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その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

桜ほうさら(漢字編)

2014年03月10日 | 本・雑誌
怯懦(きょうだ)…臆病さ。腰抜け。

婢(はしため)…召し使いの女。下女。

託(かこ)つ…1.嘆く2.口実にする。かこつける。

悖(もと)る…道理にそむく。反する。

懊悩(おうのう)…煩悶(はんもん)。

内訌(ないこう)…うちわもめ。内紛。

白地(あからさま)

儂(わし)…私

脇息(きょうそく)…脇に置いてもたれかかるための安楽用具。

意気軒昂(いきけんこう)…意気揚々。

閂(かんぬき)…門や出入口などの扉を閉じて内側から固めるための横木。貫木とも書く。

呵々大笑(かかたいしょう)…カラカラと大声で笑うこと。

重畳(ちょうじょう)…1. 幾重にも重なること。2.大変喜ばしいこと。

諳(そら)で

繙(ひもと)く

嫣然(えんぜん)…艶っぽい。

婀娜(あだ)=嫣然

お浚(さら)い

朔日(ついたち)…月の初め。上旬。

弁(わきま)える

僥倖(ぎょうこう)…思いがけない幸せ。

弊履(へいり)…破れた履物。また、何の価値もないもののたとえ。

桜ほうさら

2014年03月07日 | 本・雑誌
 元旦に1時間半の正月時代劇としてNHKで放送されましたが、見逃してしまいました。タイトルの「桜ほうさら」は、最後の最後で出てくる言葉で、甲州で使われる「ささらほうさら」(色んなことがあって大変だ、大騒ぎだの意)に、桜を絡めた造語(和香作)です。PHPらしく春らしい綺麗な装丁に、挿絵も可愛らしいのが使われてて女子受けしそうですが、中身はガッツリ濃いです。605ページという長編ですが、序盤の100ページほどはそれほど面白味がありません。というのも、搗根藩の跡目争いは正室vs側室の他に、家老四家も巻き込んでさらに複雑化してます。この相関図的なのがまたややこしいのですよ。読み終えてみますと、1本調子よりはメリハリがあってよかったと思われます。三河屋の一人娘の拐(かどわ)かしや三八野藩の符丁の謎説き、鰻屋が居酒屋へ転身した下りは面白かったのですが、本ストーリーとは関係ないので割愛するとちょうど半分になりますね。

 その三河屋の拐かしなんですが、切り餅12個300両っていう記述が出てきます。これを切り餅の包みをお金に見せかけて騙したと解釈してしまう人もいそうですね。実は、1分銀100枚(25両)を四角形の紙包みにしたものを「切り餅」と称し、それが12個包みで合計300両ってわけなんです。
それから、板場の女人禁制についても触れてました。
・女は手が温かいので生ものに触ると味が落ちる
・気まぐれなので、天気や風向きで味付けが変わる
・何より穢れてる
私が言ったわけじゃないですよww

また、「湯漬け」という食事も出てきますが、文字通り御飯に湯をかけて食べることです。江戸時代には普通に食べられてましが、なんと私小学生時代に食べてたんですよ。うろ覚えですが、網杓子でご飯を湯切りしてた記憶がありますので、若干違うとは思いますけど。とはいえ、江戸時代は白飯が貴重で雑穀を食べてたんですが、今は逆でしょ。我が家は毎食雑穀(もどき)です。白飯は糖質が多いので、昔ほど動かなくなってる現代では理に適ってます。

 本ストーリーは、笙之介が切腹した父の汚名を雪(すす)ぐべく江戸へ出るんですが、和田屋の和香との恋愛話や助け合って生きる富勘長屋の連中がいいヤツばかりで、そのほのぼのとした温かみが切腹や切られたりの血生臭い話を中和してくれてます。

蛍草

2014年02月25日 | 本・雑誌
 久々に葉室麟を読みました。巻末の作者紹介欄では「作品に通底する、清廉にして純朴、まっすぐな武士の矜持の世界が絶大な支持を受ける」とまったくその通りなんですが、今回の主人公は何と十六歳の奈々。父の仇討を胸に、武士の出を半ば隠しつつ風早家に女中奉公へ。「月草の仮なる命にある人をいかに知りてか後に逢はむと言ふ」の万葉集の詠み人知らずの歌が、計三回出てきます。これが物語の核となっています。和歌では月草、俳諧では蛍草、その正体は露草というわけなんですが、奥方の佐知から聞いたその歌を奈々は完全に自分のものにして、恋焦れる市之進を待つ覚悟を決めたように思います。その佐知は、労咳により段々容体を悪化させていく中、奈々は献身的に支え、亡くなってからは風早家の二人の子どもを育てるため、大八車を押して生計をたてることに。苦境に立たされても懸命に生きる姿に心打たれました。

 登場人物が総出でバックアップするラストも圧巻でした。面々は、だんご兵衛こと壇浦五兵衛、質屋升屋の女主人「おほね」こと「お舟」、駱駝(らくだ)の親分こと湧田(権蔵)の親分、隣家の文人「死神」こと「椎上(しいがみ)節斎」、赤村の叔父秀平と息子の宗太郎、家僕の甚兵衛、正助ととよ。ヘンなあだ名を付けられてクスリと笑えるところも葉室調なんですよね。かと思えば、桂木仙之助が闇討ちをした弱みに付け込まれ轟平九郎に取り込まれていく伏線とか、赤村の父(安坂長七郎)の遺品に、日向屋が裏金を上納した証拠文書があるなんてストーリーも見事ですね。のどかな赤村と城下の対比とか、やんちゃな正助ととよが立派に育っていく過程もね。憎まれ役の叔父夫婦与六と滝もスパイスと考えれば、目を瞑ることもできましょう。駱駝の親分との騒動のところではお涙も頂戴しましたし、最後のハッピーエンドは清々しく読み終わることができて、葉室作品の最高傑作、いやレジェンドと言っていいのでは!? これを読まずして何を読む! 

