おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

ホテル ルワンダ

2006-04-03 10:44:39 | 我思う、故に書くなりよ。
見ちゃった…。

上映館が限られている上に、もう既に3ヶ月も封切から経とうとしているワケで、映画館での鑑賞は難しいと諦めてはいたのだけれど、知人の計らいで間に合った。

とは言っても、喜び勇んで見に出掛ける様な娯楽映画では無い。先に見た「ミュンヘン」よりも重く、苦しい内容。ジェノサイドだし、虐殺だし、民族浄化だし、伝わっている事実でさえ、映像化するのも難しいほどの『地獄』が実際に広がっているのがテーマだから、スーパーヘビィーなコト極まりない。

で、実際に映画を見てだが、そこまでの地獄はさすがに映像化されてはいなかった。
ところが、得体の知れない感覚…。そんなものに包まれて、変な汗かいてしまうのである。そんな話があった…と言う、いわば「再現ドラマ」を映画館で見ているに過ぎないし、そうしたホロコーストだの、ジェノサイドだのって映画は過去にもあった。「キリングフィールド」なる名作もしっかりと見ているので、そんな感じ…と思ってはいたのだが、何かが違っている。まぁ、似たような話には違いないのだけれど、臨場感とでも言えばいいのかな、それが圧倒的に違っている。

イラクだのアフガンだの911だの、我々はショッキングな映像を報道を通して見慣れてしまったんだとも思えるが、昔は人間がライオンに喰われるのが目玉な映画もあった。今じゃ、そんなもんじゃショッキング…って言わないだろう。ちょっと努力すれば、同じ日本人が生きたまま首を切られる映像すら見るコトも出来る。

そこまで、ショッキングな映像は無いにしても、得体の知れない不安とともに、背筋がずっと寒い…。僅かな時間で100万人が虐殺された事実は十分にショッキングではあるのだけれど、それそのものが映像として流れているワケでもなく、ドキュメンタリーとしての報道とかの方が遥かに視覚的にはショッキングではあるのだけれど、それをも凌駕してしまう映画だと思った。

だけれども、実際に報じられている『地獄』はこれだけにとどまらない。それらの全てを映像化するのはもはや不可能なくらいに『地獄』は続く。戦闘状態の終結が紛争の終結ではなく、その後も『地獄』は『生き地獄』として続いている。

「国連が武装して介入しているんだから、大丈夫だろ…」

と、新聞やTVで少しばかり事情を知りえても、現実は大丈夫どころの騒ぎじゃない。その様子は、この映画に出て来るニック・ノルティの扮するオリバー大佐に見て取れる。

とは言え、だからってどーしろと…。そういう事実が映画として伝わっても、こんなコトはまだまだ続くだろうし、実際にまだ続いている。

「どーしちゃったら良くなんのかなぁ…」

と、考えるきっかけにはなるんだけれど、もう「きっかけ」はお腹いっぱいな気もする。きっかけだけがどんどん溜まっていくだけの「世界」なのかなぁ…。

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