goo blog サービス終了のお知らせ 

その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

『大迷走』

2013年11月24日 | 本・雑誌
 逢坂剛著御茶ノ水警察署シリーズ第5弾、しかもシリーズ初長編“大迷走”を読みました。私御茶ノ水は、学生時代ばかりか社会人になってからも会社がそこでしたので、思い入れを込めて読めました。淡路町、小川町、須田町を中心に、時には神保町、秋葉原や湯島まで足を伸ばしたりしたものです。淡路町にはご存知の通り老舗が多く、ランチには事欠きませんでした。かんだ藪蕎麦、神田まつや、アンコウのいせ源、鶏すきのぼたん、須田町には天丼のいもや、名前は忘れましたがうなぎ屋も旨いのがありましたね。喫茶のルノアールは小説には出てきませんでしたが、ゼミやサークルの打ち合わせではよく利用してました。

 話を小説に戻しますと、登場人物の名前がキモイですね。警視庁生活安全総務課管理官牛袋サト、謎のじいさん駿河博士、御茶ノ水署では上から読んでも下から読んでも「斉木斉(さいきひとし)」と合図のゴホンために付けられたような「五本松小百合」。斉木斉は斉藤斉でもよかったのでは。物語の半分以上がその斉木と梢田威のやりとり。梢田はタイミングと言うか間が悪く、言いたいことを言えないもどかしい感じがよく出てました。一方で斉木は抜け目ないですね。もらいタバコの他、お茶代や昼食代を部下に集(たか)るなどもってのほかです。そう思わせるほどキャラがしっかりと確立され、そのキャラがぶれないところにこの小説の核があるような気がしました。

 人物相関関係図では、牛袋サトが駿河博士にぞっこんで、駿河は学生ホストの内海紀一郎に色目使い。こちらの関係にもキモさがありました。また小説中疑問に思ったことは、五本松の覚せい剤隠し。フィクションとはいえ誤解を招きますよ。終始捜査令状を取らなかったことにも蟠(わだかま)りが残りました。ペット・クリニックやレンタルボックスはナイスアイディアですが、登場人物の中から犯人をあげるとしたらサプライズはないかも。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。