クリニックに薬をもらいに来ている。
待ち時間が長いなあ!
それだけ丁寧に診察してあるということか。
待ち時間は何をしてたらいいかなあ。
本を持ってくれば良かった。
若い人はスマホ。お年寄りは居眠り。
クリニックに薬をもらいに来ている。
待ち時間が長いなあ!
それだけ丁寧に診察してあるということか。
待ち時間は何をしてたらいいかなあ。
本を持ってくれば良かった。
若い人はスマホ。お年寄りは居眠り。
10時から11時半までは近くの公民館で詩吟教室。お師匠さん一人。生徒が四人。小規模である。座席の間は遠くしてある。もちろんマスクをしている。
今日は李白の詩「王倫を送る」をお習いした。わたしは音譜が読めない。読めてもそれを音にできない。詩吟には、音符の代わりに数字が記されている。
告白するが、だから、数字が添えてあっても、ないに等しい。ともかくまるっきり音にできないのだから。お師匠さんの奏でる楽器に合わせてないと謡えない。
お粗末である。だからまるで音楽の練習の適格者ではないのである。
加えて、2分以内で吟じ終わらなければならないのだが、ずるずると長引いてしまって、2分を超えた。注意を受けた。注意をしてもそれが直せない。顰蹙を買ってしまった。
お昼は近くの井上製麺さんの煮麺。1パック2人前を茹でてもらう。スープ付き。これがおいしい。つるつるつるんと啜って食べる。
これに我が家の畑で収穫した辛い辛い黄色唐辛子を、刻んでその2~3片を落とす。
舌が麻痺するくらいに辛い。登頂からわっと汗が噴き出て来るほど。癖になって、これがないと物足らなく感じる。
旬の物、大根葉の味噌汁が美味しかった。昨夕、家内が間引きした。15cmくらいに育っている。まだ柔らかかった。おいしいおいしいと言いながら啜った。
大根畑には蟋蟀さんがたくさんいる。発芽した後の柔らかい葉っぱを食べている。食欲旺盛だから、油断をしてたら、夜の間にも食べ尽くされる。しかしここまで成長してきたらもう大丈夫だろう。
西の畑に行って草取りをした。草の名前は知らない。同一種で、繁茂する。畑一面を覆い尽くす。外来種だろう。
朝食後、7時過ぎから9時近くまで作業した。中腰になれない。座った姿勢を保って、右手ばかりを酷使する。親指が痛んだ。
日が昇って来たらさすがに暑くなった。じわりじわり汗を掻いた。限界を感じて、手に握っていた農具を放り出した。
洗面所で着替えて、井戸水で冷やしたタオルで上半身を拭き上げたら、さっぱりした。しばらく快感に浸る。
ふふん、なんだか働いた満足感を味わっている。たいした仕事量でもないのに。いまはYouTubeで好きな音楽を聴いている。
外気温21・3℃。小高い山、祇園山の上空にかかる細い雲に、東から昇って来た朝日が当たって、ほの赤い。今日もまた秋晴れのいい天気になりそうだ。
今日は午前中は我が里の公民館で開催されている詩吟教室に行く。午後からはクリニックに薬をもらいに行く。2ヶ月分ずつくらいもらったらいいが、そうしてくれない。
合間を縫って畑仕事に精を出そう。早朝の2時間、夕暮れ方の2時間。もう汗を掻かないですむだろう。あれほど邪魔をした蚊もさすがにもう顔の先を飛び回るまい。
すっかり夜が明けた。いま6時20分。夜明けを待って小鳥たちが鳴いている。甲高い声を発しているのは百舌鳥だ。
青竹で編んだ糸瓜垣を長く長く蔓が伸びてそこに無数の黄色い雄花が咲いている。雄花は鶴首が長い。糸瓜は息が長い。10月までも咲き続ける。100に1つの雌花がついて、ぽっかり実が垂れる。この糸瓜は食べられる糸瓜という品種だ。
今日の日がおらの死ぬ日か 曼珠沙華 道の左右に火が揺れ列ぶ
薬王華蔵
☆
これは同じS新聞読者文芸で、別の選者が選んでくれた入選作品。
曼珠沙華はシビトバナ。死人花。彼岸へ導いてくれる花だ。里山の小径の畦に彼岸花が列をなして続いている。いつ死んでもいいようにしてある。ひょっとしたらおらが死ぬ日は今日なのかも知れぬ。赤々とした道だ。火が灯っている。条件が整っている。
良寛の「天上大風」墨痕の向こうに続く大空の秋 薬王華蔵
☆
S新聞の読者文芸に、この作品が1席に選ばれていた。1席は10年ぶりだ。うはうは、嬉しい。次の10年が待たれる。
選評にこうあった。「江戸時代の僧侶で歌人の良寛が、凧揚げで遊ぶ子供たちにせがまれ、即興的に凧に書いたと伝わる書「天上大風」。墨痕に、良寛の息使いを感じ想像を膨らませた歌。秋の大空に凧がぐんぐん上昇する風景と、作者の心が一体化して晴れ晴れとした気分が伝わって来る」
さすがは選者。図星だ。書いた作者の思いを言い当ててもらった。天上には、子供たちの凧が揚がるほどの大風が吹いている。稲刈りの済んだ畑で走り回る子供たちの歓声が聞こえて来る。
ここらでもぼつぼつ稲刈り作業が進んでいる。たわわに稲穂が実って色づいている。いい季節を迎えている。
するべきことが目白押しだ。たくさんある。畑仕事がなかなか捗らない。よろよろよぼよぼの老爺には、畑が広すぎる。朝夕2時間から3時間ほど、丸椅子に腰を下ろした姿勢で、働く。ちょこちょこちょこと働く。わずかしか進捗しない。まどろっこしい。草毟りだってまだ3分の2を残している。これを耕して秋野菜が植え付けられるようにしなければならない。プランターに種蒔きをした白菜苗は、もうずいぶんと成長してきている。広い畑に移植をしてあげねばならない。
この老人にもまだするべきことがある。有り難いことじゃないか。