上田早夕里「火星ダーク・バラード」(ハルキ文庫)を一気読み。
久々に土曜の午後を使って読みました500p。
直前に読んだ「ゼウスの檻」(角川春樹事務所)がこのお話の延長線上にある話なので、
火星の設定には何の違和感もなく、するするストーリーに吸い込まれて、
ぐいぐいページをめくりました。
おっさんと女の子のハード・ボイルドというので
梶尾真治の「サラマンダー殲滅」のような感じかな、と思って読んでいたのですが、
まあそんな感じで間違いなしでした。
ただ、主人公やヒロインの境遇、刑事モノということで
どうしても映画「ブレードランナー」…が最初から最後まで頭から離れず。
ある意味まんまなので、イメージは得易かったのではないでしょうか。
ただオチ(終着点)は何だか納得がいくようないかないような。
この辺は、単行本と読み比べる必要があります。
さて、お次は本棚の未読本から(何せ去年200冊以上買ってしまったので…)か
サイモン・シンの著作3冊のどれかにするか。
明日、本屋に行ってから決めます。
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追記(09/02/07)
図書館で単行本版をペラペラとめくって読みました。
こっちは主人公の年齢が30歳であること。
(文庫版を読み終えた後なので)
その設定自体が中途半端な感じがします。
文庫化による大幅な改稿によって、
年齢を引き上げた分、終着点がより明確になり、
読後感がシャープになったような気がします。
(2人の関係が現実的であるとかそういうことは全く抜きにして)
そのエンドが良いかどうかは読者まかせではあります…。