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双生児、読了

2007-06-09 | 読書【SF】
 
 クリストファー・プリースト「双生児」(早川書房)を読了。
はっきり言って、無茶苦茶、難解でした。
謎に関しては、解説の中でおおよその部分がフォローされていますので、何とかなりました。
それでも、難しい小説でした。
読んでいる間、頭に浮かんでいたのは、行っては戻る火星の軌道でした。
(でも、そのSF的な感覚も根本から間違っていたと後から分かったのですが)
話的に500p読めます、読ませてくれます。
がしかし、双生児というタイトルは、どうもしっくり合わない。

エリクソンの「黒い時計の旅」(白水Uブックス)を読んだ後なので、
こういうタイプの小説でも、少しは免疫があると思っていたのですが、
やはり難しい。

ただただ、小説の完成度が高いのは分かりますが、
「奇術師」のようなオチはありませんのであしからず。

溶けていく感じとも合わさる感じとも違います。
時の流れが留まっては二つに分かれて行く
この小説のイメージを端的に表現するなら“分流”が一番近い言葉かな
と思います。