おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

春だから…。春なのに…。

2006-04-13 00:01:20 | 我思う、故に書くなりよ。
所用で出掛けた。

出掛けた先は大きめの病院で、当事者では無いのであまりする事もなく、用事は早々に終わる。まぁ、近い内にドタバタしなければならない予定が決まったので、陰鬱な感じにはなるものの、まな板の上の鯉…みたいなものなので、ジタバタしてもねぇ…。

んで、帰り際、ちょっとした『異変』に気が付く。病院を後にした私は、商店街を通って帰り道を急ぐワケだけれど、その道の真ん中に美しいおねいさんが立っている。

20代後半くらいかなぁ。今時にしては珍しいイケイケ風なファッションが上から下までバッチリ決まっており、大雨が降った後のシチュエーションとしては間違いの無いアイテムも相まって、しおれかけた商店街には『場違い』な感じ。

そのキレイなおねいさんが、私をじっと睨んでいるコトに気が付いたのは、5mほど手前に来た時だった。美しいおねいさんは怖い顔をしていても美しいので、まんざらではないのだが、睨まれる覚えが無いし、会った事も見た事も無いおねいさん…である。ひょっとしたら、私の背後の別の人を睨んでいるのかと、振り返って確認したが、該当する人物も見当たらず、おねいさんが私を睨んでいると確信したと同時に「謎」が私の中で急激に膨張し始めた。

「?」

謎やら疑問やら渦巻く中、そのまま通り過ぎようとした時に、おねいさんは突然叫んだ…

「プリンセス・テンコーを呼んで頂戴っ!!」
「私のロータスを返してっ!!」

「うわぁぁっ! あっち側の人かぁ!」

とっさに『ヤバさ…』の炸裂に見舞われてしまったので、久しぶりにかなり驚いてよろけてしまったが、何とかその場から逃げ出すコトが出来た。

「あー。精神科併設だったなぁ…あの病院…」

何となく理由を見付けるコトが出来たのが妙にウレシイし、謎や疑問が一気に消失する『変な快感』がすぅーーーっと体を抜けて行くのが心地よい。

冷静に考えると、プリンセス・テンコーの愛車がロータスだと言うコトを判っているのだし、身なりもイケイケ風ではあるものの、相当キチンと整っていたワケで、かなり高度な次元であっち側に歩みを進めてしまった人なのかと…。

方向性や程度は違うものの、鬱病の私とお仲間なのかもしれないと思うと、逃げちゃって良かったのかどうだか、悩んでしまう。単純に「気の毒だなぁ…」と、思うのだけれど、声を掛けるとか、何か救いの手を差し伸べる方法があったんじゃないかと、帰りの道中にずっと考えては見たものの、微妙で難しい…。

あっち側とこっち側の境界線は、限りなく薄っぺらだと思う。当事者と部外者も実は同じだったりするし、その狭間…ボーダーにいるコトだって有りうる。既に、鬱病と言うラベルが貼られている私にして見れば、明日は我が身なのかもしれない。

だが、美しいおねいさん…じゃなかったら、それほど真剣に考えもしなかっただろうと言う自分がしっかりいたりするのが自覚出来ている。

「男なんて、そんなもんだろ…」

そう言う自分がいるコトが判るウチは、まだまだ大丈夫だと言う非常に勝手都合の良い安心の求めドコロみたいなもんが、ホッ…としたりしてしまうんである。自分のいる位置…みたいなものが、ヒドク気になるコトもある。自分は「ギリギリ」にいて、ボーダーよりもあっち側にいるんじゃないだろうか? と、漠然とした不安が無いワケじゃない。どこにいるのか判らない不安が怖くなるのだと思う。また、何かのキッカケで一線を越えてしまうのではないかと言う不安も。

そんなこんなを考えると、途端に頭の中が「真っ白…」になったのが懐かしい。そうなった時に初めて

「俺は病気なんじゃないだろうか…」

そう思ったもんだ。そもそも、どうしてそうなったのかなんて、自分じゃ判らない。

てなコトを考えてブログに書いていられるワケだから、復活の兆しは順調なんだろうと思うが、通院もしていないのでどーなんだか? 毎度同じ質問と、効いてるんだか効いてないんだかサッパリな投薬に身の危険を感じて拒否出来たのは、一応は良くなっているんだろうと思うけどねぇ…。だいたい、そうした医療機関に「治ったよ…」なんてお墨付きを頂いても「?」は取り切れない。

せっかくの春なんだけど、悩みは尽きなかったりするんであるねぇ…、おじたんは。


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