あれは,あれで良いのかなPART2

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マジック目的でもお金を壊してはいけません

2007年04月14日 13時06分05秒 | 裁判・犯罪
手品で利用する目的で500円硬貨の内部をくりぬく加工をしたマジシャンらが貨幣損傷等取締法違反で起訴された裁判で,東京地裁は,「マジック目的であっても貨幣の損傷行為は貨幣に対する信用をなくしかねない」として,有罪とする判決を出しました。
マジシャンらは,控訴したそうです。

手品用の硬貨の加工は駄目 マジシャンらに有罪判決(共同通信) - goo ニュース

偽造ならOKなんですよね

今さら公然の秘密となっていますのであえて触れますが,貨幣を使ったマジック,その多くは「マジック専用硬貨」です。もちろん,中には私たち一般の人でも普通に購入することができるものもあります(例えば,500円玉の真ん中をタバコが通過するといううマジックの500円玉が数千円で売られています。)。
当然ながら,マジック用品ではあるものの,一見すると本物同様にできていますが,これは完全なる偽造品です。
今回の裁判は,このような商品のことではなく,「本物の通貨」を使って中身をくりぬくという行為に出たことから起訴されましたので,誤解のないようにいっておきますと,「硬貨マジック用品すべてがだめ」と言っているわけではありません。あくまでも,「本物の硬貨を損壊したことがけしからん」という趣旨で起訴されているだけなのです。
そして,裁判所は,マジシャンの利益よりも通貨の信用性を優先したというわけです。

確かに,マジックで使うのであれば,前述のような「専用硬貨」を作ればそれで済むだけの話です。ただし,マジシャン側とすれば,「よりリアリティを求める」訳ですから,本物を使いたい気持ちも分かります。でも,やはりマジックvs通貨の信用を天秤にかけると,通貨の信用をとらざるを得ないのではないでしょうか。
どうしても実物を使いたいのであれば,法に触れない海外の硬貨を使えばよかったのかもしれません。

ちなみに,マジック専用硬貨を作っても通貨偽造罪にならないのは,行使の目的がないからです。逆に言うと,マジック専用硬貨で何か買おうとすると,偽造通貨行使罪で捕まります(もっとも,マジック専用硬貨の単価の方が遙かに高いですから,そんなことをしても実際は損しかしませんが。)。

ただ,実際には硬貨を損壊している人は結構いるでしょう。あれは止めた方が良いです。
また,もっとすごいのは「裏からお金が沸いてくる」というマジックをやるマジシャンが永田町方面に結構いるらしいです。しかも,「帳簿上の帳尻まで合ってしまう」という超人的なマジックもできるようです。
このマジシャンは,マジックの種として「硬貨の損壊」ではなく「国家の損壊」をしているのでしょうね,きっと。

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