外気温２７℃。湿度６２％。割と爽やかである。風も時折吹き渡る。
ベストシーズンの到来。ならばベストにしているに限るだろう。
ベストにしてはいられなくとも、いまをベストとして感得していれば、それで８割方は、ベストシーズンに適応していることになるだろう。
第一、空の色がいい。それがはるばろと続く。草原に涼風起こる。
彼岸花が、山里の道の両側で、赤い提灯を掲げて、客人を待つ。
山には萩、尾花も咲く。アケビが垂れる。柿が実る。百舌鳥が鳴く。
今日をベストにする。最良の日とする。一人、にっこりにっこりする。
所詮、己のこころの置き所次第なのではないか。我が身のコンデイションが十全に整っていないとしても。
天が我にベストな空気をくれる。爽やかな秋をくれる。秋を深く深く吸い込んでみる。肺の奥まで吸い込んでみる。天に、受領証を書いて返す。
お昼１２時になった。午前中、ちょっと外に出ただけで汗を掻いてしまった。やや日差しがきつい。
上半身裸になって水に濡らしたタオルでごしごし汗を拭き取った。すっきりした。
しばらく畑に出て、椅子に座った姿勢で、秋野菜の種蒔きをした畝の草を抜いた。草も小さい内に抜くと、抜きやすい。
長時間の労働ができない。すぐにへたばる。ま、それでもいいか。気分が転換されて気持ちがいい。
これで畑の畝が野菜の緑だけになった。眺めがいい。風がそよそよ渡って来る。
この静かな山里にお爺さんが生きている、ってことを知っているのは誰と誰？
狸と狐と鼬と狢？
猪もいるよ。
山里は静かだね。そうだね、静かだね。誰も誰もいないようだよ。
誰の中には入らないかも知れないが、山と空と風が、ひっそり生きて暮らしているお爺さんを、見ているようにも思う。
台風が過ぎて行った後の山里はひっそりしたもんだよ。
草叢がひそひそ話をしている。
何を話しているのだろう、ひそひそだから分からない。
この家のお爺さんが歩いて来るよ、よろよろだねえ、よぼよぼだねえ、などと呆れているのかもしれない。
草叢の朝露の中では、ちろちろちろちろ虫が鳴いている。
ときが、谷水のように音を立てて、でもしずしずと流れて行く
おいらは、いっつも、一人だ。
何をするにも一人だ。
ご飯の時以外は、独居老人のように一人。
一人で生きているわけじゃないはずなのに、一人でいる。
寝るのも一人。目覚めても一人。
パソコンの前で一人、畑に出て一人。
声をかけるでもない、かけられるでもない。
これでいいのかどうか。ふっと疑問を感じてしまう。
家内が昨日、台風襲来の前に、畑に出て、大根の間引きをしてくれた。
もう２０ｃｍは越している。
何度も何度も洗って笊にあげると、滴る緑が鼻に飛んで来て、薫った。
滴る緑、きりりと跳ね上がる葉っぱの勢い、それだけでもう元気が渙発されて来る。
半分を一夜漬けに、もう半分を茹でて胡麻和えにしてくれた。
午前５時。まだ夜は明けない。徐々に夜が長くなって行く。
今日から３連休。何をしようかな。
お爺さんだって、じっとしてばかりは退屈。
☆
かといって、何処かに行きたいわけでもない。
結局は、畑に出て野良仕事に勤しんでいることになるだろう。
☆
ジャガイモ種をまだ植え付けていない。買って来たままになっている。
九条葱ももう１束は、種苗店に行って、買って来て、植え付けておこう。
☆
そうだ、薩摩芋と里芋を掘り上げてみよう。どっさりどっさりある。
することはいっぱいある。お天気も回復しているだろう。
寝て、寝て、寝た。もう寝られない。４時半起床。
起きて来て、パソコンを開く。
いつもそうしているように、YouTubeで音楽を聴く。
外気温は２２・７℃。湿度９４％。ひんやりする。降水なし。
半袖シャツ半ズボンでいるが、どうもそれでは落ち着かない。
台風一過。奥の間の秋の扉をこじ開けて行った。
これで一気に秋が深まって行くのだろう。
今日はもう９月１８日。土曜日。３連休に入る。来週にはお彼岸を控えている。