【漢字】
束脩(そくしゅう)…入門するときに持参する謝礼。

挙措(きょそ)…立ち居振る舞い。

厭(いと)わしい…不愉快で、いやである。わずらわしい。

飄々(ひょうひょう)と…考えや行動が世間ばなれしていて、とらえどころがないさま。

闕所(けっしょ)…戦乱、謀反、犯罪などによって没収された所領・所職、もしくはその没収行為。

吝嗇(りんしょく)…けち。

朴念仁(ぼくねんじん)…無口で愛想の無い人。頑固でものわかりの悪い人。わからずや。

三島屋変調百物語第3弾

2014年02月14日 | 本・雑誌
 三島屋変調百物語シリーズ『おそろし』『あんじゅう』に次ぐ第3弾『泣き童子』。「語って語り捨て、聞いて聞き捨てる」が約定。聞き手はおちか一人。場所は袋物屋の三島屋黒白の間。語り手は、話したくとも話せない事を聞いてもらうことで心が晴れたり、自分自身が救われる一方で、その話が広まらないことも大事。一応時代ものなんですが、それほど時代背景がからんでくるわけではありません。タイトルにもなっている第3話『泣き童子』はホントに怖ろしい怪談でした。第1話『魂取の池』の、どうせ迷信だろうと、戒めを破ると災いが降りかかるのか試したくなる気持ちは、よ~く分かりますよ。第4話『小雪舞う日の怪談語り』は、珍しく三河屋へ出掛けていって話を聞きます。帰途両国橋で「おえい」出身村のおこぼさんと心を通わせるシーンは、女性ならではのきめ細やかな描写でほのぼのとさせられました。また、5番目の語り手半吉親分のべらんめえ調といい、『まぐる笛』の津軽弁といい、実に多彩でした。第6話『節気顔』には、此岸(しがん)が出てきます。欲や煩悩にまみれた我々が住んでいる世界のことで、彼岸に対比される言葉です。もうすぐお彼岸なので記憶に留めておきたいものです。

 「読んで読み捨て」ようじゃないかという軽い気持ちでしたが、どっぷり嵌ってしまいました。現代にも「傾聴」というスキルがありますが、おちかのようには口をはさみません。しかしながら、相槌だけでは物語が進行しませんのでね。共感というよりは、寄り添う気持ちが随所にみられ、それこそが傾聴ではないかと思います。

ヤマケイ1月号

2014年02月01日 | 本・雑誌
 買いそびれてたヤマケイ1月号が、ジュンク堂書店にありました。バックナンバーは昨年の8月号から1冊ずつおいてました。1月号は山の便利帳がつくので、1,200円と通常価格より高いわりには、売れ行きがいいみたいです。今回は、さらにデジタル版をプレゼントするというので、購入者が多かったのでしょう。特集の登山スキルアップ年間計画、登山技術セミナーの軽アイゼン、ヤマケイオンラインアンケートが記事としては役立ちました。今年は、北岳~農鳥岳縦走と剱岳を計画してますので、昨年同様早い時期からの低山でのトレーニングをする必要があることを痛感しています。軽アイゼンは、6本だけじゃなく8本、10本爪もあるんですね。リードクライミングのWCで小田桃花が優勝した記事もありました。正月のウルトラマンDASHで見てましたが、驚異的なホールディングでした。

 それから、何といっても立山・真砂岳雪崩遭難7人死亡は、痛ましい事故でした。昨年、奇しくも悪天候で大走沢をエスケープしてた時、冬季ここを滑るんだと聞いて何と危ない斜面だことと思った記憶があります。今回は西斜面でしたが、データ的にも南斜面に次いで雪崩の発生率が高いです。もっともそれだけじゃなく、地形的な要因も大きいのですが。おまけにBC(バックカントリー)というのは、圧雪してない斜面を滑りますのでね。乳頭山で男女4人が遭難したニュースもありました。幸い4人とも無事でしたが、GPSに頼りすぎるのはいかに危険かということです。猛吹雪の中地図を広げるわけにはいかないので、1人だけじゃなく複数人が持ってるべきです。予備の電池がなかったとのことですが、午前中に切れていたのなら、早い段階で田代平山荘で1泊することを考えるべきだったのでは。私のは充電式ですが、USBでバックアップできますので予備電池は多めに持っていきますよ。しかしながら、メモリのMSに全部入りきらないので、地図そのものを入力するのを忘れて使いものにならなかったことはあります。