸間や団地サイズなど、今日この頃に合った変化が見られます。
今回は、畳の名称を理解しやすいように切り紙を作って勉強しましょう。
八畳の部屋、つまり、畳八枚が収まる8cm正方の枠を紙に書いて下さい。
もう一枚、四畳半の部屋に見立てた6cm正方の枠を書いて下さい。
この枠内に名称を記入した畳を嵌め込んでいきますが、一畳に見立てる長方形(4cm×2cm)の切り紙十二枚、半畳に見立てる正方形(2cm×2cm)の切り紙一枚を作ります。
正方形の枠紙に、まず襖の位置を記入します。
向かって右角に2cmの襖の線を鍵型に書きます。
襖を開けてそのまま入る「突っ込み茶道口」と、入るとすぐに回る「回り茶道口」の入り方がありますが、部屋への出入り位置で襖の位置は決まりますよ。
もう一つ、床の間の位置も決めます。
床の間に座す貴人は、昔から “北を背にし南面す” と言われていますが、紙の左端一畳分くらいが床の間として外に出ています。
床の間の大きさも大小ありますが、四畳半の部屋の大きさで一畳分としますね。
この枠中に部屋を作りますが、長方形の切り紙三枚(三畳相当分、以下同じです。)に「通い畳」と書いて下さい。
残り九枚のうち四枚には「客畳」と書きます。
残るのは五枚ですが、うち二枚に「貴人畳」と書き、二枚に「点前畳」と書きます。
最後の一枚には、「踏込み畳」と書きます。
正方形の切り紙(2cm×2cm)一枚が残っていますが、この切り紙も「踏込み畳」と書いて下さいね。
これで、切り紙全部に名称を書きました。
この切り紙を、四畳半の部屋に見立てた6cm正方の枠に嵌め込んでいきますね。
まず、襖の位置の前に半畳(2cm×2cm)の「踏込み畳」を嵌め込みます。
「踏込み畳」みに接して左側壁に沿って「点前畳」を嵌め込むと、床に向かって左手の側面の嵌め込みは完了します。
次は「貴人畳」ですが、茶道では茶を点てる役を亭主役と言い、点前座に座した亭主役の右側に客役が座るのが約束です。
その、昔の貴人の立場の人のみが座るとされる「貴人畳」は、床の間の前に並行に嵌め込みます。
貴人畳の前に、二枚の畳を縦長に並べて敷きますが、内側(点前座側)に「通い畳」、向かって右手、外側に客の座る「客畳」を嵌め込みます。
これで四畳半の部屋、茶室が完成しましたよ。(続く)
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.693 - 13