横須賀市久里浜が舞台で日野菫が立ち上げた「なぎさカフェ」がメインの話なので、タイトルも自ずと「なぎさ」になったんでしょう。主人公が菫の姉冬乃だったり、その夫佐々井になったり、佐々井の部下川崎のこともあり少々読みにくかったですが、その時々の心情や思惑が多方面から読み取れるという面白さはありました。心のデトックスと言いますか、悩みを打ち明けて相談できる相手というのは必要ですね。それが川崎にとっての佐々井だったり、冬乃にとっては所さんこと韮崎さんでした。川崎は付き合ってた小田百花と別れてしまいますが、その後もストーカーのようにしつこく付き纏います。どちらかというと男の方が未練がましいものです。よくDVが原因で別れてから元妻を刺すという事件がありますが、典型的なパターンのような気がします。
様々な人間関係の描写も見事でした。特にブラック企業とその取引先との関係で疲弊して精神的に異常をきたしてしまう件(くだり)をはじめ、川崎が昔勤めてた芸能事務所、なぎさカフェ、親や兄弟姉妹、夫婦関係に至るまで。また村上春樹なんかとは違ういやみのないセンスある例えも随所に出てきますので、その度にほくそ笑んでました。
なぎさカフェは、出資者の菫とその恋人らしきモリの勝手な都合により、3ヶ月で売却されてしまいますが、主婦冬乃にとってはその経験が自信になりました。物語の続きを予想すると、おそらくカフェを売った分け前と佐々井の退職金で、夫婦で小さな店を持つ夢は実現されることでしょう。川崎がプロダクションの面接を受けに行くシーンで終わってますが、よい方向で解釈すると合格して百花とよりを戻せたらこの上ない喜びでしょうね。
様々な人間関係の描写も見事でした。特にブラック企業とその取引先との関係で疲弊して精神的に異常をきたしてしまう件(くだり)をはじめ、川崎が昔勤めてた芸能事務所、なぎさカフェ、親や兄弟姉妹、夫婦関係に至るまで。また村上春樹なんかとは違ういやみのないセンスある例えも随所に出てきますので、その度にほくそ笑んでました。
なぎさカフェは、出資者の菫とその恋人らしきモリの勝手な都合により、3ヶ月で売却されてしまいますが、主婦冬乃にとってはその経験が自信になりました。物語の続きを予想すると、おそらくカフェを売った分け前と佐々井の退職金で、夫婦で小さな店を持つ夢は実現されることでしょう。川崎がプロダクションの面接を受けに行くシーンで終わってますが、よい方向で解釈すると合格して百花とよりを戻せたらこの上ない喜びでしょうね。