姿ははっきり見えていませんが、わたしを此処へ導いて来てくれたエネルギーがあります。
で、その見えないエネルギーのようなものに、お礼を言いたくなります。
此処からは緑の美しい山が見えます。青い空も見えます。緑色をした風も吹いています。
此処へ来ると、わたしはただただしきりにお礼を言いたくなります。
姿ははっきり見えていませんが、わたしを此処へ導いて来てくれたエネルギーがあります。
で、その見えないエネルギーのようなものに、お礼を言いたくなります。
此処からは緑の美しい山が見えます。青い空も見えます。緑色をした風も吹いています。
此処へ来ると、わたしはただただしきりにお礼を言いたくなります。
ありがとうありがとうありがとう。
有り難うをいうたびに、有り難さが増して来ます。
ありがとうの感謝は我が内をあたたかくしてくれます。
ありがとうありがとうを、もっと言いたくなって来ます。
感謝を言える段階へ、わたしを案内して来てくれたエネルギーのようなものを感じます。
雨戸を繰りました。台風の轟音を聞いて過ごしています。
トイレの小窓を開けて外の様子を眺めて来ました。
隣の家との境目にある笹藪が薙ぎ倒されていました。
此処からは遠くに小高い山が見えます。山はどっしりしていましたよ、さすがに。
停電が3回ほど続きました。懐中電灯を部屋ごとに用意しました。
お風呂も沸かしてあります。いつでも入れるようにしてあります。
台所はオール電化なので、夕食は早めに料理に取りかかっていたようです。
6時からは夕食です。
長い長い夜になりそうです。
台風の轟音を子守歌にできるほど、豪胆であればいいでしょうね。
お昼寝でもしようかな、これから。風の音を聞いていてもどうしようもない。
お昼をすると夜が眠られなくなる、こともある。
ま、そのときはそのとき、だ。
でも、今日はいささか興奮気味。午前中にいいことがあったから。福の神が急に舞い込んできたから。
うふふ、うふふになった。
まだその残り香を楽しんでいる。時にはこんなこともなくちゃ、ね。
風が出て来たみたい。午後2時20分。台風14号は夕方から夜にかけて、九州地方に最も接近するという予報だ。くわばらくわばら。風の音、轟音が凄まじくなってきた。
まだ我が家は雨戸をくっていない。そろそろかなあ。
かなり成長をしている畑のカリフラワー苗やブロッコリー苗が、地面に平伏しているのが見える。明日の朝まで耐えきれるかなあ。明日の朝には通過しているだろう。
こちらに来なくていいのに。来る。台風は日本列島が好きみたい。よよよよと靡き寄って来る。
初めの頃の予報では、九州接近をする前で、温帯低気圧に代わるということだったが。そうなっていない。
我が家はまだ外壁工事のために足組鉄パイプが組まれたままだ。家の四周に二階屋根の高さまで。倒れないようにしてあるとは思うが。
午前7時15分になった。気温は23・8℃。雨は小止みになっている。ととっとっとと雨垂れの音が聞こえている。
わたしに楽しいときがあった。若い頃に、若い頃の楽しいときがあった。それを思い起こしている。
「あった」という記憶の時間は消えないで、いまに残っている。
それを巻き戻してスクリーンに映して見ても、やはり楽しい。度合いは格段に薄れてはいるが。
「あった」を10個重ね合わせたら、「10分の1」x10個で1になる。計算上は。
記憶のスクリーン上では、再現されている。それを楽しむと、楽しくなれる。
人間は「記憶」という便利なものを手にしている。これを呼び戻し呼び戻して、元気を回復することもできる。
☆
わたしはあの人が好きでならなかった。でも、一度も声を掛けたことがなかった。遠くで見ていた。それで、少年はこころをときまけせていることができた。あの人が通り過ぎて行った教室の廊下には、あの人の黒髪の、星のような輝きが残っていた。わたしは中学生だった。
今日は雨。灰色の空。見える視界がどんより淀んでいる。
台風接近中。今夜が風のピークになりそう。
☆
畑に出ていけない。
野良遊びができない。
☆
今日は、だったら、何をしようかな。何をして過ごそうか。
お爺さんを遊ばせるものはなにもない。
☆
晴れたら耕して、雨が降れば本を読め。
でも、このお爺さんは超怠け者。集中力が続かない。
☆
だから、雨読はすぐに雨寝雨眠になる。
よぼよぼお爺さんだからそれもいいか。
いいことにしよう。
午前6時半。障子戸を開けてみましょう。もう明るくなっているでしょう。
雨の音が響いてきます。雨脚が強くなっています。
☆
障子戸を開けてきました。
よろよろよろとよろけながら窓の処まで歩いて行って。お爺さんはよろよろです。
☆
わっと一面の畑が見えました。お爺さんの目がわっと大きく見開きました。
発芽した大根が日増しに生長しています。
もう間引きをしていいほどになっています。一夜漬けにしたらおいしそうです。
僕にないものはあなたが持っている。僕にないからと言って悔やまないでいい方法がある。
それを持っている人になりきってしまえばいいのだ。あなたの幸福に擬態する。
あなたに「乗り移る」なんていうのは聞こえが悪いが、よろこびをともにすればいいのだ。
相手に同調する。相手の周波数に同調する。こちらの放つ周波の周波数のみに拘らない。
仏教ではこれを「同事」と呼んでいる。よろこびもともにするけれど、かなしみもともにする。
わたしを0にしえてないと、しかし、できない技だろう。相応の修行を経てないと此処へは到達できないだろう。
昨日、土に差し込んであげたトクワカ小葱苗が、土の中から顔を覗かせて、幼児のように、きゃっきゃっきゃっ声を出してよろこんでいるだろうな。
きゃっきゃっきゃっの声が聞こえて来そうだな。
雨が降って来て、彼らは雨に濡れている。髭根が水を吸っているだろう。「よおし、生きるぞ~」って張り切っているだろう。
「これはみんな、僕らをここに連れてきて土の中におさめてくれたご主人様のお陰だ」などと、もしかしたら、ひそひそひそと話もしているかもしれない。