そろそろ障子戸の外が明るくなる。
着替えて畑に出でて行こう。
野良仕事で酷使している右手の手首が痛んでいるが、かまうものか。
夜明けにしては気温がやや高め。22・6℃。
蚊につきまとわれそうだ。対策をして外に出るようにしよう。
畑に出て行けばそれだけで希望が湧く。元気が溌剌となる。
心身の弛みが一度にすっと張りになる。畑は威力の塊だ。
そろそろ障子戸の外が明るくなる。
着替えて畑に出でて行こう。
野良仕事で酷使している右手の手首が痛んでいるが、かまうものか。
夜明けにしては気温がやや高め。22・6℃。
蚊につきまとわれそうだ。対策をして外に出るようにしよう。
畑に出て行けばそれだけで希望が湧く。元気が溌剌となる。
心身の弛みが一度にすっと張りになる。畑は威力の塊だ。
僕は言葉という卵を産卵する。言葉のメス親。年中産み付ける。もちろん有精卵。天上魂が吹き込んである。
産卵するばかりで、孵卵しない。その後どこでどうなったやら。
育ったのもあるのかしらん? 人様の元で生育してもらったのが、もしかしたら、あるやもしれぬ。ないやもしれぬ。
このブログは産卵場所。言葉たちは、その後は、親なしになる。哀れ、すぐに死滅してしまうのだろう。
いつか、「おとっつあん、帰ってめーりやした。お久しぶりでござんす。一人で諸国を経巡ってめーりやした」などという声が聞かれる日があるのかしらん。
蚊はもういるまいと思って、蚊除けベープを吹き付けるのを怠ったら、やられちまった。
途中、暑くなって、長袖を脱いだのがいけなかった。刺されたあとの腕が痒い。僕は色白体質。そこが赤くなってぷくんと膨れている。
蚊は小さな吸血鬼。人の血を吸う。栄養豊富な人の血は、ご馳走だろうなあ。血を吸うのは産卵期のメスか?
早朝6時を過ぎて裏の畑に行った。丸椅子に座って、スコップで深く土を掘って、畑を耕した。
2時間半を掛けて、長さ4m幅1・5mの1畝が出来上がった。
気温はまだ低い時間帯なのに、汗が噴き出た。老人には力仕事。ふうふう息を吐く。疲労困憊した。
作業を中断して、上がって来た。作業着を脱いで、上半身を、井戸水を含んだ冷たいタオルで拭き上げた。さっぱりした。
9時、朝ご飯を食べた。韮の味噌汁が薫った。
土を盛り上げて調えた畝には、秋野菜の種蒔きをしよう。
おおいなるものに生かされ在ることを今朝吹く風の涼しさに知る
☆
妙心寺の管長だった方の歌。お名前を忘れてしまった。
☆
かっては肺の病は死の病だった。で、一人、隔離されて過ごしておられた。世を恨んで痩せ衰えて。
縁側に出て来てみたら、涼しい朝の風が吹いてきた。
ああ、風はわたしを見捨ててはいなかったんだなあという受け取りをされた、そのおりの歌である。
それを受け取るための長い長いお慈悲の道程だった、と気付かされて、こうしちゃいられないと元気を奮い起こされた。
「おおいなるもの」がわたしに寄り添っている。わたしを助けている。わたしを守っている。わたしを導いている。
それに気がつかれたときの歓喜はいかほどに大きかったことか。
「おおいなるもの」としか言い様がないが、それがたしかにわたしを動かしている。わたしを生かしに生かしている。
死ぬときも同じだ。おおいなるものの、力による。
6時まであと5分。
しばらく深呼吸。
呼吸を楽しむ。
吸う息、吐く息みな、それを可能にしてもらえている。
我がすることはみな、大いなる力によって、しかあらしめられている。
間違いもなく我も亦しかあらしめられているというそれを証して、よろこぶ。
吸う息も美味しい。吐く息もおいしい。我が息になる空気がおいしい。
生まれて来るときもそうだった。自分の力で生まれて来たんじゃなかった。
生まれさせてもらった。大きな力が働いて働いている。
死ぬときも一緒だ。行きも帰りも同じ。同じ道。同じく大きな大きな力が働いて働いて働く。
これに頼るしかない。わたしがわたしを死なせる力はない。
ふるさとを出た者はまたふるさとに帰って行くしかない。
懐かしいふるさとは、懐かしい仏国土である。ここしかない。
行きも見送られた。帰りも多くの多くのソウルメイトや天人たち菩薩たちに出迎えられるだろう。
久闊を叙して喜び合えるだろう。
まず一番に何を語って聞かせようか。わがソウルメイトたちに。それから天人や菩薩たちに。
地球という星が美しい星だったということを、一番に語って聞かせてあげよう。
ある日ぽっこりと死んでしまうだろうなあ。
それまでの日数だ。大事にしなきゃいけない。
死んだらその日は通夜。明くる日には葬儀。
小さな葬儀でいいなあ。家族葬で。
弔辞なんて要らないなあ。野菊一輪あれば、花輪も無用。
死なせてもらうから大丈夫。死ぬんじゃない、死なせてもらうんだから。
死ぬ力なんてない。みな仏様のおはからいに依るのみ。
我が家の渋柿がことしは実をたくさんつけている。
赤くなって幾つももう落ちている。落ちた物は小鳥も啄まない。
毎年、山から下りてくる小鳥たちへふるまうばかり。収穫したことがない。
干し柿にでもしたらよかろうに。ちぎるための竹竿がない。
3時起床。6時間睡眠。うち2回トイレ通い。夢夢夢。夢も見飽きた。起きる。
新聞投稿の読者文芸作品を書いて過ごした。川柳部門3作品、俳句部門3作品、短歌部門3作品。これで時間を潰した。
いまもう5時半。夜明けまでもう少し。夜が明け次第畑に出て行こう。
畑を耕して、白菜苗を移植しよう。白菜苗もプランターでずいぶんと大きくなってきた。移植可能ぎりぎりか。