ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

蜜蜂と遠雷/恩田陸

2017-11-18 | 読書
私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!
(「BOOK」データベースより)

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・・・キタ。
恩田さん。
直木賞と本屋大賞のダブル受賞は史上初でしょ?
参りました。
今まで不仲説を唱えてたけど、そろそろ和解しましょうか。
やはりあなたスゴイ人です。
握手!ガシッ!!

少なからずとも音楽をかじってる私にとっては、グッとくる
素晴らしい作品でした。
舞台はクラシックのピアノコンクールだけど、音楽に向き合う
気持ちとか姿勢とか、音楽とは、みたいなことにいちいち
深く納得してしまって。

「音楽という、その場限りで儚い一過性のものを通して
 我々は永遠に触れていると思わずにはいられない」

本当に。
どういうジャンルのものにしろ、音楽というものの素晴らしさを
再認識してしまう表現が随所に散りばめられていて幸せな気分に
なりました。

養蜂家の父とともに放浪生活をする天才少年・風間塵15歳。
かつて天才少女と持てはやされていたが母の突然の死去以来、
長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。
音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマン高島明石28歳。
名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。

登場人物の関係性と人間像もストーリーを彩るし、
次々と入れ替わる彼らの目線からのコンクールや音楽に対する
思いも興味深い。

うん。
何度も言うけど、やはり恩田さんはミステリーより青春小説に
向いていると思う!